MOTHER2 ギーグの逆襲
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MOTHER2 ギーグの逆襲 Earthbound: The War Against Giygas! |
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ジャンル | ロールプレイングゲーム |
対応機種 | スーパーファミコン |
開発元 | エイプ パックスソフトニカ HAL研究所 |
発売元 | 任天堂 |
人数 | 1人 |
メディア | 24Mbitロムカセット(バッテリーバックアップ搭載) |
発売日 | [日本]1994年8月27日 [北米]1995年6月1日 |
売上本数 | 約30万本 |
『MOTHER2 ギーグの逆襲』(マザーツー ギーグのぎゃくしゅう)は、1994年にスーパーファミコン用ソフトとして任天堂から発売されたコンピュータRPG。MOTHERシリーズの2作目に当たる。
目次 |
[編集] 概要
初代MOTHERの発売から5年余りが経過しており、プラットホームがファミコンからスーパーファミコンへと代わった。ゲームデザインは現在コピーライター等を務める糸井重里。 2003年にはゲームボーイアドバンス用ソフト『MOTHER1+2』においてリメイクされている。 シリーズでは唯一北米でも正式に発売されている。タイトルは"earthbound"。
糸井重里氏は当時「初めてMOTHERシリーズをやる人はまず(1より先に)2からやることをお勧めします」というようなことを言っている。キャッチコピーは「おとなも こどもも おねーさんも。 」。ゲームをデザインした糸井重里自身が担当した。『mother1+2』のキャッチコピーは「おとなも こどもも おねーさんも、ふたたび。」であった。
ゲーム内使用音楽は前作と同様、鈴木慶一と田中宏和が作曲した。収録されている音楽の容量はスーパーファミコンソフトとしては異例の大きさで、発売されたソフトの中で最大である。一部に糸井重里の声がサンプリングされ使われていたり、本人の知らないところで改造されBGMとして使われていたりもしている。 また、開発当初プログラムのあまりの難解さから開発が一時中止になりかけていたところを、当時HAL研究所に在籍していた現任天堂社長岩田聡氏がプログラムを一から組み直し、そのおかげで完成までこぎつけたという逸話も残る。
CMでは、SMAPの木村拓哉が出演し、またその内容に当時ではちょっとした話題にもなった。
[編集] 本作の特徴
本作はシナリオの縛りが薄く絵による描写がある程度省かれている。その代わりにテキスト量が非常に多く、プレイヤーはテキストの面からアプローチをすることになる。同じキャラクターでもストーリーによってセリフが変わるキャラクターも多く、また本筋と関係のないような世間話をだらだらとするキャラクターがいるのも特徴である。耳障りが良く、ややクセのあるBGMも特徴のひとつであり、BGMの良いスーパーファミコンソフトのひとつとして、現在でもしばしば語られる。
[編集] 世界観
タイトルに前作のラスボスである「ギーグ」の名前が使われている点や、主人公とその仲間のうち2人の容姿がよく似ている点、大観的なゲーム内容がほぼ同じである点で、初代MOTHERの続編という色が濃い。前作よりもアメリカ文化がより強く描写されており、グレイハウンドバスや、「I LOVE N.Y.」のロゴの入ったTシャツを着たキャラクター、他にアメリカ映画のオマージュと思われる格好をしたキャラクターや、ブルースブラザーズにそっくりなバンド「トンズラブラザーズ」などが登場する。
これらの特徴、世界観は純国産の他のRPGとは異質のものであり、MOTHERシリーズ特有のものであると思われたが、2006年に発売された続編MOTHER3では、そのような現代のアメリカを思わせるような描写がほとんどなく、MOTHERシリーズに対するファンの印象も変わっていった。
[編集] 戦闘システム
本作のエンカウント方式はシンボルエンカウント方式である。フィールド上に現れる敵シンボルに触れると戦闘が開始する。敵シンボルに触れるとき、通常は画面が青くなるが、敵の背中に触れるようにすると画面が緑色になり、先制を取る事が出来る。逆に、敵に背中を取られると画面が赤くなり、先制を取られてしまう。敵は基本的に主人公に近づいてくるが、レベルが上がると弱い敵は主人公から逃げるようになり、先制を取ると戦闘画面を省いて勝利する事が出来るようになる(戦闘を行いたい時は敵に触れた後、敵に背中を向けるように十字キーを入れれば良い)。戦闘はターン制で行われる。本作の特徴として、HP/PPがドラムカウンター方式で増減していく。ダメージを受けるとHPが少しずつ減っていくので、致命的なダメージを受けてもHPメーターが0になる前に回復を行えば戦闘不能を防ぐ事が出来る。敵の配置には前衛と後衛があり、一部のPSIの攻撃範囲に影響を及ぼす。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
