90式戦車
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| 90式戦車 | |
|---|---|
| 性能諸元 | |
| 全長 | 9.755m |
| 車体長 | 7.545m |
| 全幅 | 3.33m |
| 全高 | 2.335m |
| 重量 | 50.2t |
| 懸架方式 | ハイブリッド式 （油気圧・トーションバー併用） |
| 速度 | 70km/h （加速性能 0-200mまで20秒） |
| 行動距離 | 350km |
| 主砲 | 44口径120mm滑腔砲Rh120 |
| 副武装 | 74式車載7.62mm機関銃 （主砲同軸） 12.7mm重機関銃M2 （砲塔上面） |
| 装甲 | 複合装甲 （砲塔前面 及び 車体前面） |
| エンジン | 三菱10ZG32WT 水冷2サイクルV型10気筒 液冷ターボチャージド・ディーゼル 1500ps/2400rpm（15分間定格出力） 最大トルク 4410N･m（450kgf･m） 排気量 21500cc |
| 乗員 | 3名 |
90式戦車（きゅうまるしきせんしゃ）は、61式戦車のすべてと74式戦車の一部を更新するために開発された日本国陸上自衛隊の第三世代戦車である。
英語表記は『Type 90 Tank』。
目次 |
[編集] 開発
本車輌の開発は74式戦車が制式化された直後、1970年代の半ばには既に開始されたと言われている。当時は米ソ冷戦下にあり、T-80戦車を搭載した旧ソ連のLSTロプーチャ級戦車揚陸艦が北海道石狩湾に出現した際、74式戦車では能力的に不足であるとされていた。その事から北海道での運用を考慮し、強力な旧ソ連製戦車に対抗できる戦車として設計されている。神奈川県相模原市にある防衛庁技術研究本部第4研究所と、三菱重工業が中心となり開発を開始した。当初はエンジン・主砲・射撃統制装置・サスペンション・新型装甲と、各部分の開発が別々に進められたが、1980年代に入り試作車輌が完成した。一時はイギリスからチョバム・アーマーの売込みがあったものの、日本が得意とする軽量で強度の高い複合装甲を用いる方が良いとの結論に達した為、50tという軽量でありながら高い正面防御力を有するに至ったと言われている。
試作車は1982年から1984年までに2両、1986年から1988年にかけて4両が完成。開発試験と部隊試験が1989年まで続けられ、1989年に正式に採用が決定し、1990年8月6日に「90式戦車」として制式化された。車体の開発・生産は三菱重工業が、主砲は日本製鋼所がドイツのラインメタル社製44口径120mm滑腔砲Rh120をライセンス生産している。
新戦車（後の90式戦車）の主砲については、始めからラインメタル社製の44口径120mm滑腔砲の採用が予定されていたが、日本製鋼所にも国産120mm滑腔砲の開発が発注された。同社がラインメタル社製品を圧倒する性能を目指した結果、貫徹力で僅かにラインメタル社製品を凌ぐ射撃試験の成績を得たが、品質管理の難しい材質を使用しているとされ、量産時においてはラインメタル社製品との性能差は無いに等しいとの理由で採用されなかったという。しかし、不採用ながらも、同等以上の性能を発揮した国産砲により、ラインメタル社とのライセンス契約料を低く抑え、砲身素材まで完全国産化できたという（新戦車（TK-X）には新型国産砲の搭載が検討されているようだ）。
[編集] 特徴
主砲には西側第三世代主力戦車の標準主砲となっているラインメタル社の44口径120mm滑腔砲を備え、弾種はAPFSDS（装弾筒付翼安定徹甲弾）とHEAT-MP（多目的対戦車榴弾）を使用する。射撃統制装置や自動装填装置などには国産ハイテク技術が導入されており、射撃には大容量のデジタル弾道コンピュータとジャイロを併用し、世界最高水準の高精度な行進間連続射撃が可能とされる。
狭い日本の演習場では90式戦車の売りの一つである行進間連続射撃や最大射程射撃訓練などが思う存分出来ない為、1992年（平成4年）度より毎年9月に米ワシントン州のヤキマ演習場に90式戦車を持ち込んで戦闘射撃訓練などを行っている。ヤキマ演習場で高機動テストや走行間射撃テストを行った際には、90式戦車が余りにも高い命中率を示した為、テスト最終日には米軍関係者が詰め掛けたという。2002年（平成14年）度からは演習徹甲弾の導入により富士総合火力演習でも行進間射撃が披露される様になっている。
