スバル・アルシオーネ

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スバル・アルシオーネ

製造期間	1985年 – 1991年
ボディタイプ	2ドアクーペ
エンジン	EA82型水平対向4 1.8L 120PS ER27型水平対向6 2.7L 150PS
全長	4510mm
全幅	1690mm
全高	1335mm
車両重量	1300kg（2.7Lモデル）
後継	アルシオーネSVX
車台が共通の車種	スバル・レオーネ
同クラスの車種	トヨタ・セリカ日産・シルビアホンダ・プレリュードマツダ・RX-7 フォード・プローブ三菱・スタリオンいすゞ・ピアッツァ
この表は自動車のスペック表テンプレートを使用しています

スバル・アルシオーネとは、富士重工業が製造していた自動車である。良くも悪くもスバルの転換期を印象づけるモデルとなった。日本国内での販売的には失敗に終わったが、アルシオーネで積み重ねられた高級車づくりのノウハウは、後のレガシィで開花する。

[編集] 名前の由来

夜空に輝くすばる（プレアデス星団）の中で一番明るい星の名前「アルキオネ」の英語読みから名付けられた。アルシオーネがスバルのフラッグシップであることを証明する所以である。

[編集] 歴史

[編集] 初代

1985年に生産開始された4人乗り2ドアクーペ。空力性能を徹底追求した斬新なくさび形のシルエットが特徴で、リトラクタブルヘッドライトやシングルアームワイパーの採用はもちろんのこと、ドアノブさえも手を入れるくぼみをフラップ板で隠すほどであった。その成果として、当時としては驚異的なCd値=0.29（FF仕様）という優れた空力性能を得ることができた。しかし一般乗用セダンであるレオーネのシャシーをベースにしたため、結果として妙に腰高なルックスになってしまい、美的センスという点では否定的な意見が多かった。正面形に関しては、見ようによっては同時期に爆発的なヒットとなったホンダの人気モデル「プレリュード」（3代目）に似ていなくもないが、アルシオーネの生産量はプレリュードの100分の1にも達しなかった。但しアメリカなどでは「XTクーペ」という名前で主に女性ユーザーに人気となった。同車の女性ユーザー比率は64.3%と、コンパクトでスタイリッシュなところが女性を引き付けたらしい。日本以外では評価が高く、輸出分を含めた総生産台数は約10万台に達した。
斬新なデザインは内装にも反映されており、発売時の雑誌では「航空機のコクピット」と評された。当時流行となっていたデジタルメーターがまるでテレビゲームの画面を連想させるものになっていたり、シフトノブも戦闘機の操縦桿のようなデザインをしていた。メーター周りから左右に突き出して配置された各種スイッチパネルは機能的ではあるが、ハンドルをあわてて切った際には手が干渉し、運転者をヒヤリとさせる場面があった。
エンジンはレオーネで使われていた1800cc水平対向4気筒SOHCエンジンにターボチャージャーが組み合わせられ、120psの最高出力を発揮。エンジンの基本設計が古いためか、もっさりした吹き上がりを見せる。
1987年のマイナーチェンジ時に、スバル初の水平対向6気筒エンジン搭載モデル「VX」が追加された。6気筒化は4気筒1800ccエンジンに2気筒をプラスして達せられたもので、すなわち2700ccの排気量であった。尚、この6気筒版にはターボチャージャーは装備されておらず、最高出力も150psと、当時としても控えめな数値であった。
また4WDユニットには、「アクティブトルクスプリットAWD」（電子制御トルク配分システム）が初めて導入された。これは後に日産自動車のスカイラインGT-Rに採用され、「走り屋」を自称する若者たちから絶大な支持を受けるATTESA E-TSと同様のものであったが、当時としては単なる斬新なメカニズムとしての評価しか得られなかった。
1991年、製造・販売を終了。モデル名はアルシオーネSVXへと引き継がれた。