野間文芸新人賞

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野間文芸新人賞（のまぶんげいしんじんしょう）は講談社初代社長、野間清治の遺志により設立された財団法人野間文化財団が、1941年から設けた野間文芸賞の新人部門と言える物で、長編もしくは単行本を対象とし1979年から、基本的に以降年1回発表されている。新人以外に対しては野間文芸賞、児童文学に対しては、野間児童文芸賞が存在する。受賞は選考委員の合議によって決定される。受賞者には正賞として賞牌、副賞として100万円が授与される。

[編集] 受賞作一覧

[編集] 第1回から第10回

第1回（1979年） - 津島佑子『光の領分』
第2回（1980年） - 立松和平『遠雷』
第3回（1981年） - 村上龍『コインロッカー・ベイビーズ』、宮内勝典『金色の象』
第4回（1982年） - 村上春樹『羊をめぐる冒険』
第5回（1983年） - 尾辻克彦『雪野』
第6回（1984年） - 青野聡『女からの声』、島田雅彦『夢遊王国のための音楽』
第7回（1985年） - 中沢けい『水平線上にて』、増田みず子『自由時間』
第8回（1986年） - 岩阪恵子『ミモザの林を』、干刈あがた『しずかにわたすこがねのゆびわ』
第9回（1987年） - 新井満『ヴェクサシオン』
第10回（1988年） - 吉目木晴彦『ルイジアナ杭打ち』

[編集] 第11回から第20回

第11回（1989年） - 伊井直行『さして重要でない一日』
第12回（1990年） - 佐伯一麦『ショート・サーキット』
第13回（1991年） - 笙野頼子『なにもしてない』
第14回（1992年） - リービ英雄『星条旗の聞こえない部屋』
第15回（1993年） - 奥泉光『ノヴァーリスの引用』、保坂和志『草の上の朝食』
第16回（1994年） - 竹野雅人『私の自叙伝前篇』
第17回（1995年） - 佐藤洋二郎『夏至祭』、水村美苗『私小説 from left to right』
第18回（1996年） - 角田光代『まどろむ夜のUFO』
- 候補作
  - 魚住陽子『動く箱』
  - 藤沢周『ソロ』
  - 藤野千夜『少年と少女のポルカ』
  - 柳美里『フルハウス』
第19回（1997年） - 町田康『くっすん大黒』
- 候補作
  - 赤坂真理『蝶の皮膚の下』
  - 阿部和重『インディヴィジュアル・プロジェクション』
  - 下井葉子『うみ』
  - 藤沢周『サイゴン・ピックアップ』
  - 松浦寿輝『もののたはむれ』
第20回（1998年） - 藤野千夜『おしゃべり怪談』
- 候補作
  - 岡崎祥久『秒速10センチの越冬』
  - 清水博子『街の座標』
  - 茅野裕城子『大陸游民』
  - 中山可穂『サグラダ・ファミリア』

[編集] 第21回から第30回

第21回（1999年） - 阿部和重『無情の世界』、伊藤比呂美『ラニーニャ』
- 候補作
  - 赤坂真理『ヴァイブレータ』
  - 阿部和重『無情の世界』
  - 黒川創『若冲の目』
  - 清水博子『ドゥードゥル』
  - 堂垣園江『ゼラブカからの招待状』
  - 若合春侑『脳病院へまゐります。』
第22回（2000年） - 赤坂真理『ミューズ』、岡崎祥久『楽天屋』
- 候補作
  - 楠見朋彦『マルコ・ポーロと私』
  - 田口ランディ『コンセント』
  - 中山可穂『感情教育』
  - ピスケン『バーストデイズ』
第23回（2001年） - 堂垣園江『ベラクルス』、清水博子『処方箋』
- 候補作
  - 佐川光晴『ジャムの空壜』
  - 篠原一『アイリーン』
  - 鈴木清剛『消滅飛行機雲』
  - 吉田修一『熱帯魚』
第24回（2002年） - 佐川光晴『縮んだ愛』、若合春侑『海馬の助走』
- 候補作
  - 有吉玉青『キャベツの新生活』
  - 夏石鈴子『家内安全』
  - 星野智幸『毒身温泉』
  - 湯本香樹美『西日の町』
第25回（2003年） - 島本理生『リトル・バイ・リトル』（最年少受賞作）、星野智幸『ファンタジスタ』
- 候補作
  - 中島京子『FUTON』
  - 中村航『夏休み』
  - 舞城王太郎『山ん中の獅見朋成雄』
  - 綿矢りさ『蹴りたい背中』
第26回（2004年） - 中村航『ぐるぐるまわるすべり台』、中村文則『遮光』
- 候補作
  - 小池昌代『感光生活』
  - 鈴木清剛『バンビの剥製』
  - 舞城王太郎『好き好き大好き超愛してる』
第27回（2005年） - 青木淳悟　『四十日と四十夜のメルヘン』、平田俊子　『二人乗り』
- 候補作
  - 青山真治『ホテル・クロニクルズ』
  - 絲山秋子『逃亡くそたわけ』
  - 佐藤友哉『子供たち怒る怒る怒る』
  - 前田司郎「愛でもない青春でもない旅立たない」
第28回（2006年） - 中原昌也　『名もなき孤児たちの墓』
- 候補作
  - 小野正嗣『森のはずれで』
  - 小池昌代『ルーガ』
  - 前田司郎『恋愛の解体と北区の滅亡』
  - 宮崎誉子『少女@ロボット』
  - 山崎ナオコーラ『浮世でランチ』

[編集] 選考委員

第18回(1996年)～第21回（1999年）秋山駿、柄谷行人、黒井千次、高橋英夫、富岡多恵子、三浦雅士
第22回（2000年）～第26回（2004年）奥泉光、川村湊、佐伯一麦、笙野頼子、久間十義、山田詠美
第27回から現在（2005年）阿部和重、江國香織、角田光代、川上弘美、町田康

[編集] 選考委員差し替え問題

第27回（2005年）から突然、選考委員が全員替えられた。事前に何の知らせもなかったらしく、以前の選考委員からは突然のことで不満があがった。選考の仕事は何ヶ月も前から下準備に忙しいのであり怒りは尤もである。笙野頼子が発起人となり、記者会見が開かれる事態となった。2006年1月号『群像』に、講談社文芸局長からのお詫びの言葉が載った。