小型化と複合装甲の実用化により、軽量ながら防護力は高いとされている。この複合素材はセラミック系と考えられ、米英等の重金属・劣化ウラン系複合装甲より格段に軽いとされる。砲塔前面の複合装甲が垂直で避弾経始を考慮していないのは、装甲の傾斜化による重量増加の回避、最新の戦車砲弾であるAPFSDSが装甲を傾斜させても跳弾しない事、強固な複合装甲が完成した等の理由があると見られている。これにより重量は50t程度と他国の第三世代戦車に比べ小型・軽量に仕上がっており、正面投影面積（全高・全幅）を減少させる事で被弾率を低下させている。
耐弾試験では、正面装甲は44口径120mm滑腔砲を使用して発射された重金属弾体APFSDSに耐えたほか、零距離相当のAPFSDSやHEATを砲塔や車体正面に9発以上撃ち込まれてなお、稼動可能であったといわれる。側面についても35mmAPDSの掃射に耐えうる性能があり、上面についても榴弾砲破片のみならずSADARM程度の自己鍛造砲弾にも耐えうる耐弾性能を有しているといわれる。また、砲塔後部にある即用弾収納部分の上面はパネル構造とされ、砲弾が誘爆した際のエネルギーを上に逃がすことにより乗員の安全性向上が図られている。
油気圧とトーションバーを併用したハイブリッド式サスペンションは、車体を前後に傾斜させる事や、車高も上下に昇降させる事が出来る能力を74式戦車から継承しており、効率的な稜線射撃を可能にしている。
また、走行中に急停止した際の制動能力は非常に高い。配備当初は不用意に制動を行った際に上半身を車外に出していた車長が胸部を打撲した事もあり「殺人ブレーキ」などと呼ばれていた。
ストレートドーザを装着した車両も少数存在し、また一部の車両は車体前面に92式地雷原処理ローラが装着出来る様になっている。
秘匿情報が多く実戦経験のない90式戦車であるが以上の事から勘案してM1A2エイブラムス（米）やレオパルド2A6（独）と並び世界最高水準の戦車の一つと評されている。
高評価の90式戦車だが、開発・制式化から一度も大規模なアップデート（性能向上）が行われておらず、より攻撃力の高い長砲身120mm滑腔砲や、集団戦に有利なC4Iなどを搭載する戦車にはやや先行された感がある（ただし、長砲身120mm滑腔砲はその長い砲身長であるが故に運用面でのデメリットも伝えられており、また、C4Iも操作等が複雑化した物は乗員への負担が大きいと言われている）。C4Iの90式戦車への搭載は内部空間の関係で限定的な付加しか出来ず、経費面や運用面でも効率的でないとされている。尚、90式戦車の開発及び運用結果を反映しつつ開発中の新戦車（TK-X）にはC4Iが搭載される予定である。
[編集] 価格と調達
90式戦車は静岡県の富士教導団戦車教導隊と第1教育団第1機甲教育隊を除くと、北海道の第7師団の第71戦車連隊・第72戦車連隊・第73戦車連隊、第2師団の第2戦車連隊内3個中隊（第2戦車連隊は6個中隊保有）、第5旅団の第5戦車隊に配備されている。2005年度末時点での配備数は292両になる見通し。この事から、現在でも数の上での陸上自衛隊の主力は74式戦車である。なお、74式戦車の全てを90式戦車に置き換えるのではなく、大部分は現有戦車の後継として開発中の新戦車（TK-X）をあてる予定である。
以前の74式戦車と比べて非常に高価であり、毎年の調達台数は20両足らず（平成18年度は11両調達予定）である。バブル景気の真っ只中に制式採用され、1輌10億円近い価格であったとしても迅速に配備が可能という生産見通しが、バブル崩壊に伴う防衛費の減少（高価なイージス艦を含む護衛艦隊等の割りを食った、とも言われる）から、まったくの裏目となってしまった。とはいえ、少数生産にとどまる以上は、開発費を上乗せして考えると1両当たりの価格が高騰するのはやむをえない事情もある。それでも長年の調達による量産効果で、現在では1両当たり約7億5000万円程度まで単価は減少しており、調達がほとんど無い故に価格も下がらない89式装甲戦闘車などよりは費用対効果が高い。
