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スバル・レオーネ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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当項目ではスバル・ブラットについても記述します。


スバル・レオーネ(SUBARU LEONE)富士重工業で過去に生産されていた自動車である。セダンステーションワゴンの他、多くのボディバリエーションを持つ、かつての基幹車種。

3代目レオーネ
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3代目レオーネ

目次

[編集] 歴代モデル

[編集] 初代 (1971年-1979年)

[編集] 変遷

<前期型>

  • 1971年10月7日 _ スバル・レオーネ クーペ シリーズ発売(GSR、GS、GL、DL)
               1400GSR:71万9,000円、GS:69万4,000円、GL:64万9,000円、DL:59万7,000円
  • 1972年2月19日 _ 4ドアセダン1400シリーズ 発売(カスタム、GL、DL)
               カスタム:64万7,000円、GL:62万9,000円、DL:58万4,000円
  • 1972年4月22日 _ 2ドアセダン(GL、DL、スタンダード)、1100シリーズ(4ドアDL、2ドアDL、2ドアスタンダード)、4ドアエステートバン(1400DL、1100スタンダード)、スーパーツーリング発売。
  • 1972年9月1日 _ レオーネ1400エステートバン4WD 発売  79万8,000円
  • 1972年12月1日 _ 1400クーペRX 発売 73万4,000円
  • 1973年6月9日 _ ハードトップ シリーズ 発売(GFT、GF、FL)。48年度排気ガス規制適合 全車8000円値上げ
  • 1973年10月13日 _ マイナーチェンジ、新型レオーネ シリーズ 発売。ツインキャブ車の指定燃料が無鉛レギュラー化されるとともに、5速クロスレシオミッションをツインキャブ全車に設定拡大。内装デザインを一新。エステートバン1400GLを追加。
  • 1973年11月1日 _ 1100シリーズを廃止し、1200シリーズ発売。
  • 1974年9月22日 _ 「第16回 日本アルペンラリー」で 平林武 レオーネRX が総合優勝。

<中期型>

  • 1975年1月20日 _ ニューレオーネ シリーズ発売。セダン1400の上級モデルは4灯式ヘッドライトを採用。スタンダードを除く全車にブレーキモニターを装備。4WDセダン、オートマチック(カスタム、GF)、4ドアセダン1200GLを追加。    
  • 1975年10月18日 _ 51年度排気ガス規制適合(SEEC-Tシステム)レオーネSEEC-Tシリーズ 発売。
  • 1976年1月19日 _ レオーネSEEC-T 4WDセダン、オートマチックシリーズ発売。

<後期型>

  • 1977年4月1日 _ 53年度排気ガス規制適合 NEWレオーネ シリーズ 発売。
  • 1977年9月28日 _ レオーネ4WDセダン ロンドン~シドニー3万キロラリー完走 総合19位、4WDクラス4位 (小関典幸・高岡祥郎・岡崎宏司 組)
  • 1977年10月 _ 「スバル・ブラット」アメリカ向け輸出開始。
  • 1977年11月1日 _ グランダムシリーズ発売
  • 1978年3月1日 _ クーペRX-A、4ドアセダン・グランダム(ベロア内装仕様)発売。
  • 1978年7月7日 _ 新型レオーネシリーズ発売。
  • 1979年6月1日 _ ザ・ニュー・レオーネ シリーズ 発売(フルモデルチェンジ)

[編集] 概要

1971年10月7日 スバルスバル・レオーネ クーペ を発売した。「レオーネ=LEONE」とはイタリア語雄ライオンの意味で転じて「勇者」を表す。当初はクーペモデル 4タイプのみの展開で、スバルff-1 1300G シリーズとの併売だった。徐々にバリエーションを拡大しながら、1970年代の排気ガス規制、オイルショック など、自動車にとって逆風の時代に スバル のエンジニアリングの独自性と屋台骨を支え、本格的な海外進出の礎を築いた。

スバル1000」は、当時、自動車のFF方式量産化のネックとなっていた「等速ジョイント」を、「東洋ベアリング」(現NTN)と、 イギリス 「ハーディ・スパイサー社」のバーフィールド方式を改良した フロントドライブシャフト の開発により解決。1970年代からの世界的な小型車のFF化の潮流に欠かすことのできない、画期的な技術革新を成し遂げたマイルストーンである。
また、総アルミ合金製水平対向エンジンAWDなど、現在の 富士重工業 = スバル のコア・エンジニアリングとなる技術の礎を築いた。さらにセンターピボット方式ステアリング、インボードブレーキ、デュアルラジエターなど、ユニークなメカニズムを合理的なパッケージングで構築し、エンジニアリングの良心と理想主義を感じさせる「傑作」として、国内のみならず、アルファロメオ・スッド、シトロエン・GSなどの開発の際に参考にされるなど、海外からも非常に高い評価を得た。
しかし独自のエンジニアリングには、特にアフターサービスの現場からは戸惑いや批判の声も多かった。
また1960年のスバル マイア(スバル450)から始まった海外輸出は、現地ディストリビューター整備などを中心に地道に進められていたものの、まだ目立った成果を上げていなかった。
当時、日本車の対米輸出は、1970年には年間50万台にまで拡大し、スバル としても特にアメリカ市場への本格進出を見据えた、より分かりやすい商品性を具えた乗用車のラインナップが急務だった。
また、「スバルff-1 1300Gバン 4WD」 で、潜在的な市場の可能性が見出された AWD は、1972年9月1日、日本初の乗用車ベースAWDである「レオーネ1400エステートバン4WD」、そして1975年1月の日本初の乗用車AWD「レオーネ14004ドアセダン4WD」の発売に結実。現在につながるスバル のエンジニアリングの独自性とAWD技術の礎を築いた。
一方、1960年代から深刻になっていた自動車の排気ガスによる大気汚染などの公害問題のため、1970年代は、厳しい「排気ガス規制」の時代となる。世界の自動車メーカーが生き残りを賭けた排気ガス規制対策でも、地味ながら、独自の技術を生かしリードしていたことも初代レオーネのトピックである。

[編集] エクステリア

<前期型>
スバル1000/スバルff-1のシンプルなエクステリア・デザインから、ロングノーズ・ショートデッキ(メーカーでは『ロングノーズ・ホットテール』と呼んだ)の躍動的キャラクターライン、彫りの深いフロントグリルなど当時のトレンドを取り入れたデザインへと一気に趣を変えた。また、ドアにサイドウィンドウを保持するための枠を持たないサッシュレスドアを採用、特に4ドアセダンでは国産初だった。
全長:3995mm、全幅:1500mm、全高:1385mm 、ホイールベース:2455mm(1972年4ドアセダンGL)というディメンションは、先代モデルであるスバルff-1 1300Gと比較して全長で95mm、全幅で20mm、全高はほぼ据え置き、ホイールベースは35mmのサイズアップ。2ドアクーペは全高を1345mmと、セダンに比べ40mm低められている。トレッドは(F)1260mm/(R)1205mmとされ、同じくスバルff-1 1300Gと比較するとフロントが25mm拡げられているのに対し、リヤは逆に5mm狭められている。車両重量は775kg(GSR)と35kgの重量増加となっている。

1972年2月19日には4ドアセダン、同年4月22日に2ドアセダン、4ドアエステートバンを追加。

1973年6月9日には2ドアハードトップを追加。2ドアハードトップはシリーズ唯一の4灯式フロントグリル、リヤガーニッシュ、フロント、リヤバンパーなど専用部品が多く用いられ、差別化が図られている。

