漢型原子力潜水艦

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漢型原子力潜水艦（はんかたげんしりょくせんすいかん、Han class submarine）もしくは漢級-（はんきゅう-）は、中国海軍の攻撃型原潜である（091型、長征1号級）。同型艦は5隻、全艦とも青島に配備されている。何度か放射能漏れ事故を起こしており、現在稼働するのは2隻のみである。

[編集] 概要

中国が原潜の開発に着手したのは、1950年代の後期からであり、その初号艦として完成したのが漢型原子力潜水艦（091型）401号艦、中国名「長征1号」である。船体は米スキップジャック級原子力潜水艦そのものの様な典型的な涙滴型であり、船体構造は、ロシアの潜水艦と同様の複殻構造である。推進システムは加圧水型原子炉1基を動力源とするターボ・エレクトリック方式 (タービン減速方式説もある) を採用している。

陸上用加圧水型原子炉を潜水艦用原子炉として十分な研究なしに改造・導入したため、構造的欠陥が原因と考えられる核事故が頻発し、1番艦が1974年に就役したが、約10年間は完全に運用できる状態ではなかった。また、中国国内には被曝した潜水艦乗員らを対象とする放射能汚染障害専門病院である「海軍409核傷専科医院」が新たに設立されている。

続く4隻の潜水艦は1980年代に就役した（中国名は、長征2～5号）。3番艦以降は8m長く、搭載する魚雷の数を減らすことなく対艦ミサイルを搭載できる垂直発射管を搭載しているとみられていたが、実際には従来の魚雷発射管から水平に発射されるものであった。8m長くなった理由は、航行時『割れ鐘を叩いているような』と表現されるほどの雑音対策によるものと見られている（このため401号艦、402号艦は母港で長期係留状態にある）。雑音の音圧レベルは、401号艦・402号艦が160～170デシベルでスキップジャック級原子力潜水艦や旧ソ連のノーベンバー級原子力潜水艦等の初期の原潜と同じレベルであるが、403号艦から405号艦は改善され140～150デシベルとパーミット級原子力潜水艦と同程度となっている（ロサンゼルス級原子力潜水艦は105～125デシベル）。しかし依然として静粛性には劣り米軍や自衛隊には容易に探知されると言われる。

また本型の艦体を延長し、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載した夏型原子力潜水艦も完成しているが、技術的問題のため、港から出ることはほとんどない。

2004年 11月ロサンゼルス級原子力潜水艦に追跡されていた405号艦がグアム島近海まで航行した後、石垣島付近で漢級原子力潜水艦領海侵犯事件を起した。その際、海上警備行動が発令され、海上自衛隊に探知・追跡された。

[編集] 一覧表

艦番号	船名	所屬	建造	進水	就役	退役
401	長征1号	北海艦隊	1967年	1970年12月	1974年8月	2005年
402	長征2号	北海艦隊	1974年	1977年	1980年1月	2005年
403	長征3号	北海艦隊	1980年	1983年	1984年9月
404	長征4号	北海艦隊	1984年	1987年	1988年11月
405	長征5号	北海艦隊	1987年	1990年4月	1990年12月