蔡倫
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蔡倫（さいりん、ピンイン:cài lún、? - 107年?121年?）は中国後漢代の宦官で、製紙法の改良者。字は敬仲。
桂陽で生まれ、和帝の時、中常侍となる。誠実で学問や工作を好む人物であったために、和帝から気に入られて重用された。
105年に樹皮・麻クズ・破れた魚網などの原料から紙を作り出し、これを和帝に献上し、この紙は蔡侯紙と呼ばれた。蔡倫は製紙法の発明者と言われていたが、前漢代の遺跡から紙が発見されており、蔡倫は改良者と見られる。
だが、それまでは竹の板を糸でつなぎ合わせた物や絹などに書いていたが、竹は非常にかさばるし、絹は非常に高価であったので気軽には使えなかった。蔡倫の改良でそれまでの竹では荷車に積んでいた本が片手で持てるようになったのである。蔡倫の改良製紙法は非常な大進歩であり、これ以降の中国では優れた詩文・論文などは筆写により全国に広まるようになり、文化の発展に大きく貢献した。
だが、安帝が即位して、蔡倫の後見人であった竇太后が没すると、かつて蔡倫が太后の命で安帝の実の祖母を陥れた一件の捜査を安帝が命じたために逮捕される。これまでと覚悟した蔡倫は獄中で服毒自殺した。
蔡倫は宦官として偉大な功績を挙げた人物として、司馬遷・鄭和と共に後世から称揚された。
蔡倫は現在においても多大な影響を与えている。学者マイケル・ハートの「世界史上で一番影響を与えた人物」という題目があり、第七位は蔡倫であった。ちなみに第一位はムハンマド・イブン＝アブドゥッラーフ,第二位はアイザック・ニュートン,第三位はイエス・キリスト。当然紙がなければ出版技術も発達していないし、現在の比較的裕福な生活は保障されていなかったであろう。
ちなみに現在の湖南省桂陽郊外にに蔡倫の墓と伝えられる場所があり、1950年代に地元の県が修復作業をしたところ、石臼が副葬品として見つかってこれが「蔡倫が紙を作った際に使った臼では？」と言われたが、真偽のほどは不明である（また、蔡倫の墓は自己の封地があった現在の陝西省にあったともいわれている）。