1973年10月にマイナーチェンジ。2ドアクーペとエステートバン4WDにハニカムグリルを、それ以外の車種も縦桟から横桟を基調としたフロントグリルを与え、2ドアクーペのリヤガーニッシュを廃止。テールランプとフルホイールキャップのデザインも変更された。

<中期型>
1975年1月20日には、50年度排気ガス規制適合に備えてマイナーチェンジを実施。セダン1400のカスタムとGL、スーパーツーリングにハードトップと同じ4灯式フロントグリルを採用、さらに、ホイールキャップをスタンダードを除き、ハードトップと同一のハーフキャップに変更(カスタムとスーパーツーリングは色挿しタイプ)。クーペRX、4WD系はキャップレスとなった。また、ハードトップGFTに砲弾型、エステートバン4WDに樹脂製フェンダーミラーを標準としている。
1975年10月には、51年度排気ガス規制適合に伴い再度マイナーチェンジして、「レオーネSEEC-T」シリーズへ。外装の変更点が前後「SEEC-T」オーナメントの追加程度と軽微に留まるが、金属ミラーを廃止して全車樹脂製ミラー採用となっている。

<後期型>
1977年4月1日には、53年度排気ガス規制適合とともに、フルモデルチェンジといえるほどの大掛かりなマイナーチェンジを行った。 全長:4015mm、全幅:1550mm、全高:1390mm、ホイールベース:2450mm(1977年レオーネ4ドアセダンスーパーカスタム)と、全幅を50mm拡幅した。これは同セグメントに属するライバルの大型化に対抗するもの。ちなみに、トレッドは、フロントが1,260mm、リヤが1,255mm(1977年16004ドアセダン4WD)と据え置かれたフロントトレッドに対し、リヤは実に50mmのサイズアップが図られた。これに伴い型式も「A2」系から「A3」系へ変更された。全体的にプレスラインが整理され、直線を基調とした基本デザインで、ウィンドウガラス、ドアノブ、エンブレムなどを除き、外装における共通部品はない。これを機に、2ドアクーペ系もピラーアンテナに改められた。
1977年11月には、2ドアハードトップに「グランダム(Grand am)」を追加。前後大型衝撃吸収バンパーと専用カラー、ストライプ、「グランダム/T」には、専用13インチ5Jアルミホイール、ベロア生地シートを採用。
1978年7月のマイナーチェンジでは、4ドアセダンにも「グランダム」シリーズを設定。グランダム・シリーズ、4WDシリーズ(エステートバンLを除く)、クーペRX-Aに大型衝撃吸収バンパーを採用。

[編集] シャシー・サスペンション

<前期型>
ボディモノコックは新開発。AWD化を見越して、フロアトンネルが設けられた。フロントサスペンションスバル1000/スバルff-1/スバルff-1 1300Gの特徴のひとつだった、センターピボット式ステアリングを成立させるために採用されたインボードブレーキから、一般的なアウトボードブレーキに改めたことでストラット方式となった。リヤサスペンショントーションバースプリングを用いたセミトレーリングアームである点はスバルff-1 1300Gと同じだが、全くの新開発で共通性はない。クロスメンバーは左右で独立したものとなった。トレーリングアームもより大断面のものとなり、また、サスペンションシステム自体をトーイン方向に狭める形でマウントして横剛性を高めている。1972年12月発売の1400クーペRXでは、量産車では日本初の4輪ディスクブレーキが採用されている。また、1973年10月に追加されたエステートバン1400GLでは、商用車としては珍しいディスクブレーキ(マスターバック付)を採用した。

<中期型>
1975年1月のマイナーチェンジでフロントサスペンションのロワーアームにリーディングロッドを追加。このため、エンジンマウンティングやサブフレーム等が一新された。また、1200スタンダードを除く全車にブレーキモニターを装備。モニタリング内容は、①パーキングブレーキ使用警告②ブレーキオイル残量警告③ストップランプ断線警告④ディスクブレーキパッド摩耗警告(DLを除く)。1975年10月のマイナーチェンジでは、それまでツインキャブ車とバンGLのみに採用していたマスターバックをシングルキャブ車のディスクブレーキ仕様にも拡大設定した。

<後期型>
1977年3月にはボディを拡幅する大規模なマイナーチェンジを実施した。セダンスーパーツーリングにも4輪ディスクブレーキを採用。

[編集] エンジン

<前期型>
スバルff-1 1300Gの水冷水平対向4気筒「EA62型」(1267cc)エンジンのボアを3mm拡げ、1,361ccとした「EA63型」を搭載。シングルキャブ80psとツインキャブ93psの2種を用意した。出力を抑え、中低速のフレキシビリティと重量増加に対応した。1972年4月22日には2ドアセダン/エステートバンの追加に伴い、スバルff-1からのキャリーオーバーである「EA61型」(1,088cc)を搭載した1100シリーズを設定。ブローバイガス還元装置等若干の改良を加えられている。
1973年10月、48年度排気ガス規制適合にあわせ、全車を無鉛レギュラーガソリン対応に変更。1,100ccの「EA61型」は1,200ccの「EA64型」に拡大された。

<中期型>
1975年1月、「50年度排気ガス規制適合への準備」と称し、「EA63型」(1,400cc)、「EA64型」(1,200cc)は、シリンダーヘッド、カムシャフト、冷却系、キャブレターなど、ほとんど新設計といえるほどの設計変更を受けた。それまで片バンクの両端にあった排気バルブを中央側に移設し、いわゆる「1ポート」になった。但し、排気ガス規制に対しては48年度規制適合のまま。また、フロントサスペンションの改良に伴い、エンジンマウントも変更された。このマイナーチェンジに先立ってスバルは「SEEC-T」システムを発表。翌年に控えたさらに厳しい「51年度排気ガス規制」に備えた。
1975年10月、51年度排気ガス規制適合により、「SEEC-T」(SubaruExhaustEmissionControl.Thermal&ThermodynamicControl)=空気導入式燃焼制御システム)導入により、新開発の「EA71型」(ボア×ストローク:92×60mm、1,595cc)と1,400ccの「EA63型」のラインナップとなり、セダンでの「EA64型」1,200ccは廃止。1600にはツインキャブ仕様も用意され、レオーネのスポーツ性を大いにアピールすることとなった。

    • 「EA71型」
      • (標準型)82ps/5,600rpm・12.0kg-m/3,600rpm
      • (スポーツ系)95ps/6,400rpm・12.3kg-m/4,000rpm
    • 「EA63型」
      • (標準型のみ)72ps/6,000rpm・10.2kg-m/3,600rpm


1976年1月、「SEEC-T」4WDセダン、オートマチックシリーズ発売。エステートバンの4WDは1,600ccに移行。商用車登録のため排気ガス規制の緩いエステートバンについては、SEEC-T導入は見送り。このため、エステートバンSTDは「EA64型」1,200ccを継続設定。