大まかな目的は、「世界を救うためにギーグを倒す」ことであるが、あまり「ギーグ」という名前がストーリーに登場することもなく、一般の街の人もその存在を知らないようであるため、それほどストーリーの根幹と直結していないように感じられる(実際には関係しているという設定だが)。基本的には、行く街で困っている人を助けると、ストーリーが進行していくというものである。(このためストーリーを進められなくなることが想定され、街にはゲームのヒントを売ってくれるキャラクターが設置されている。)
ギーグを倒すためには、世界に8ヵ所存在するパワースポットと呼ばれる場所を廻ることで、当面の目的はそれである。 パワースポットではこのゲームのメインテーマ「エイト・メロディーズ」のメロディの一片を記憶することができ、 メロディが完成したとき、主人公のこころのくに「マジカント」に飛ばされる。そこで「自分のあくま」に打ち勝ったとき、物語は急展開し、ギーグとの最終決戦に臨むことになる。
[編集] 主な町・地点
オネットからフォーサイドまでは、「one」から「four」の数字が当てはめられている。
- イーグルランド / EagleLand
- オネット / Onett
- ぼくの住む町。治安はあまりよくなく、シャーク団というチンピラがうろついていたり、不動産の詐欺がある。
- また市長の人望がなかったり、警察がいばりちらしている。ここの警察はすぐに道路を封鎖することで有名。
- この町の裏山に隕石が落ちたことから物語が始まる。またジャイアントステップのある場所。
- ツーソン / Twoson
- おんなのこが住む町。ヌスット広場という市場、ポーラスター幼稚園、カオス劇場がある。
- ハッピーハッピー村 / Happy happy Village
- ツーソンの隣にある村。マニマニの悪魔に操られたカーペインターによってハッピーハッピー教が広められ町中が青く塗られる。
- リリパットステップがある場所。
- スリーク / Threek / Threed
- ゾンビに支配された町。ツーソンと砂漠をつなぐトンネルがお化けによって通れなくなっている。後に平和で穏やかな町並みを取り戻す。
- サターンバレー / Saturn Valley
- どせいさんがすむ。家はみんな同じような作り。温泉がある。
- ミルキーウェルがある場所。
- フォーサイド / Fourside
- 大都会。モノトリーに対する支持率がかなり高い町、だがその裏ではマニマニの悪魔が暗躍している町。
- マグネットヒルのある場所。
- フォギーランド / FoggyLand
- ウィンターズ / Winters
- おともだち1が住む町。建物は店とスノーウッド寄宿舎、そうとう離れた場所にアンドーナッツ博士の研究所がある程度。
- タッシーという生き物が湖にいる。
- ストーンヘンジというミステリースポットとレイニーサークルがある。
- トト / Toto
- サマーズ / Summers
- 海辺の観光地で海水浴に来る人も多い。ホテルもかなり豪華。ここから船でスカラビに行けるが途中でクラーケンという危険な生き物がいる。
- スカラビ / Scarabi / Scaraba
- 中東の雰囲気。すぐ近くに砂漠やピラミッドがある。
- チョンモ / Chommo
- ランマ / Ramma / Dalaam
- チベット風の雰囲気。チョンモ国首都。おともだち2が住んでいる。ピンククラウドのある場所。
- 魔境 / Cursed Jungle / Deep Darkness
- スカラビを抜けた先にあるジャングル。湿地帯の上、周囲が見えないほど暗い。
- グミ族の村 / Gumi Village / Tenda Village
- ほとんどが無口のグミ族が住んでいる村、本当は無口をなおしたいらしい。
- 地下にルミネホールがある
- 地底大陸 / The Under World / Lost Underworld
- 絶滅したはずの恐竜や地上の無口なグミ族に嫌気がさし、地下に逃げたグミ族が住む。
- ファイアスプリングスのある場所。
- マジカント /Mazikanto
- 8つのパワースポット全てに来ると出てくる国。
- エデンの海 / Gaia sea
- 宇宙の真理を知れる場所。ぼくの悪魔が中央に鎮座している。
