民主党 (アメリカ)
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民主党（みんしゅとう、The Democratic Party）は、アメリカ合衆国の政党。
| アメリカの政党 | |
|---|---|
| 党名： | 民主党 |
| 全国委員長： | ハワード・ディーン |
| 上院院内総務： | ハリー・リード |
| 下院院内総務： | ナンシー・ペロシ （07/1/7～ステニー・ホイヤー） |
| 成立年月日： | 1820年代 |
| 政治的立場： | リベラリズム、進歩主義 |
| 上院議席数： | 44/100 （07/1/7～51/100） |
| 下院議席数： | 201/435 （07/1/7～232/435） |
| 色： | 青色 |
| 国際提携： | 欧州民主党 |
| ウェブサイト： | The Democratic Party |
一般的に共和党が新保守主義の立場を取るのに対して民主党はリベラリズムの立場を取る。現在の民主党はイラクに対する武力行使にも賛成した議員が大半など必ずしもリベラル派が主流ではなく、2006年11月の中間選挙で躍進し勢力を増したのも保守的な州における中道派や穏健派の健闘によるところが大きい。政治的位置を平均すると中道寄りのリベラリズム、または穏健な社会民主主義である第三の道に近いと言ってもよい。環境問題や人権・福祉に関して共和党より積極的な政策を取る。京都議定書を推進していたアル・ゴア元副大統領は2006年に地球温暖化に関する映画に出演し、話題になった。
経済政策は中小企業や弱者を救済するために、自由貿易主義を主張する共和党とは一線を画す国内産業保護主義を取る。それゆえ民主党政権では日本を含む先進各国との経済関係がしばしば問題になる。
外交関係では国連を重視し国際協調主義を取る。しかしコソボ空爆などの例がある様に先進各国の協力が取り付けられれば国連を無視した武力行使も辞さない。比較的リベラルなカナダ・欧州との関係は良好だが、中国とは下院議長ナンシー・ペロシなどリベラル派が人権問題やチベット問題で厳しく批判するため、良いとは言えない。また上述したように議会を中心に保護主義的傾向が強いので、対中貿易赤字には敏感である。このことから近年党内では対中強硬派が台頭している。中東問題に関しては、共和党と同様にイスラエル寄りのスタンスを示す党員が多い。
主な支持層は東海岸・西海岸および五大湖周辺の大都市市民および、アカデミズムや高学歴知識層、労組・労働者、さらに黒人・ヒスパニック・アジア系など人種的マイノリティである。また文化人やハリウッドの映画産業関係者にも民主党支持者が多い。なお、このような支持層が常に民主党支持者であったわけではない。支持層の変遷については下記の歴史の項を参照。
ロバのシンボルにより親しまれている。
目次 |
[編集] 歴史
民主党は1820年代に分裂したトーマス・ジェファーソンの民主共和派の流れを汲み、アンドリュー・ジャクソンを領袖に結党された「民主共和党」が前身である。1830年より現在の「民主党」を名称にしている。
民主党は、過去にはその支持勢力を北部と南部に分けて捉えることができる。北部では大都市の移民集団で、カトリック系やユダヤ系移民に支持される一方で、南部では奴隷制度廃止に反対し、1860年代には連邦を離脱してアメリカ南部連合を結成した白人層が支持層であった。彼らは南部11州で支持層を拡大して「一党南部」または「堅固な南部」と言われる強力な基盤を形成することになった。
大恐慌のさなかの1932年にはフランクリン・D・ルーズベルトがホワイトハウス入りを果たし、大恐慌で苦しむ都市労働者をはじめ、黒人、カトリック教徒、ユダヤ系市民、そして民主党の支持基盤である南部人らを結集したいわゆる「ニューディール連合」を形成することとなった。しかし多様な価値観を内包する党は、その後の公民権立法などの人種政策の実施過程において、南部白人層の離反（レーガン・デモクラット）を招くこととなる。また女性の権利をめぐる中絶論争で進歩的な政策を取ることから宗教的保守派などの離反も招いた。ここに二大政党制の再編成が起こり、民主党は窮地に追いやられることになったといわれている。その後もヒトES細胞の研究の可否、同性愛の諾否、同性間における結婚の諾否など、宗教的価値観と関連する問題で一般に進歩的な政策をとることから、宗教的保守派の支持は失っている。
1992年の大統領選挙に出馬した中道寄りで経済志向のビル・クリントンが支持層を広げ、政権獲得に成功した。しかし、1994年の一期目の中間選挙から合衆国議会では共和党が多数を占めている。さらに2000年の大統領選挙で民主党は政権を失い、2004年の大統領選挙でも激戦の末に敗北するなど、現有議席数などから見た党勢は低迷した。