<後期型>
1977年4月、53年度排気ガス規制適合。EGR(排気ガス還流装置)を装着。

[編集] レオーネRX

1972年12月1日に追加された、レオーネのスポーティ・グレード。 量産車では日本初となる4輪ディスクブレーキを採用。 「RX」というグレード名は、「Rally - X」=「ラリー競技での可能性、ポテンシャル」の意。 以降、1989年1月のレガシィRSの登場まで、国内・海外ラリーへの積極的な参戦を通じてスバルのモータースポーツラインを代表するグレードだった。
スバル1000スポーツセダン登場以降、スバルff-1スバルff-1 1300Gは、FF方式のトラクションと、軽量な車重を生かし、日本アルペンラリーなど,当時の国内ラリー1000~1300ccクラスでは文字通り「無敵」で、数々のクラス優勝を飾っていた。
搭載されるエンジンは、「レオーネ1400GSR」の EA63S型エンジン(1361cc、最高出力:93ps/6800rpm、最大トルク:11.0kg-m/4800rpm)と同一だが、4輪ディスクブレーキ、ハードサスペンションスバルでは初の、クロスレシオ5速マニュアル・トランスミッションを装備していた。
外観上の特徴は、RX専用ボディカラー「サリーブルー」、マットブラック塗装のキャップレス・ホイール、リヤパネルの「RX」オーナメントが追加となった(サイドストライプとボンネット・ステッカーはOP)。登場後の1974年の「第16回日本アルペンラリー」では、平林武のドライブで総合優勝を飾った。レオーネ1400RXでは、1973年からオーストラリアで行われていた国際ラリー「サザンクロス・ラリー」に「スバル・ラリー・チーム」から、足回り、タイヤ、ロールバー等の変更しか認められない「グループ1」での参戦で、1973年が、J.L・ピーチ/B・レイク組が総合14位、高岡 祥郎/久世 隆一郎組が失格、1974年が高岡 祥郎/G.エリオット組が、一時、総合3位を走行するものの、J.L・ピーチ/B.レイク 組ともにリタイヤ。1975年がJ.L・ピーチ/B・レイク組が総合6位、平林 武/中原 彰男組が総合7位(グループ1)で完走。スバルの海外ラリー挑戦の礎を築いた。

[編集] レオーネ1400エステートバン4WD

日本初の量産型乗用車ベースAWD

戦後、ジープタイプを除いた量産乗用車の4WDは、1964年に、フランスルノー 4」のAWD版である「ルノー 4 サンパー」の登場が最初である。ルノーでは1969年登場の「ルノー6」、「ルノー12」にも、そのAWD版である「サンパー」を設定し、天候を問わない使い勝手の良さで好評を得ていた。 また、1966年イギリスのバックヤードビルダー、ジェンセンが発表した「ジェンセン・インターセプター」のAWD版である「ジェンセンFF」は、330psの最高出力を、当時、F-1インディ500マシンにも各コンテンダーがこぞって採用していた「ファーガスン4WDシステム」により37:63の前後不均等トルク配分で伝達。4輪ディスクブレーキABSと相まって、「一般公道において最も安全なクルマ」と絶賛された。

日本では、東北電力の要請に伴って開発され、ごく少数が生産・販売された「スバルff-1 1300Gバン 4WD」を経て、その市販モデルである、1972年9月1日登場の、レオーネ1400エステートバン4WDが国産車では初の乗用車ベースAWDとなる。

もともと、富士重工業 = スバル では、スバル1000開発の過程ですでにAWD化が話題に上っていたという。しかしスバル1000登場当時、日本ではようやく「マイカー時代」を迎えたところで、AWDといえばジープタイプしか存在せず、業務用・レジャー用 といったセカンドカー的なAWDのイメージから、市場性が全く見込めなかった。 富士重工業 = スバル の乗用車ベースAWDの開発の発端になったのは、東北電力から1スバルディーラーである宮城スバルに対する、「ジープより快適で、通年使用可能な現場巡回用車輌」という開発要請だった。宮城スバルはスバル1000バンをベースに、日産・ブルーバード(510型)のプロペラシャフトリヤアクスルを追加してAWD化。関係者の間で非常に好評だったため、1971年3月以降 富士重工業・群馬製作所で製品化へのテストに入った。ベースとなったスバルff-1 1300Gスバル・レオーネへのモデルチェンジを控えており、スバルff-1 1300Gバン 4WD はごく少数が生産・販売されたにとどまり、正式な市販は1972年9月1日にレオーネ1400エステートバン4WDから始められた。当初は山間地・積雪地のにおけるニーズから、徐々にレジャー用その他のニーズに販路が拡がり、1973年の対米輸出開始後は「スバル・ステーションワゴン4WD」として、アメリカ、ヨーロッパ、中東を中心に、着実に生産を増やしスバルAWDのイメージを高めていった。

<1972年 レオーネ1400エステートバン4WD>
全長:4,040mm 全幅:1,500mm 全高:1,450mm ホイールベース:2,445mm 
トレッド:(前)1,230mm(後)1,200mm 最低地上高:210mm 
車両重量:905kg 最高速度:140km/h 登坂能力:0.38(tan/θ) 
最小回転半径:5.5m 燃料タンク容量:32ℓ
<エンジン>
「EA63型」水冷4サイクル水平対向4気筒OHV ボア×ストローク:85×60mm
総排気量:1361cc 圧縮比:9.0 最高出力:77ps/6400rpm 最大トルク:10.5kg-m/3,600rpm
<サスペンション>
(前)ストラット(後)セミトレーリングアーム
<ブレーキ>
(前)(後)ドラム タイヤ:155SR13(RD301)マッド&スノー・タイヤ

<1978年 スバル・レオーネ1600エステートバン4WDLG>
全長:4,190mm 全幅:1,550mm 全高:1,460mm ホイールベース:2,440mm 
トレッド:(前)1,255mm(後)1,205mm 最低地上高:210mm 
車両重量:905kg 最高速度:140km/h 登坂能力:0.45(tan/θ) 
最小回転半径:4.8m 燃料タンク容量:45ℓ
<エンジン>
「EA71型」水冷4サイクル水平対向4気筒OHV ボア×ストローク:92×60mm
総排気量:1,595cc 圧縮比:8.5 最高出力:87ps/5600rpm 最大トルク:12.3kg-m/3,600rpm
<サスペンション>
(前)ストラット(後)セミトレーリングアーム
<ブレーキ>
(前)(後)ドラム タイヤ:155SR13(RD701)マッド&スノー・タイヤ

[編集] レオーネ4ドアセダン4WD

1975年1月20日、レオーネシリーズのマイナーチェンジに伴い追加された、国産車初の4ドアセダン型乗用車AWD
1972年9月発売のレオーネ1400エステートバン4WDは、日本の自動車法制度上では「商用車登録」となるため、厳密に言えば「乗用車」ではない。
搭載されるエンジンは、レオーネ1400エステートバン4WD と同じ「EA63型」で、最高出力:77ps/6400rpm、最大トルク:10.5kg-m/3600rpmを発生。これは FF用「EA63型」(80ps/6400rpm、10.5kg-m/4000rpm)と比較すると、最高出力を3ps抑え、最大トルク発生回転数を400rpm落とした専用エンジン。ホイールベースはFFシリーズに比べ5mm短い。
装備は当時のレオーネシリーズ中の最上級グレードだった「カスタム」に準じたもので、「スーパーツーリング」と同じく、タコメーター付角型3連メーターが標準となる。トランスファー・レバーが追加されたために、センターコンソールは付かない。エクステリアはフロントとリヤに「4 WHEEL DRIVE」オーナメントが追加された他、リヤに「4WD」ロゴの入ったマッドガードを装備。さらに、リヤガラス下端には「4輪駆動」のステッカーが貼られる。
外観上の特徴は、最低地上高がFFの170mmから25mmアップされた195mmに設定され、悪路・積雪踏破性を高めている。またエステートバンのマッド&スノー・タイヤに対して、155SR13オールシーズンラジアルタイヤが標準装備となっている。
1975年10月、レオーネSEEC-Tシリーズへの移行の際に一時的にラインナップから脱落。
翌1976年1月に従来の「EA61型」(1,400cc)のボアを7mm拡げ、SEEC-T導入による51年度排気ガス規制適合の「EA71型」(1595cc)に換装されて再登場した。
しかし翌1977年4月には53年度排気ガス規制クリアに合わせてレオーネ・シリーズの大規模なマイナーチェンジで、型式も「A24」から「A34」に変更して登場。EGR(排気ガス還流装置)を装着。リヤトレッドを50mm拡大。拡幅に伴い、最小回転半径は5.5mから4.8mへ小さくなった。外観は大型フォグライトを持つ4WD系専用のフロントグリル、アンダーガードが与えられ、最高出力:82ps/5,600rpm、最大トルク:12.0kg-m/3,600rpmへパワー、トルクとも若干向上した。また、トランスミッションギヤ比も変更された。
1978年7月のマイナーチェンジで「グランダム」シリーズと共通の大型衝撃吸収バンパーが装着された。
また、1977年、「チーム・スバル」から小関典幸/高岡祥郎/岡崎宏司のドライブにより「SIAロンドン~シドニー・マラソンラリー」に参戦。総合19位、4WD部門4位で完走を果たしている。