- 過去の最低国 / The Great Under World / Cave of the Past(諸訳あり)
- 地底大陸にあるキョムの空間の過去、ここからギーグが攻撃している。緑などは一切無い。なおこの場所についての具体的な説明や伏線はストーリー中になく、終盤で唐突に存在を明かされる。
[編集] 主なキャラクター
- ぼく
- 赤い帽子の男の子。オネットに住んでいる。謎のカブトムシにいきなり「キミが世界を救う少年だ」と唐突に言われ、冒険に出ることに。回復・補助系のPSIを覚える。彼だけにしか使えない専用攻撃PSIも使う。戦闘中ホームシックにかかって、行動不能に陥ることもある。武器は主にバット。
- おんなのこ
- 赤いリボンの女の子。ツーソンに住んでいる。強いPSIの力を持ち、テレパシー能力によってイベントに関ってくる。武器は主にフライパン。
- おともだち
- メガネの男の子。アンドーナツ博士の息子。ウィンターズのスノーウッド寄宿舎に住んでいる。途中見つける「壊れた」グッズを修理し、いろんなアイテムに作り替える事ができる。武器は主に光線銃。また彼専用のアイテムも多い。
- おともだち2
- べんぱつの男の子。チョンモ国・ランマ宮殿に住む王子。メンバー最年長。西洋文化になじめず、普通のアイテムではほとんどHPが回復しない。素手で戦うため一切の防具・装備品を身につけない(例外として、彼専用の武器・防具が存在する)。彼専用の攻撃PSIを使いこなす。
- どせいさん / Dosei-san / Mr. Saturn
- サターンバレーに住んでいる不思議な人々。丸みのある肌色の体に、大きな鼻・太い眉毛・頭頂部の一本毛と赤いリボンをした奇妙な姿。彼らの科学力は高く、攻略上欠かせない存在。独特のフォントで表示される「どせいさん語」を話す。種族共通の口癖は「ぷー」「あらあら」「ぽえーん」など。
- ポーキー・ミンチ / Pokey Minch
- ぼくの隣宅に住む少年。ゲーム中では性格描写が少ないが、数少ないセリフがわがままで生意気なものが多いため、自己中心的で捻くれた性格と思われる。ゲーム中でもやっかいものとして扱われている。ゲームが進行するごとにダークサイドに傾倒していくが、なぜ彼がそうなるのか理由はゲーム中で説明されない。
- ピッキー・ミンチ / Pickey Minch
- ポーキーの弟。兄とは違い純粋。ミンチ一家の中では一番まともな人物。
- ブンブーン / Bmbun
- 10年後の未来からやってきた生き物。序盤で、待ち構えていたスターマンの息子をも圧倒するほどの実力者だったが、ポーキーの母親に叩き落とされて死ぬという非常にあっけない最期を遂げた。本作で最初に死亡するキャラクター。
- フランク / Frank
- オネットの不良グループ「シャーク団」リーダー。金髪にサングラス。未成年だが「フランキースタイン2号」という兵器を持っている。自称「むてきのフランクさま」。
- ストロング署長 / Head Strong
- オネット警察署長。通行封鎖されたツーソンへ行きたがるぼくの実力を試そうと、自ら立ちはだかる。
- アップルキッド / Apple Kid
- ツーソンに住む発明家。身なりは汚く食いしん坊で女の子からも嫌われているが発明の実力はある。アンドーナツ博士を尊敬している。ふさがれた道を切りひらく数々の道具を発明し、手助けしてくれる。
- オレンジキッド / Orange Kid
- アップルキッドの隣家に住む発明家。アップルキッドとは友達同士。小奇麗で口がうまいので町の女の子に人気があるが、発明の才能は無い。
- トンズラブラザーズ / Tonzura Brothers / Runaway Five
- ツーソンで人気のブルース集団。黒いワゴンとスピーカーから流れる陽気なリズムが特徴。各地のライブハウスを転々とするが、行く先々で人に騙される。冒険の途中彼らと何度か遭遇し助けたり助けられたりすることになる。
- トンチキさん / Mr.Tontiki
- ツーソンのヌスット広場をしきる大泥棒。町からの評判は必ずしも良いわけではないが広場の人間からの信頼は厚い。
- フォーサイドでバーの屋上から道路に転落しているのが発見され、よろめきながら去っていった。その後、新聞により死亡が伝えられる。
- トニー / Tony
- おともだちの親友。異常とも思えるほどおともだちに世話を焼いてくるが仲はかなり良い。実はゲイ。
- バルーンモンキー / Balloon Monkey
- おともだちがガムを買った時に、いらないからとお店の人にもらったサル。フーセンガムを膨らまして宙に浮くことが出来る。
- アンドーナッツ博士 / Dr. Andonuts
