信長の野望天翔記
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『信長の野望天翔記』(のぶながのやぼうてんしょうき)は1994年、光栄(現コーエー)から発売されたパソコン(PC9801)用歴史シミュレーションゲーム・信長の野望シリーズの第6作である。また、菅野よう子が音楽を手がけた、最後の、信長の野望シリーズでもある。
その後、パソコンではDOS/V、FM TOWNS、Windows、Macintosh、家庭用ゲーム機ではスーパーファミコン、プレイステーション、セガサターンなどに移植された。ただし、スーパーファミコン版には容量の関係で、内容が大幅に修正が加えられている。2005年にはPSPにも移植された。
信長の野望シリーズでは、PC9801で発売された最終作であり、以降はWindowsに移行した。
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[編集] ゲーム内容
城を奪っていくゲームだが、前作(『信長の野望覇王伝』)と違い本城や支城の概念がなくなった。そして城の数が214と非常に多くなり(スーパーファミコン版は異なる)、さらに季節ごとにゲームが進行するようになった(これまでは月ごとであった)。
このゲームに登場する武将は内政や戦争をすることで能力が成長し、登場したときは能力が低い武将も実戦や教育により能力がアップする。また能力の成長はそれぞれの能力値により異なり、才能を超えて成長させることはできない。内政・外交・戦闘の適性を見極め、適材適所の配置が重要。今回はアルゴリズム(問題解決手段)を採用し、配下武将に自分の戦略思考を学習させることができる。上杉謙信の恐ろしさは少なくなったものの、毛利元就や松永久秀、斎藤道三などの智謀の高さの恐ろしさが顕著になった。暗殺や混乱、謀反や内応で形勢を一気にひっくり返すことも可能である。また、全体的にコンピュータが好戦的で、一度の戦争で最大9城が戦場となるため、勢力の急拡大や衰退が起こりやすい。コーエーでは珍しく、ある程度の勢力の大名でも、油断すると滅ぼされる怖さがある。1回の戦争だけで2大名以上が滅亡することも見られる。
これまでのシリーズでは一国一国を委任することが出来たが、城ごとの委任は出来なくなった。その代わり、全国を統一するために大きくかかわるのが軍団による支配である。軍団を編成しない限り全国統一は難しく、軍団長人選がポイントである(優秀であっても、松永久秀や武田信玄など、野心が高く、不義理に設定された武将は謀反を起こしやすい)。勢力が拡大し城を多く支配する段階では軍団編成は不可欠で、配下軍団への指示が領国を大きく左右する。
パソコン版のみだが1季節に1度武将の会見が可能で、武将の現在希望する命令を聞く事ができる。これを奨励したり、叱咤などを行うことで、武将のアルゴリズムに手を加えることができる。
このほか、これまで、またはこれより後のシリーズの幾つかでは、他国の情報を知るのに資金や行動力を使わなければならなかったが、このシリーズではそれを使わずにいつでも見ることが出来る。
[編集] シナリオとパワーアップキット
シナリオは機種によってさまざまである。PC版の場合は、信長の誕生の頃、信長が初陣の頃、桶狭間の戦いの頃、信長包囲網の頃、本能寺の変の頃、信長の死後の関ヶ原の戦いの頃などシナリオが充実している。主人公が織田信長なのは変わりはないが、信長の誕生の時には父の織田信秀が登場している。信秀で全国を統一するのは不可能ではない。
またパワーアップキット版では武将が300人追加され、徳川光圀、さらには徳川家光や林羅山など信長が亡くなってから生まれる人物も登場する。パワーアップキット版に登場する鍋島光茂は、全シリーズを通して最若年(1632年生まれ)である。このほか、新武将の登録や既存武将の能力を変えることも可能である。さらに、一部の歴史イベントの発生を制限できたり、城名や家紋の変更ができたりなど、シリーズでも屈指の充実ぶりを誇る。
また、プレイステーション版では、武田信玄が上洛に成功して三河・尾張・美濃・近江等を併合する一方で、織田信長が伊勢一国、盟友の徳川家康が遠江一国を領有する小大名に没落していると言う設定のシリーズ初の仮想シナリオ「信玄上洛」が登場した。
パワーアップキットは、PC版の他、プレイステーション版とサターン版に存在する。ただし、追加された武将はPC版より少ない。
[編集] 職業
職業を持つことで大きく戦略に影響することがある。
- 「忍者」
- 足軽隊を率いている場合、普段の武将より強さを発揮し、城壁を越えることがたやすい。また調略の成否に大きく影響する。
- 「僧侶」
- 「剣豪」
- 調略の暗殺に大きく影響する。講義でコメントが変わることもある。披露の御前試合で戦闘にボーナスが付く。
- 「茶人」
- 内政面、軍事面でよく「~の後に飲む茶はまた格別」と話す職業。披露の茶会において政治にボーナスが付く。
[編集] スーパーファミコン版のみの設定
[編集] その他
災害イベントが非常に恐ろしいゲームでもある。台風が日本縦断をすることがあったり、一揆が頻発したり、災害後の凶作というのが恐ろしいのもこのゲームの醍醐味である。
このほか歴史イベントが盛りだくさんになった作品であり、桶狭間の戦いや本能寺の変、さらには羽柴秀吉が信長に懐で温めた草履を差し出すイベントなど充実している。