<1976年 スバル・レオーネ14004ドアセダン4WD(E-A24)>
全長:3,995mm 全幅:1,500mm 全高:1,435mm ホイールベース:2,450mm
トレッド:(前)1,260mm(後)1,205mm 最低地上高:195mm
車両重量:955kg 登坂能力:tanΘ0.51 最小回転半径:5.5m
<エンジン>
水冷4サイクル水平対向4気筒OHV「EA63」ボア×ストローク:85×60mm 1,361cc 圧縮比:9.0
最高出力:77ps/6,400rpm 最大トルク:10.5kg-m/3,600rpm
<サスペンション>
(前)ストラット(後)セミトレーリングアーム
<ブレーキ>
(前)ディスク(後)ドラム

<1978年 スバル・レオーネ16004ドアセダン4WD(E-A34)>
全長:4,170mm 全幅:1,550mm 全高:1,415mm ホイールベース:2,450mm
トレッド:(前)1,260mm(後)1,255mm 最低地上高:185mm
車両重量:995kg 登坂能力:tanΘ0.48 最小回転半径:4.8m
<エンジン>
水冷4サイクル水平対向4気筒OHV「EA71」ボア×ストローク:92×60mm 1,595cc 圧縮比:8.5
最高出力:82ps/5,600rpm 最大トルク:12.0kg-m/3,600rpm
<サスペンション>
(前)ストラット(後)セミトレーリングアーム
<ブレーキ>
(前)ディスク(後)ドラム

[編集] トピック

  • この時期に登場した特異なモデルとしては輸出専用モデルでピックアップ型のブラット(en:Subaru BRAT)が挙げられる。ただしアメリカの対小型トラック関税障壁を回避するため、荷台にはプラスチック製のシートが取付けられており名目上はあくまで「乗用車」であった。1979年6月に2代目に移行した。
  • コマーシャル戦略もレオーネになり様変わりした。初代レオーネの発売期間に製作・配布された楽しいノベルティは数多い。1971年10月発売当時のCMキャラクターには尾崎紀世彦を採用。レオーネのイメージソングが2曲制作され、ソノシートとして発表会場などでノベルティーで配布された。
    1975年のマイナーチェンジからは1979年のモデルチェンジまで「SPIRIT OF SUBARU」キャンペーンを展開。アメリカTVドラマ「刑事コロンボ」の吹き替えを担当していた小池朝雄が、中島飛行機、FA200「エアロスバル」などの富士重工業の航空機と愛車スバル・レオーネとのつながりを、お馴染みの口調で訥々と語る 「飛行機野郎の追憶」 というカセットテープが配布された。
    さらにメディア向けに江戸川乱歩原作のミステリーシリーズに登場する「怪人二十面相」をCMキャラクターに起用するという、前代未聞の奇想天外なコマーシャルを展開。「信じられるかね、明智君!」のコピーは世間の話題をさらった。
  • 1977年「SIAロンドン~シドニー・マラソンラリー」に出場、見事完走した、レオーネ4ドアセダン4WD(A34型)には、実は排気ガス対策以前の1,400cc「EA63S」が搭載されていた。標準の1600cc「EA71型」はエミッション・コントロール優先の設計となっており、3万キロという長丁場、3,000m以上の高地など過酷な状況での信頼性が未知数だったためで、また使用されるラリールートの国々では、日本ほどの厳しい規制が必要とされなかったことがある。

[編集] 2代目 (1979年-1984年・ザ・ニュー・レオーネ)

[編集] 変遷

[編集] 概要

1979年6月1日、富士重工業 = スバル は、「ザ・ニュー・レオーネ」シリーズを発売した。同じセグメントに属するトヨタ・コロナ日産・ブルーバードの排気量拡大に対応して、上級モデルの排気量は1800ccとなったが、シリーズに搭載される「EA81型」エンジンは依然として OHVキャブレター吸気で、その基本構造は1966年登場の「スバル1000」のEA52型にまで遡る事ができるものであり、OHC化、ターボ化、あるいは、電子制御化、多気筒化、高出力化が進みつつあった国産他車の流れからはすでにこの時期から遅れを取り始めていた。しかし、長く熟成が進められてきた「EA型」エンジンは、シンプルなメカニズムであることと相まって、特に「サファリラリー」などのサバイバル・コンディションでは侮りがたい信頼性を発揮し、好成績を収めている。また、スバル独自のAWD技術も、1981年11月に発売された「レオーネ1.8ℓ4WDオートマチック」では、後輪駆動用のトランスファーに、現在のスバルAWD技術のコアである「電磁式油圧多板クラッチ」を採用。日本における乗用AWDメーカーのパイオニアとしての新たなマイルストーンを打ち立てた。

ボディタイプのマルチバリエーション化はさらに進められ、4ドアセダン、2ドアハードトップ、エステートバンに加え、「スイングバック」と呼ばれる、富士重工業 = スバル としては初の3ドアハッチバックボディが用意された。また、1981年からは輸出専用モデルのピックアップボディを持つ「スバル・ブラット」もモデルチェンジされた(輸出専用)。時代を反映して、女性ユーザーをターゲットにした「LG(Ladies & Gals)」グレードや、スイングバック「シティカウボーイ」、エステートバン「スキーヤーズ・スペシャル」など、特別仕様車・限定車の投入も多くなっていく。

1982年10月には世界初の「レオーネ4WDターボオートマチック」、またコンペティション・グレード「レオーネ4WDRX」を追加し、ラリーに留まらず、国内耐久レースにも出場。この頃から「高速4WD」という記載が見られるようになり、舗装路におけるAWDの可能性を模索し始めている。


