国鉄DD20形ディーゼル機関車

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DD20形ディーゼル機関車（でぃーでぃー20がたでぃーぜるきかんしゃ）は、日本国有鉄道（国鉄）が製造したディーゼル機関車の一形式である。

[編集] 概要

亜幹線やローカル線で使用されていた9600形蒸気機関車などの取替えと、駅や操車場構内での入換での使用を目的として製造された機関車である。それまで入換用として量産されていたDD13形と同等の出力を1基エンジンによって賄うことで製造費・保守費・重量の低減を図り、あわせてエンジン・変速機などの主要部品をDD51形と統一することで保守の効率化を図るべく試作されたものである。

動力装置の構造は、DD51形を1基エンジンにした構造である。2両が製造されたが、どちらも外観・車体構造は大きく異なっている。

20番台（最大運転速度85km/h未満の量産機）の形式であり、量産を見据えたものであったが、9600形に比べて軸重が13.5tと重いためローカル線では入線できない路線があり、さらにDD13形に比べて空転しやすいという問題点もあったことから量産は見送られた。

DD20形の失敗の後、1966年にDE10形が開発され、量産されることになる。

[編集] 車両別解説

[編集] DD20 1

1963年、汽車製造により製造されたもの。DD51形1号機をベースとしており、エンジンは同機と同一のDML61S(1,000PS/1,500rpm)を1基搭載している。変速機もDD51形と同じ液体式のDW2A変速機である。１機関で４動軸を駆動する方式のため、駆動軸が台車の心皿と干渉するという設計上の難しさがあったが、内軸箱方式・無心皿のDT122形を新開発して対処した。

車体形状は運転室を端部に配置したL字形で、エンジン部分の前照灯・尾灯などの部品配置はDD51 1によく似ている。運転室前にはデッキが設けられ、ここから室内へ出入りする構造となっている。L字形形状ではあるが、運転台は両側に備えられている。また、本車には試作車的要素が多分にあり、マスコンとブレーキを同一機器に収めた新方式の運転装置やセルフラップ式ブレーキ弁、三圧式制御弁方式の空気ブレーキ装置等の新技術が試験的に採用された（セルフラップ式ブレーキ弁や三圧式制御弁方式空気ブレーキは後にDD53形やDE10形に本採用された)。

当初は田端機関区に配置されて入れ換えに使用されたが、1971年に長岡機関区に転属。DD53形と連結し、補助機関車として使用することを目的として新津工場（当時）で重連形に改造され、後述の2号機とともに除雪用に用いられた。しかし試作的要素が強いこともあって1977年から休車扱いとされ、1986年に廃車。90年代まで新津車両所（当時）で保管されたのち、新津車両製作所整備にあたって解体された。

[編集] DD20 2

1965年、日本車輌製造で製造されたもの。当初よりDD53形と連結し、補助機関車として使用することを目的としており、DD53形がエンジンを2基とも除雪装置の駆動用に充てた際、本車のエンジンを列車の走行用とする。そのためDD53形と総括制御することができる。降雪期間外は入換用として使用できる設計としている。

1号機はDD51形の1号機をもとにしたが、本機はDD51形の量産車をもとにした構造である。そのためエンジンは出力1,100PS/1,500rpmのDML61Zが採用されている。台車はDD53形の台車と類似したDT131Aを履いた。また外形はL字形ではなく凸型で、エンジンを搭載する側が長く、運転室が中央よりずれているセミ・センターキャブ形となっている。この形状は後のDE10形などにも引き継がれている。

製造当初より長岡機関区に配置され、除雪列車に使用されたが、1号機と同時に休車を経て廃車となり、やはり新津車両所（当時）で保管されたのち、1号機やDD21よりも早く、1988年11月末に解体された。

なおDD20形が休車となったのち、DD53形の補機にはDE10形が使用された。

[編集] 主要諸元

※1号機のデータ。

全長：11,200mm
全幅：2,956mm
全高：3,936mm
運転整備重量：55t
機関：DML61S×1基
軸配置：Bo-Bo
1時間定格出力：1,000PS/1,500rpm
変速機：DW-2A
- 動力伝達方式：液体式

日本国有鉄道のディーゼル機関車
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