- おともだちの父。名前はアン・ドーナッツ、通称はアンドーナッツ博士。世界的な科学者らしいが作った乗り物はよく壊れる。ウィンターズ南部のアン・ドーナッツ研究所に住んでいる。おともだちとは10年も会っていない。
- ブリックロード / Brick road
- 自称「ダンジョン男」でダンジョン作りをしている。後にアンドーナッツ博士の協力を得て歩くダンジョンができあがる。彼がたてた看板に書かれた言葉にはダンジョンなどについての定義の後に自分の名前を入れるという偉人の遺した言葉のように書いている。
- タライ・ジャブ / Tarai jab
- 砂漠の地下に住むランマの仙人。サルたちを従え断食をしている。ぼくたちの運命についても知っている。
- まぼろしろうじん / Phantom elderly person
- ランマに住む仙人。ぼくたちの運命についても知っている。
- パパ / Papa / Dad
- 電話にのみ登場
- ぼくの父親。世界中を飛び回る仕事をしている。ゲーム中で一切姿を表さず、終始電話機がイメージとして登場する。
- ママ / Mama / Mom
- ぼくの母親。見た目がアメリカンな楽天家で豪快な性格。ぼくたちの冒険を見守る立場の存在。常にぼくの家にいて、帰宅するたびに好物を出す。
- てんさいしゃしんか / Genius photographer
- シルクハットにメガネのおじいさん。本名は不明。ストーリーに関わることはないが道中で何の前触れもなく突然空から回転しながら降ってきてぼくたちの写真をとり、そしてまた回転しながら飛び去る。
- カーペインター / Car painter
- ハッピーハッピー村にハッピーハッピー教を広め、おんなのこをさらった張本人。雷を操る。
- モノモッチ・モノトリー / Monomotti Monotore
- フォーサイドで絶対的支持を誇る権力者。しかし根は…。
- グミ族 / Gumi family
- かつてはスカラビ付近に住んでいたが、人がよかったと言うことからどんどん魔境に追いやられた一族。魔境に住むのは無口な連中で、地下大陸には無口なグミ族に嫌気がさした連中が住んでいる。
- ゲップー / Geppu / Master Belch
- スリークを支配していた敵のボス。ギーグの手下でその実力は高いと言われている。あるアイテムに目が無い。
- マニマニの悪魔 / Satan of Manimani
- ライヤー・ホーランドが掘り起こした金の像。その後いろんな人の手に渡りカーペインターを操ったりモノトリーを脅してぼくたちの邪魔をする。
- ギーグ / Gyiyg
- 地球制服を企む。過去世界に来たぼくたちを待ち構える。
[編集] パーティーキャラクターなどのデフォルトネーム
本作ではパーティーキャラクターの名前はプレイヤーが決めた名前が最も正しい。しかし決められない人のために以下のようなデフォルトネームが用意されている。
- ぼく:ネス、ぼうし、など
- おんなのこ:ポーラ、リボンなど
- おともだち:ジェフ、メガネなど
- おともだち2:プー、べんぱつなど
- 好きな食べ物:ハンバーグ、やきそばなど
- かっこいいと思うもの:キアイ、ひっさつなど
以上で、作品の核心的な内容についての記述は終わりです。
[編集] その他
- 大乱闘スマッシュブラザーズ
- 大乱闘スマッシュブラザーズ(NINTENDO64)に本作のぼくが隠しキャラ(名前はデフォルトネームのひとつであるネスとして)として参戦した。
- 大乱闘スマッシュブラザーズDX
- 大乱闘スマッシュブラザーズDX(ニンテンドーゲームキューブ)では、本作のぼくが(名前はデフォルトネームのひとつであるネスとして)基本キャラクターとして参戦した。また、本作をイメージした対戦ステージ「オネット」「フォーサイド(隠しステージ)」も登場する。どせいさんがアイテムとして登場するほか、キャラクターのいくつかが、フィギュポン(ゲーム内の特典として得られる架空のコレクションアイテム)となっている。
- 当初、NINTENDO64で開発中だったMOTHER3のリュカが登場する予定だったが、MOTHER3の発売が遅れたため本作のぼくで代用されたという経緯がある。
- 小説版 MOTHER2―ギーグの逆襲
- 久美沙織によって小説化されている(新潮文庫より刊行)。基本設定はゲームと共通しているものの、原作から大幅に設定が書き換えられておりオリジナルストーリーという感が強い。主な特徴は以下のものがある。
- 一部に性的な行為を暗喩した表現がある。
- おともだちの片足が義足になっている。
- 以上の理由から、ファンからの評価は賛否両論であり、またそれゆえファンの間でもあまり目立たない存在と化している。
[編集] 外部リンク
- MOTHER2 任天堂公式サイト