また、他国の第三世代戦車に比べて高価であるとの批判が良くなされる。確かにレオパルド2（独）やM1エイブラムス（米）の初期型に比べれば高価である。しかし、後発の90式戦車と比べるべき改良発展型は90式戦車に匹敵するかそれ以上に高価なのが現状である。さらに、日本に他国戦車を導入せよという意見に対しては自国調達価格と輸出価格の違いを挙げなければいけない。EU各国に対するレオパルド2A5、中東諸国に対するM1A2エイブラムスの輸出実績（サウジアラビアの例では、1両あたり15億円とも言われる）を見れば、優秀な兵器を安価に調達できるというのが幻想でしかない事が判る。[要出典]
[編集] 重量と輸送の問題
性能の良さは折り紙つきで、各国の同類の戦車と比較しても引けを取らない。しかし、日本はインフラ投資が多いとはいえ、山がちで戦車運用に向かない地形である。60t以上あるアメリカ軍のM1A1エイブラムスやイギリス軍のチャレンジャー2、ドイツ連邦軍のレオパルド2A6などと比較すれば90式戦車は50tと10t以上軽量であるが、課題は多い。
[編集] 道路による陸上輸送
90式戦車の重量は74式戦車を約12t上回る為、北海道以外では通行可能な場所が限られ運用上の困難が多いと予想されている。いわゆる戦車不要論や自衛隊批判の要としてよく引き合いに出されるところであり、実際、制約は多いだろう。しかし、現実に主要道路・橋梁には重量数十tの大型車両（近年は規制緩和された積載込み総重量が25tになる大型トラックが増えつつある）が日夜走っている。しかも複数同時にである。この事を鑑みると、補強や同時移動量の制限などの慎重さが有れば十分に可能であると考えられる。陸上自衛隊もこれを想定していると考えるのが自然である。実際に北海道では2005年の9月12日と9月19日に90式戦車と74式戦車が、2006年の8月31日と9月13日に90式戦車が、創立記念行事に参加・撤収する際に約45kmの区間の一般公道を自走している（北海道の国道などは国の直轄管理で道路の質が良い事もある）。トランスポーターで運搬される場合は安全面を考慮して砲塔と車体を分離して夜間に運搬されることが多い。最大積載量が50tの特大型運搬車では砲塔及び車体を一体化させた状態で運搬する事が可能だが、最大積載量が40tの73式特大型セミトレーラの場合は砲塔及び車体を分離して運搬する必要があるという理由もある。
90式戦車に方向指示器（ウインカー）が付いる事で、戦車に方向指示器が付いているのは日本だけなどと揶揄されるが、レオパルド2・ルクレール・チャレンジャー2などといった欧州の代表的な主力戦車にもウインカーは付いており、日本だけだと言うのは間違いである。そもそも、方向指示器が付いているからといって、運用には何の問題もない。また、90式戦車が舗装路上を走行する際は路面を傷つけないよう必ずゴムパッド付きの履帯を装着し走行するのだが、90式戦車より10t以上重い主力戦車を保有する欧米でも当然のように行われており、実際に都市部で実施された市街地戦闘訓練などでも当然の事ながらゴムパッド付きの履帯を装着している。
[編集] 鉄道輸送の現実性
長距離を輸送する際には鉄道貨物輸送が考えられるが、在来線では通常の運転形態では、建築限界に支障するため困難である。これは、90式戦車が開発の段階から鉄道輸送能力を考慮せずに開発された為である。しかし、東海道本線などの高規格線においては決して不可能ではなく、幅3.4メートル程度であれば、最高運転速度や走行時間帯などの制約を受けるものの、輸送そのものは物理的に可能である（現在でも、日本車輌豊川工場で製作された新幹線車両の車体は、在来線である東海道本線上を走行して新幹線浜松工場まで輸送されている）。重量面においても、高規格路線の重量限界である1軸あたりの加重16tを考慮しても、1両4軸のボギー車タイプの貨車を用意することで輸送可能である。
室蘭本線、津軽海峡線、日本海縦貫線、山陽本線、鹿児島本線などの路線でもこれに同じで輸送は可能であるが、これらの路線は複数の旅客会社が分散して地域ごとに線路を保有しており、最高速度や走行時間帯も制約され、通常運行している他の列車ダイヤにも影響するため、実際の輸送に当たっては、事前に関係する各旅客会社側の了承を取り付けることが絶対条件となる。したがって、在来線での輸送は、有事の際を除いてその実現は難しい。
新幹線フル規格での輸送もまた一つの方法である。しかし、計画された貨物新幹線（重量に堪えられるだけの橋脚等設備の強化とトンネル拡幅などの設備改良の抜本的な改正の必要性がある）が実現せず、もっぱら人員輸送に特化した現在の新幹線規格では想定外の重量である。新幹線側の搬入設備や専用トランスポーター貨車開発も一切着手されていない（在来線では施設科などの小規模な輸送はあるものの、特に国鉄分割民営化以降、鉄道の防衛への利用自体があまり考慮されていない。なお、61式戦車は鉄道輸送を前提に計画された）。