[編集] エクステリア

4ドアセダンの基本デザインは、シンプルで直線基調の6ライトのウィンドウ・グラフィックを持ったものになった。
全長:4,265mm 全幅:1,620mm 全高:1,410mm ホイールベース:2,450mm(1979年4ドアセダン1.8ℓ4WD)という各寸法 は、据え置かれた全長とホイールベースに対し、70mmもの拡幅が目立つ。
2ドアハードトップは、4ドアセダンと各ディメンションは共通ながら、前後ウィンドウの傾斜を強め、クォーターピーラーに独立したオペラウィンドウを持ち、その下部に六連星オーナメントが付けられる。
また、4WDモデルはフロント・エプロンのプレス部品をFFシリーズと変え、フロントとリヤに樹脂製のオーバーライダーとロア・プロテクター、さらにリヤマッドガードは、リヤフェンダープロテクターと一体の大型のものになり、大きく「4WD」の文字が入る。さらにボンネット先端右に「4WD」オーナメントが付いた。
ボディタイプは、1979年の登場当初は、4ドアセダン、2ドアハードトップ、エステートバンに加え、「スイングバック」が用意された。
スイングバック」は、スバル初の3ドアハッチバックボディで、1978年3月登場の「三菱・ミラージュ」のヒットに刺激されたもの。4ドアセダンに比べ、全長で270㎜、ホイールベースで80㎜短縮され、車重も50㎏軽くなっている(いずれも1.8ℓ4WD比)。前期型唯一のスポーティモデル「1.6ℓSRX」や新開発の「EA65型」(1,300㏄)搭載の「LG(Ladis&Gals)」グレードをスイングバックに設定し、新しいユーザー層の開拓を狙った。
フロントグリルは4ドアセダンに角型2灯、それ以外の車種に丸型2灯のフロントグリルが与えられる。また、4ドアセダンGTSのみに衝撃吸収バンパーが装備されている。
1981年6月にはマイナーチェンジが行われ、4ドアセダン上級車種が角型4灯のフロントグリルに、また全車種のテールライトの形状が変更された。
1981年7月に、「ツーリングワゴン」を追加。
ツーリングワゴン」はエステートバンのBピラー直前からルーフを30㎜嵩上げさせた2段ルーフを採用し、乗用車登録とし、従来の山間・積雪地需要に加えて、当時のアウトドアブームなどのレジャーブームの一般需要を強く意識したもの。翌年にはトヨタ・スプリンター・カリブも登場するなど、自動車のレジャー需要は大きくなり始めていたものの、1972年の「レオーネ1400エステートバン4WD」登場以来、すでにアウトドアの分野では、日本唯一の4WD乗用車として幅広い支持を得ていた事や、結局、一過性のブームで終息してしまった事で、本格的な追随者が現れなかった。この日本唯一の「乗用車型4WDステーションワゴン」は、やがて「レガシィ」に引き継がれ、窮地の瀬戸際に立たされた富士重工業の救世主となる。
1982年10月に再度マイナーチェンジ。前後バンパーをウレタン製一体成型のものに変更した。
1983年10月のマイナーチェンジで、全車ドアミラー標準装備となった。

[編集] シャシー・サスペンション

シャシーは先代A34型のキャリーオーバーだが、ボディ全幅が70mm拡幅されたことに合わせて、トレッドがフロントが1,315mm、リヤが1,345mm(1979年4ドアセダン1.8ℓ4WD)と、それぞれ55mm、90mmと、特にリヤトレッドの拡大が目立つ。またリヤ・サスペンションはトーションバースプリングを内蔵したクロスメンバーをセンターアームで支え、前後方向に伸びたトレーリングアームとクロスメンバーから伸びた閉断面の強固なビームで構成される高剛性のフルフローティングタイプになったことで、意図的なリヤの挙動変化を抑え、グリップを確保するチューニングに躾けられている。フロントは、スプリング径の拡大、キングピンの中心線とタイヤ中心線を地上面で一致させる「ゼロスクラブ・ジオメトリー」を採用。1983年11月には、4ドアセダンとツーリングワゴン4WDターボ車に「ハイトコントロール」機構を追加。フロント・ストラットにはコイル・スプリングに代えて、それぞれ油圧ジャッキ2本を、またリヤには、クロスメンバーのセンターアーム部に設けられた油圧ジャッキによって、30mmの車高調整を可能にした。この ハイトコントロールシステムは、AA型レオーネでは油圧ジャッキをエアスプリングにした「E-PS」(Electro-Pneu matic)サスペンションに進化。荷物積載時も車高を一定に保つ「セルフ・オートレベリング」機能を追加して、BG型レガシィまで「エアサスペンション車」として設定された。

[編集] エンジン

搭載されたエンジンは次の通り
1979年

    • 「EA81型」(水冷4サイクル水平対向4気筒OHV)
      • ボア×ストローク:92×67mm 1,781cc 圧縮比:8.7
      • 最高出力:100ps/5,600rpm(95ps/5,200rpm※註1)
      • 最大トルク:15.0kg-m/3,600rpm(12.0kg-m/3,200rpm※註1)
    • {EA71型」(水冷4サイクル水平対向4気筒OHV)
      • ボア×ストローク:92×60mm 1,595cc 圧縮比:9.0(9.5※註2)
      • 最高出力:87ps/5,600rpm(100ps/6,000rpm※註2)
      • 最大トルク:12.3kg-m/3,600rpm(12.5kg-m/4,400rpm※註2)
    • 「EA65型」(水冷4サイクル水平対向4気筒OHV)
      • ボア×ストローク:83×60mm 1,294cc 圧縮比:9.0
      • 最高出力:72ps/5,600rpm
      • 最大トルク:10.0kg-m/3,200rpm
        • (※註1→エステートバン)
        • (※註2→スイングバックSRX)

1982年10月追加

    • 「EA81ターボ」(水冷4サイクル水平対向4気筒OHVターボ・電子制御燃料噴射)
      • ボア×ストローク:92×67mm 1,781cc 圧縮比:7.7
      • 最高出力:120ps/5,200rpm
      • 最大トルク:19.0kg-m/2,400rpm
    • 「EA81ツインキャブ」(水冷4サイクル水平対向4気筒OHV)
      • ボア×ストローク:92×67mm 1,781cc 圧縮比:9.5
      • 最高出力:110ps/6,000rpm
      • 最大トルク:15.0kg-m/4,000rpm

今回から、エミッション・コントロールには、スバル独自の空気導入式燃焼制御システム=SEEC-Tに代えて、三元触媒EGR(排気ガス還流装置)の組み合わせとなった。
排気ガス規制初期には、経年劣化による性能低下が問題だった触媒も、耐久性・信頼性が格段に向上し、こうした後付装置によって規制値をクリアできる見通しが立ったことは、エンジン設計の自由度を拡げ、エンジンの電子制御燃料噴射化とあわせ、ターボ化、DOHC化など、再び日本車の高性能化に拍車をかけた。
新登場の「EA81型」は、「EA71型」のストロークを7mm伸ばしたもの。
スバル1000」以来、ひたすら内径(ボア)の拡大によって排気量を拡大してきた「EA」エンジンが、ストローク・アップによる排気量拡大を行ったのは初めてのことである。今回からエステートバンも排気ガス規制に対応。最高出力、最大トルク発生回転数を抑えた専用セッティングとなっている。「ボア92mm」という数字は、全くの新開発となった現在の「EJ」型エンジンでも黄金律のように受け継がれている。
「EA71」型にも三元触媒EGRが装着され、パワーで5ps、トルクで0.3kg-m向上した(エステートバンは従来と同一)。
「EA65」型は、51年度排気ガス規制クリアの際に、カタログから落とされた「EA64」型(1,200cc)の排気量を拡大したもので、かつてのスバルff-1 1300Gに搭載された「EA62」型(1,267cc)よりボアが1mm大きい。
「EA81ターボ」は、「EA81」型にIHI(石川島播磨重工)製のタービン径50mmの小径ターボを装着したもの。圧縮比を7.7に下げ、スバル量産車初の電子制御燃料噴射を採用。350mmHgの最大過給圧から、ターボ装着により15.0kg-mから19.0kg-mに増強された最大トルクをわずか2,400rpmで発生するセッティングになっている。また、新たにバルブ開閉機構に「ハイドロリック・バルブ・リフター」が採用され、次のAA型レオーネ、そして「レガシィ」からは、「ハイドロリック・ラッシュ・アジャスター」(H.L.A)に発展。動弁系の確実な作動とメンテナンスフリー化に特に留意されているのも、OHVを長く手がけてきたスバルらしい。
「EA81ツインキャブ」は、レオーネ4WDRX用に開発された専用エンジン。ゼニストロンバーグキャブレター2連装に加え、シリンダーヘッド、カムシャフト、エキゾースト・マニフォールド、動弁系配置は標準の「EA81」とは全く違う専用エンジンとなっている。1000rpm上げられたレブリミットと専用レシオが与えられた副変速機によって、前進8段の超クロスミッションとすることで、アンダーパワーを補う努力が見える。しかし、その平凡なスペックよりも、このエンジンに関わった人々の情熱が、やがてスバルの進むべき道を決定した。

[編集] レオーネ1.8ℓ4WDオートマチック

1981年11月1日、日本初のAWDオートマチック車。
一般に国産車初のフルタイムAWDは、1985年マツダ・ファミリア4WDの発売ということになっているが、フルタイムAWDの定義である「センターデフ」の機能をより広義に取れば、この1981年11月の「レオーネ4WDオートマチック」の発売こそ、国産車初のフルタイムAWD機構を備えたクルマであり、実に4年も先駆けていたということになる。
シフトレバーのセレクターボタン下に設けられた切替スイッチによって、FFAWDを切り替えるパートタイム方式で、トランスミッション自体も従来のレオーネ用のスバル内製のキャリーオーバーだが、後輪駆動用トランスファーに「MPT」と呼ばれる電磁式油圧多板クラッチを用いて、タイトコーナーにおける前後内外輪の回転差によって生じるブレーキング現象を吸収する。これは現在もスバルAWDを支える非常に重要な技術で、1986年には、トルクコンバーターのスリップから、専用のコントロール・ユニットで制御する油圧多版クラッチを介し、前後に配分するトルクを予測制御する「ACT-4」に発展し、AA型レオーネGT-Ⅱ、アルシオーネ2.7VXに搭載。さらにこの油圧多版クラッチを遊星歯車と組み合わせ、通常35:65の前後トルク配分を、走行条件によって50:50までに変化させる、現在のVTD-AWDへ発展した。また、日産の「アテーサET-S」など、国産他社の油圧多板クラッチを用いた4WDシステムはすべて、この「MPT」からの派生技術である。

[編集] レオーネ1.8ℓ4WDターボオートマチック

世界初のAWDターボオートマチック車。1982年10月発売。すでに1980年登場のアウディ・クワトロで「AWD」+「ターボ」が組み合わされているが、「AWD」+「ターボ」+「オートマチック・トランスミッション」の組み合わせは、 スバル が「世界初」である。また、スバル初の電子制御燃料噴射採用の乗用車でもある。
1983年7月には、FFにも「EA81ターボ」搭載車を設定。

[編集] レオーネ1.6ℓSRX

1979年10月、「ザ・ニュー・レオーネ」シリーズに追加されたFFのスポーティ・グレード。搭載されるエンジンは、先代A3型RXから引き継がれた、ゼニストロンバーグ・キャブレター2連装の「EA71型」で、エミッション・コントロールが触媒・EGRに改められ、最高出力:100ps/6000rpm、最大トルク:12.5kg-m/4400rpmと、先代A3型RXから5ps、0.2kg-m向上した。レブリミットも500rpm引き上げられている。870kgという車両重量は先代A3型RXからは25kgの重量増ながら、ホイールベースが75mm短縮されたことや、リヤトレッドの拡大は当時のモータースポーツ関係者の間では歓迎する声が多かった。シリーズ中唯一の5速マニュアルトランスミッションと専用ハードサスペンション、4輪ディスクブレーキを搭載。エクステリアは、専用サイドストライプと、ブラックアウトされた前後バンパーが他シリーズとの相違点。スバルのサファリラリー初挑戦となった、1980年の「第28回サファリラリー」で平林武/A.カーン組が総合18位で完走。グループ1クラス優勝を果たした。

    • <1982年 レオーネ1.6ℓスイングバックSRX(E-AF2)>
      • 全長:3,880mm 全幅:1,610mm 全高:1,365mm ホイールベース:2,380mm
      • トレッド(前)1,330mm (後)1,345mm 最低地上高:175mm
      • 車両重量:870kg
      • <エンジン>
      • 「EA71」(水冷4サイクル水平対向4気筒・OHV・1595cc)
      • ゼニストロンバーグ・キャブレター2連装
      • ボア×ストローク:92×60mm 
      • 最高出力:100ps/6,000rpm
      • 最大トルク:12.5kg-m/4,400rpm
      • 燃料タンク容量:50ℓ
      • 専用5速マニュアルトランスミッション
      • 4輪ディスクブレーキ

[編集] レオーネ4WDRX

1982年10月14日に追加された、スバル・レオーネシリーズのコンペティション・ベース車。「RX」の名を冠したグレードとしては、初のAWD化。カタログ・コピーは「Tuned by Competition」。開発では、当時のS.M.S.G(スバル・モータースポーツ・グループ)のエースドライバー、高岡祥郎を中心に、実戦で培われたノウハウが多数投入されている。ほぼ受注生産に近い状態で生産され、総生産台数は1000台に満たないといわれている。外観上は、レオーネ4WDシリーズ中唯一の2ドアハードトップ・ボディと、サイドストライプ、前後オーバーライダーの省略、及びFFシリーズと共用のフロント・エプロンで他の4WDシリーズと区別される。
<エンジン>

    • 水冷4サイクル水平対向4気筒OHV「EA81型
    • 最高出力:110ps/6000rpm、最大トルク:15.0kg-m/4000rpm
    • ゼニストロンバーグ・キャブレター2連装
    • 専用カムシャフト、専用シリンダーヘッドシリンダーヘッド(圧縮比8.7→9.5)
    • 専用エキゾーストマニホールド
    • 3,4速をローギヤード化した専用クロスミッション
    • Loレンジ1.203の専用「デュアルレンジ」(副変速機)レシオ
    • 専用強化サスペンション
      • <フロント>
        • スプリング30%強化
        • ダンパー減衰力、伸び側70%・縮み側100%強化。
        • 22mmスタビライザー装着
      • <リヤ>
        • 伸び側・縮み側50%強化
        • 10mmスタビライザー装着
    • 17.5のクイックレシオステアリング
    • 機械式リヤLSD
    • 強化フロント・ロアアーム
    • フロント・ベンチレーテッド・ディスク・ブレーキ
    • 13インチ5J 4スポークアルミホイール
    • 175/70HR13 ブリヂストン「ホテンザRE86」装着