[編集] 航空機による輸送
重量50t以上の戦車を空輸するにはC-5ギャラクシー（米）やC-17グローブマスターIII（米）、An-124ルスラーン（露、ウクライナのアントノフ製）といった最大級の輸送機が必要とされる。航空自衛隊はその種の大型輸送機は保有しておらず、また現在開発中の航空自衛隊の次期輸送機であるC-Xは大型の手術車を搭載できるとしているが、戦車の搭載は仕様に盛り込まれていない。平成18年度から導入される空中給油・輸送機KC-767Jのペイロード（最大積載量）はC-Xより大きく、トラックなどを搭載できるが、戦車は搭載できない。
[編集] 輸送艦による輸送
艦船による輸送であるが、通常、海上自衛隊の輸送艦に積み込める数量には限度があり（おおすみ型輸送艦は最大十数両）、一定規模の部隊を輸送するとなると相当数の艦が必要になるが、現実問題として海自はそれを一度に運ぶに充分な輸送艦を保有していないし、その状態を変える予算も意思も無いと考えられる（また、輸送艦を大量調達した場合、それを侵略戦争の準備とみなす周辺国や、国内政党や左翼団体、市民団体などによる批判を受けることは確実とみられる）。なお、おおすみ型輸送艦に各2艇ずつ搭載されているエアクッション艇1号型（LCAC）は、積載能力が70tある為、90式戦車を1両ずつ運搬し、海岸に直接上陸させる事が可能である。
[編集] 次期主力戦車の課題
これらは冷戦時代当時、旧ソビエト連邦の脅威に対抗し、北海道の地形に合わせて開発された経緯からである。他地域でのより柔軟な運用を行うには更なる小型軽量化が望ましいとされた。懸念されるデメリットは主に防御力の低下だが、複合装甲の発展・車体設計技術の進歩と、モジュラー装甲の採用で解決されると判断されたのである。
2004年9月14日、90式戦車の調達を防衛庁が2・3年後に停止する方針であるという報道がなされた。40t級新戦車（TK-X）調達の目処がついたとも伝えられている。
[編集] フィクションによる誤解
90戦車は、SF小説を初めとして、漫画、アニメ、ゲーム、映画などのフィクション作品などによく出る場合が多い。その際、作者やスタッフが、90式戦車をよく調べないままで描いたり、表現や演出上、現実のものと違うものとしたり、また、同名の架空戦車を使用したりする場合があり、それらの読者や視聴者たちの誤解や勘違いによる、90式戦車にまつわる都市伝説とも言えるものが多い。他にも、一部の政党がよく調べずにこれらの誤りを真に受けて（または意図的に誤りを正さずに）、政治的な主張のために「90戦車駄作説」を掲げる場合もある。[1] ただ、日本の防衛政策が日本全体のグランドデザイン下に進められていない感は否めないので、そういう意味においては、こうした誤報が跋扈してしまう下地になっていると思われる。
- 90式戦車は尖った大きな石を踏んだだけで底面が破れるほど弱い
- 当然、誤りである。そもそもそんな脆弱さでは採用されるはずがない。
- 90式戦車は必要な装備を省いてクーラーがついている駄作である
- 誤りである。これは、NBC兵器対策装置として搭載されている大気濾過用のエアコン装置を、名称から一般家庭用冷房装置と単純に勘違いしたためだと思われる。90式戦車に搭載されているものは毒ガスなどを散布された場合に、それをクリーンにするためのフィルター的な意味合いを持つ外気取り入れ装置であり、室温を下げるための冷房装置ではない。ただ北海道での運用を想定しているだけに凍傷防止のために暖房設備だけはある。ちなみにM1A2エイブラムス・チャレンジャー2・ルクレール・T-90等の他国戦車の中東輸出仕様は冷房機能付きのものが多く（灼熱の砂漠地帯ではそのまま死活問題になるため）むしろ付いていない方が珍しい。よって、90式戦車が「冷房のために底部装甲を薄くし、尖った石でも破られる」というのも完全な誤りである。
- 90式戦車を始め自衛隊戦車はアスファルト舗装された一般道を走行出来ない駄作である