「4WDRX」登場による戦闘力の向上は、まず、国内ラリーで清水和夫、遠藤俊明、加藤順一郎ら、S.M.S.Gドライバーによるウィンターラリーにおける好成績で確認された。
そして、1983年4月「第31回 サファリラリー」。グループ2規定に従い、ダウンドラフトウェーバーキャブレター2基、足回り、安全装備など最低限の改造を施されたレオーネ4WDRXが、S.M.S.G(スバル・モータースポーツ・グループ)から、高岡祥郎/砂原茂雄 組、高橋嘉信/P.プリングル 組のドライブにより出場。アウディ・クワトロ、オペル・アスコナ、日産240RSなどグループBワークスチームと互角に渡り合い、出場85台中、わずか22台完走という、激しいサバイバル・ラリーを2台とも生還し、高岡/砂原組が総合5位、高橋/プリングル組が総合7位に入賞。グループA優勝を飾り、WRCの歴史に「スバル」の名を刻んだ。
なお、グループBの廃止により、初のグループAによる開催となった1987年「第35回サファリラリー」で、カーNo、「1」のレオーネ3ドアクーペ4WDターボRXをドライブしたアリ・バタネンは、この「第31回サファリラリー」のウィナーで、後にこのラリーでの「スバル」に強烈な印象を受けたと語っている。
このサファリスペックのエンジンは、すぐにダウンドラフト・ウェーバー・キャブレター4連装に改められ、最高出力は160ps、1984年の最終スペックでは実に170psを発生していたといわれる。
1983年7月には、スバル4WD初となるサーキットレース参戦、「富士1000km耐久レース」、「鈴鹿1000km耐久レース」に出走。これはサファリラリー用スペアカーを改修し、フロントおよびリヤのスポイラー、9.0/20.0-13というスリック・タイヤを収めるために、オーバーフェンダーを追加したグループBで、車両重量800kg、140馬力と発表された。ドライバーは高岡 祥郎/清水和夫/中谷 明彦の3名で、「富士」では総合26位、「鈴鹿」では総合14位で完走を果たし、スプリットタイムでは、パワーで実に4倍以上のポルシェ956に肉薄する区間も確認され、舗装路面におけるAWDの可能性を拡げた。

[編集] トピック

  • 発売当時のCMキャラクターは、アメリカのファッションデザイナー、ドン・セヤーズ。1981年のマイナーチェンジに際して、日本人に馴染みの深い原辰徳岩崎宏美を起用した。2人ともスバル360が誕生した1958年生まれである。
  • 北海道小樽市タクシー会社「こだま交通」で、1983年に急坂・大雪対策として初めて同モデルのタクシーが投入された(当然のことながら、全車ガソリンである)。

[編集] 3代目 (1984年-1992年・オール・ニュー・レオーネ)

[編集] 変遷

1984年7月16日_「オール・ニュー・レオーネ」4ドアセダン・シリーズ発売
1984年10月25日_「オール・ニュー・レオーネ」ツーリングワゴン、エステートバン・シリーズ発売
1985年11月1日_「レオーネ3ドアクーペ」シリーズ発売。レオーネ・シリーズ一部改良
1985年11月21日_「レオーネ」シリーズ一部改良、車種追加
1986年4月21日_「レオーネ3ドアクーペRX-Ⅱ」発売
1986年10月4日_「レオーネ」シリーズ一部改良
1987年7月1日_乗用4WD発売15周年記念特別仕様車「レオーネ・ツーリングワゴン・クインディッチⅡ」発売
1987年10月17日_「レオーネ」シリーズ一部改良
1988年2月1日_スバル発売30周年記念車「レオーネ・マイア」発売
1991年3月1日_「レオーネ・マイア」、「マイアⅡ」発売

[編集] 概要

1970年代の「マスキー法」の下での大幅な排気ガス規制の強化、そして中東情勢の緊迫化による2度のオイルショックを経て、廉価で経済性に優れた日本車は世界における地位を一気に確立した。しかし、特にアメリカにおける日本車の台頭は、アメリカの自動車業界に深刻な打撃を与え、相次ぐ工場閉鎖や人員解雇などにより、いわゆる「ジャパン・バッシング」の激化は1980年代初めには最高潮に達し、やがて「日米貿易摩擦」として輸入関税の引き上げなどの対抗措置が講じられる。そして1985年9月の「プラザ合意」以降、円=ドルの為替レートは1年足らずでそれまでの240円から120円台に急騰。日本車は一転して深刻な販売不振に陥り、日本メーカーは深刻な「構造不況」の中で、更なる製造コストの低減と、アメリカ現地への工場進出によるアメリカ社会との共存の道を模索し始める。富士重工業いすゞ自動車との共同出資により、1987年、アメリカ・インディアナ州でS.I.Aスバルいすゞ・オートモーティブ)工場を稼動する。しかし深刻な販売不振から工場の稼働率は低迷。さらに巨額の建設費の調達と稼動コストは富士重工業の経営に深刻な影響を与え、1980年代末、倒産の懸念が公然と報道されるほどの極めて厳しい経営状況へと追い込まれていく。

1984年7月16日、富士重工業「オール・ニュー・レオーネ」4ドアセダン・シリーズを、また10月25日に「オール・ニュー・レオーネ」ツーリングワゴン、エステートバン・シリーズを発売した。
ツーリングワゴン/エステートバンの発売が3ヶ月遅れたのは、運輸省(現:国土交通省)の新型車型式認定の際、発売の遅れた2車種について、事前に提出していた書類上の車両重量より、実際の型式認定検査車両の車両重量が軽量だったため、前後バンパーに重量調整用の鉛を詰め、再検査を故意に逃れようとした事が発覚したためといわれている。
ボディサイズはさらに一回り大型化。カタログには徹底したフラッシュサーフェス化が謳われ、「Cd値=0.35」を大きくアピールしている。
先代に設定された「スイングバック」は一代限りで消滅となったが、1985年11月には2ドアボディのリヤに大きなガラス製ハッチを持つ「3ドアクーペ」が追加された。
今回もキャリーオーバーとなった「EA型」エンジンは、バルブ作動方式を「スバル1000」以来のOHVからOHCに改めた「EA82型」に進化。特にラリーなどコンペティションの現場では、高出力化、高回転化が可能となったことにより、戦闘力は向上した。
また、すでに1981年11月に事実上「フルタイムAWD」化が完了していたオートマティックに対し、パートタイムAWDに固執してきた「RX」系を、1986年4月の「3ドアクーペRX-Ⅱ」の発売から、遊星歯車とバキューム・サーボ式のデフロックを用いた「フルタイムAWD」化。
1987年10月には、AWDオートマティック車に4速AT「E-4AT」採用とあわせ、「ACT-4(Active Torque split-4WD」)と呼ばれる、「M-PT」による前後トルク配分を路面状況などに応じて、バリアブルに変化させるシステムへと進化。改めて「フルタイムAWD」と銘打つとともに、現在の「VTD-4WD」への足がかりを築いた。
1980年以来続いてきたWRC「サファリラリー」挑戦も、「グループA」クラス優勝はもはや「レオーネ」の指定席となり、連勝を続けた。特に、1986年限りで「グループB」規定が廃止され、1987年以降は、年間5,000台以上の生産を義務付ける「グループA」に移行してからは、大きく「サファリラリー」における「レオーネ」の功績がクローズアップされるようになった。そして、1988年4月の「STI(スバル・テクニカ・インターナショナル)」設立以降、富士重工業は苦境を打開するため、モータースポーツへの積極的な参加を決定。WRCトップ・コンテンダーの道を歩み始める。

[編集] エクステリア

全長:4,370mm、全幅:1,660mm、全高:1,425mm、ホイールベース:2,465mm(1984年レオーネ4WDターボRX)、という外寸は、全長で+85mm、全幅で+40mm、全高で+15mm、ホイールベースで+15mm拡大されたボディサイズは、当時のライバルのサイズ拡大に対応した標準的なサイズで、平面と直線を基調としたものになった。ウィンドウ類のモールは段差が平滑化され、ボンネット後端を跳ね上げて、フロントウィンドウから車両後方へスムースに空気を流す、いわゆるコンシールドタイプのワイパーが採用されるなど、空力には特に注意が払われ、Cd値=0.35が大きく謳われている。ボディ裏面のウレタン塗装、閉断面部への防錆ワックスの封入など、ボディのロングライフ化が進められた。
1985年11月のマイナーチェンジで、フロント・ボディパネル固定だったドアミラーをフロントサイドガラス前方に追加されたガセットに固定するタイプに変更。下級グレードのハーフキャップの意匠を変更。GT、GRにサンルーフ装着車を設定。「3ドアクーペ」シリーズを発売。
「3ドアクーペ」は全長、全幅、ホイールベースのディメンションはそのままに、全高をセダンと比較して15mm下げ、リヤに広いグラスエリアを持つガラスハッチを追加したもの。車重はセダンRX-Ⅱの1090kgに対し、1110kgと、20kg増加している。「3ドアクーペ」の追加は、モータースポーツにおける空力特性と、前後重量バランスの改善と、アメリカ市場における、従来「スイングバック」が担ってきた、いわゆる「セクレタリーカー」需要に対応したもの。

[編集] エンジン

エンジンは新登場の「EA82」型、そして1,600ccの「EA71」型のシンプルなエンジン構成になった。
先代でストロークを延長して、トヨタ・コロナ日産・ブルーバードといった同セグメントのライバルのボリューム・ゾーンである1,800ccに排気量を拡大した「EA81」型は、今回のモデルチェンジで、ついに「スバル1000」以来受け継いできたOHVのバルブ作動方式を改め、OHC化され、「EA82」型となった。シリンダーヘッドは全面新設計のものになったが、カウンターフローのバルブ配置、サイドプラグ方式は不変。またシリンダーブロックの変更も最小限に留められたため、オイルポンプ、ウオーターポンプの配置も変えられなかった。そのためタイミングベルトは左右独立で設けられ、特にウオーターポンプを下へ大きく迂回する取り回しを強いられた左側は、フリクション等エンジンの効率面で明らかに無理があり、さらに、完全なクローズド・デッキにもオープン・デッキにもすることが困難なことは、エンジン性能の向上の制約となった。とはいえ、OHC化によるわずかながらの高回転化は、少なくとも国際ラリーなどのコンペティションレベルでの最高出力、スピードの向上につながったことは事実で、ダウンドラフト・ウェーバー・キャブレターを4連装した先代レオーネ4WDRXグループA仕様の160psから、200psの最高出力と、240km/hのトップスピードが可能になったといわれている。

こういった「EA」型エンジンの延命策は、次期型での新エンジン投入が決定していたためと推測されるが、新エンジンの形式を一般的な直列型とするか、水平対向を踏襲するのかについての議論はなかなか収斂しなかったといわれている。1987年「第27回東京モーターショー」に参考出品された「F624エストレモ」には「新開発」という2.0ℓ水平対向6気筒DOHCツインターボ・エンジンが搭載され、実走シーンも公開された。そのカットモデルには、後の「EJ」型との共通点が散見され興味深い。また、翌年にはSTI(スバル・テクニカ・インターナショナル)が設立され、イタリアのモトーリ・モデルニと共同でF-1参戦用の水平対向12気筒エンジンを開発するなど、この時期までには、ほぼ次期「EJ」型の登場が決まっていたものと思われるが、当時、激化する「日米貿易摩擦」の中で、直列型を選択することによるコストの低廉化か、水平対向エンジン継続によるスバルならではのメーカーとしての個性か----その二者択一は、やがて、1985年「プラザ合意」以降の急速な円高による、アメリカ市場での極端な販売不振、そして、いすゞとの合弁によるアメリカへの工場進出が失敗に終わり、瀬戸際に立った会社存続を、水平対向エンジンの継承に賭けることになる。

[編集] トランスミッション

1984年の登場の際に用意されたトランスミッションは、3速フルロックアップオートマティックと、5速マニュアルトランスミッションで、ついにマニュアルトランスミッションがすべて5速化された。4WDシリーズでは、4WDターボRXのマニュアルトランスミッションのみ「デュアルレンジ」(副変速機)付きとされ、前進10段の超クロスミッションとなった。
1986年4月に「3ドアクーペRX-Ⅱ」を発売。遊星歯車を用いたセンターデフにバキューム・サーボ式のデフロック機構を持つフルタイムAWDマニュアル・トランスミッションで、副変速機「デュアルレンジ」を備え、前進10段の超クロスミッションとして使用できる点は同じ。
1986年10月には、レオーネ・シリーズのマイナーチェンジに伴い、「4ドアセダン4WDターボRX」も「3ドアクーペRX-Ⅱ」と同じセンターデフ機構によりフルタイムAWD化され、「4ドアセダン4WDターボRX-Ⅱ」となった。
同時に、従来「MP-T」3速オートマティック・トランスミッションのみの設定だった、レオーネ・シリーズの最上級グレードである4ドアセダン・ツーリングワゴン「GT」にも5速マニュアルが設定され「GT-Ⅱ」と呼ばれ「フルタイム4WD」を名乗り、オートマティック・トランスミッション搭載の「GT」は「フルタイム4WD」を名乗らず、一時的に区別されることになった。
1987年10月のマイナーチェンジで、ついに従来の「MP-T」を進化させ、前後トルク配分を予測制御する「ACT-4」が登場。併せてオートマティック・トランスミッションが4速化され「E-4AT」となり、「GT」グレードをMT・ATとも「GT-Ⅱ」に一本化。晴れて「フルタイム4WD」を名乗るようになった。FFシリーズでは、1.8ℓの最上級グレード「GR」のみ「E-4AT」が搭載された。1.8ℓNAの「ST」と4ドアセダンの「LG」グレードのマニュアル車にもセンターデフ付きフルタイム4WDが設定され、それぞれ「ST-Ⅱ」「LG-Ⅱ」と呼ばれる。「GT-Ⅱ」以外のオートマティック車には、従来通り「MP-T」3速オートマティック・トランスミッションを搭載、「フルタイム4WD」と名乗らず、区別される。さらに、マニュアル5速パートタイムAWDも従来通り設定され、非常に多くのバリエーションを揃えることになった。

[編集] トピック

  • エステートバンはいすゞ自動車OEM供給された。車名はジェミネットII)の3タイプであった。
  • 1989年レガシィの登場により、1600ccエンジン搭載車(マイアシリーズ)のみに整理。1600ccにもかかわらず120万円を切る価格で売られたことからそこそこの販売量があった。
  • 2代目で初めて4WDタクシーを投入したこだま交通では、「やはりタクシーはLPGでなければ」と、富士重工側を説得して、共同で1800ccの4WDLPG車を開発、1985年に投入した。
  • 北海道警察では地域課のパトカーにレオーネバンを使用、2003年頃まで全道の駐在所や交番などでその姿が見られた。

[編集] ニッサンADバン OEM車 時代 (1994年-2001年)

  • 1992年に後継となるインプレッサの登場により生産中止となった。その後は、日産自動車ADバンOEM供給を受けレオーネバンとして販売。1999年にはADバンのモデルチェンジにあわせフルモデルチェンジし2001年まで販売された。


[編集] スバル・ブラット

初代/2代目レオーネをベースとした2座席のスタイリッシュなピックアップトラックとして、スバル・ブラット(BRAT)の商標名で北米で販売された。BRATはBi-drive Recreational All-terrain Transporter の略。日本でも潜在的人気は高く、逆輸入も行われたが、ついに日本で正式に発売されることは無かった。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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