- 誤りである。この項目にも書かれている通り、90式戦車・74式戦車共に、路面保護用のゴムパッド付きの履帯を装着し自走可能であり、実際に北海道で一般道を走行した記録もある。又、自衛隊駐屯地の祭りでは敷地内ではあるがアスファルト舗装された道路を、同じくゴムパット付き履帯装着で走行している。そもそも、現在の戦車が舗装道路を走れないと断定してしまう事がナンセンスである（一般道路まで高規格な北海道は訓練でも走行可能だが、比較的脆弱な道路が多い本州以南では道路が傷む為、公道訓練がほとんど行われない。有事を想定していないことが大きいが、北海道は国家予算で道路整備を行うことに対し、都府県は道路整備予算に限りがあることも原因。基地内や基地周辺は戦車走行を考慮して、分厚い舗装を施してある。もちろん有事の際は当然の事ながら一般道をどこでも走行する）。なお毎年５月末に行われる東千歳駐屯地創立記念行事の前後には北千歳駐屯地所在の第71戦車連隊が国道337号線の一部を移動するのを見ることができる。
- 90式戦車は50tという重量から普通の橋は渡れない駄作である
- 誤りである。確かに74式戦車に比べて重量は増加しているが、各国の主力戦車と90式戦車の重量を比較してみた場合、
| レオパルド2A5 スウェーデン仕様 |
62.5t |
| M1A2エイブラムス | 69.5t |
| チャレンジャー2 | 62.5t |
| ルクレール | 56.5t |
| 90式戦車 | 50t |
- であり、90式戦車の50tという重量は旧西側の先進各国の第三世代戦車の中でもっとも軽量となっている。また、当然、大型車両の走行を前提としていない小型の橋は除いて、主要道路などのダンプやトラックが通行出来る橋はすべて通行可能になっている（そもそもそうでなければ運用が不可能）。大型ダンプやトラックは積み荷をあわせて20tを超える物も多く、それらが同時に走行、或いは行き違うことが前提になっている橋を渡れない方がおかしいという指摘も数多くあり、これも劇中で「駄作である」という位置づけのために他国のものとの比較無しに伝聞系の情報を鵜呑みにしてしまった人間の誤りであろうと思われる。
- 90式戦車は他国戦車に比べて高価なだけの役立たずである
- 誤りである。各国の主力戦車と比較してみても、コストパフォーマンスはむしろ高いほうである。
| レオパルド2A5 スウェーデン仕様 |
約10億円 |
| M1A2エイブラムス | 約7億円 |
| チャレンジャー2 | 約11億3800万円 |
| ルクレール | 約9億7000万円 |
| 90式戦車 | 約8億円 |
- そもそも、90式戦車に限らず日本の国産兵器の高価格化は次のような要因がある。他国の兵器が海外市場に対して積極的に宣伝・実演を行い輸出する事で、大量生産効果によりコスト削減を図っているのに対し、日本では武器輸出を禁止している事からそうした形のコスト削減が全く出来ない。更に有事に備えて生産ライン維持を行う必要がある為（生産ライン維持を無視して大量生産を行えば迅速な配備は可能であると思われるが、配備予定総数の生産が完了すれば生産技術や情報を蓄積した生産ラインを閉鎖しなければならず、後から報告された不具合の生産途中での修正や細かい仕様の変更等も行う事も出来なくなる）、年間調達数を大幅に増やして量産効果を出す事が出来ない悪循環に陥っているのである。
[編集] 派生型
[編集] 登場作品/ホビー商品
[編集] 映画
- 事故により中隊ごと1547年へ飛ばされ、天導衆の主力兵器にされる。
- 『続・戦国自衛隊』
- 『ゴジラvsビオランテ』
- 『ゴジラvsデストロイア』
- 実物の90式戦車（正式量産車）が日本映画初登場。
- 陸上自衛隊以外にも、『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』では日本国防衛軍・防衛陸軍としても登場。
- 『ガメラ2 レギオン襲来』(1996年)
[編集] アニメ / コミック
- 『機動警察パトレイバー初期OVAシリーズ』（1988年～1989年）
- 『機動警察パトレイバー 2 the Movie』（1993年）
- 治安出動し、都内各所に配備された。また、ポスターやパンフレット、DVDケースの図柄にも90式戦車が登場している。
- 『クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦』（1999年）
- 『MEMORIES』（1995年）
- 『やわらか戦車』（2005年）
- 当初から背景に登場していたが、翌年の第3作で主演し「90式先輩」と呼ばれる。作者は当初「きゅうまる」の読みを知らなかった。
- 『新・紺碧の艦隊』
- コミック版で10式戦車『蒙古』として登場（主砲は105mm砲の設定）。
- 『コードギアス 反逆のルルーシュ』（2006年）
- 日本軍の主力戦車として登場。しかしナイトメアフレームには太刀打ち出来なかった。
- 『西武新宿線戦異状なし』
[編集] 小説
- 『砲撃目標ゼロ』 - 東郷隆 (1990年)
- 西南アフリカで反政府ゲリラが操るT-55と、実戦テストを兼ねた90式戦車が戦う。
- 『第二次湾岸戦争』 大石英司 (1992年)
- サウジアラビアの砂漠でT-80と交戦する。
- 『超空の大和』田中光二
- ソウルの市街地でT-60、60式戦車と交戦、北朝鮮、中国の連合は、90式戦車に対して全く歯が立たなかった。
[編集] ゲーム
- 増加装甲を装着した90式戦車改が登場。OPでは140mm滑腔砲を搭載したドイツのレオパルト3に先に命中させるも貫通せず一方的に撃破され「90式はブリキ缶だぜ」の名台詞を生む。
- SIMPLE2000シリーズ『THE 戦車』 - D3パブリッシャー
- プレイヤーの使用戦車・敵戦車として登場する。残念ながら砲塔の自動追尾装置は再現されていない。
[編集] プラモデル
- 『1/35 陸上自衛隊 90式戦車』－ 株式会社タミヤ
- 同社からはバリエーションとして『90式戦車 砲弾搭載セット』(作業中の隊員、砲弾、木箱、自動装填装置周りを再現するパーツを追加)と『90式戦車マインローラー』(92式地雷原処理ローラーを再現するパーツを追加)が出ている。また、完成品(富士教導戦車隊所属車)も販売されている。
- 『1/72 陸上自衛隊 90式戦車』－ ピットロード
- 2005年2月に発売。ただし発売直後から上記のタミヤ製品の縮小コピーであった事から、2005年以降の静岡見本市への参加を拒否されている。
- 『1/35、1/48、1/72 陸上自衛隊 90式戦車』－ トランペッター
- 35及び48の発売時期は不明、72はピットロードの物と同時期に発売。（72はピットロードからの提案により製品化）35の物は幾つかのWebサイトでタミヤの物のコピーであると指摘されている。同社の日本における代理店は2005年以降の静岡見本市への参加を拒否されている。
[編集] 食玩
- 『ワールドタンクミュージアム 第四弾』- 海洋堂(1/144スケール)
- 通常･2色・冬季迷彩の3種＋シークレット(『90式戦車 稜線射撃』-車体を前傾させた状態を再現。)の4種があった。
[編集] 完成品
- 『1/35マスターワークコレクション 陸上自衛隊 90式戦車 富士教導戦車教導隊』- 株式会社タミヤ
- 上記のキットの完成品。2006年12月現在で「第2中隊」「第5中隊」の2種あり。
- 『陸上自衛隊装備大全 第弐弾』- コナミ(1/144スケール)
- ジオラマ風のディスプレイ台付きで、マーキング替え2種があった。
- 『1/144 陸上自衛隊 90式戦車』- トランペッター
- 中国の模型メーカーであるトランペッター社が数年前に発売したもの。
[編集] ラジコン
- 『RCバトルタンク 陸上自衛隊 90式戦車』(旧)－ 東京マルイ(1/24スケール)
- 同社の1/24RCバトルタンクシリーズの記念すべき第1弾として2000年に発売。遊戯銃メーカーとして名高い同社だだけあって、実際に砲弾(BB弾)を撃てるというコンセプトが話題を呼んだ。因みに同時期のこち亀「両津が戦車でやってきた!?」(コミック第124巻)では両さんが本製品を買ってきたところから話が始まり、話の半分をラジコン戦車の歴史の話に費やすなど非常にマニアック(こち亀では良くあること)な話であった。
- 『RCバトルタンク 陸上自衛隊 90式戦車』- 東京マルイ(1/24スケール)
- 2006年12月発売。上記の完全リニューアル版としてキャタピラ、塗装、各種装備などがよりリアルなものになっている。また別売のクリスタルを交換することで6台同時バトルが可能。車長フィギュア1体付き。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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