共和党・ブッシュ政権の二期目の中間選挙である2006年11月の選挙では、ブッシュ政権と与党の共和党がイラク問題や所属議員のスキャンダルで強い批判を受け、民主党が上下両院において多数派を奪還した。また、多くの州の知事選でも勝利を収めた。
2008年の大統領選では、クリントン元大統領の妻で、上院議員のヒラリー・クリントンが本命候補の一人とされている。
[編集] 大統領候補
| 選挙年 | 結果 | 候補と当選者 | 大統領 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 大統領 | 副大統領 | 代 | 任期 | ||
| 1828 | 当選 | アンドリュー・ジャクソン | ジョン・カルフーン[1] | 7代 | 1829年 - 1837年 |
| 1832 | 当選 | マーティン・ヴァン・ビューレン | |||
| 1836 | 当選 | マーティン・ヴァン・ビューレン | リチャード・M・ジョンソン | 8代 | 1837年 - 1841年 |
| 1840 | 落選 | マーティン・ヴァン・ビューレン | リチャード・M・ジョンソン | ||
| 1844 | 当選 | ジェームズ・K・ポーク | ジョージ・ダラス | 11代 | 1845年 - 1849年 |
| 1848 | 落選 | ルイス・キャス | ウィリアム・O・バトラー | ||
| 1852 | 当選 | フランクリン・ピアース | ウィリアム・ルーファス・キング[2] | 14代 | 1853年 - 1857年 |
| 1856 | 当選 | ジェームズ・ブキャナン | ジョン・C・ブレッキニリッジ | 15代 | 1857年 - 1861年 |
| 1860 | 落選 | スティーブン・A・ダグラス (北部) | ハーシェル・V・ジョンソン | ||
| 落選 | ジョン・C・ブレッキニリッジ (南部) | ジョセフ・レーン | |||
| 1864 | 落選 | ジョージ・マクレラン | ジョージ・H・ペンデルトン | ||
| 暗殺昇格 | アンドリュー・ジョンソン[3] | 無し | 17代 | 1865年 - 1869年 | |
| 1868 | 落選 | ホレーショー・シーモア | フランシス・P・ブレア | ||
| 1872 | 落選 | ホーレス・グリーリー[4] | B・グラッツ・ブラウン | ||
| 1876 | 落選 | サミュエル・J・ティルデン | トーマス・A・ヘンドリックス | ||
| 1880 | 落選 | ウィンフィールド・S・ハンコック | ウィリアム・H・イングリッシュ | ||
| 1884 | 当選 | グロバー・クリーブランド | トーマス・A・ヘンドリックス[2] | 22代 | 1885年 - 1889年 |
| 1888 | 落選 | グロバー・クリーブランド | アレン・G・サーマン | ||
| 1892 | 当選 | グロバー・クリーブランド | アドレー・E・スティーブンソン | 24代 | 1893年 - 1897年 |
| 1896 | 落選 | ウィリアム・J・ブライアン | アーサー・サミュエル | ||
| 1900 | 落選 | アドレー・E・スティーブンソン | |||
| 1904 | 落選 | アルトン・B・パーカー | ヘンリー・G・ディヴィス | ||
| 1908 | 落選 | ウィリアム・J・ブライアン | ジョン・W・ケーン | ||
| 1912 | 当選 | ウッドロウ・ウィルソン | トーマス・R・マーシャル | 28代 | 1913年 - 1921年 |
| 1916 | 当選 | ||||
| 1920 | 落選 | ジェームズ・M・コックス | フランクリン・デラノ・ルーズベルト | ||
| 1924 | 落選 | ジョン・W・ディヴィス | チャールズ・W・ブライアン | ||
| 1928 | 落選 | アルフレッド・E・スミス | ジョーゼフ・テイラー・ロビンソン | ||
| 1932 | 当選 | フランクリン・デラノ・ルーズベルト | ジョン・N・ガーナー | 32代 | 1933年 - 1945年 |
| 1936 | 当選 | ||||
| 1940 | 当選 | ヘンリー・A・ウォレス | |||
| 1944 | 当選 | ハリー・S・トルーマン | |||
| 病死昇格 | ハリー・S・トルーマン | 無し | 33代 | 1945年 - 1953年 | |
| 1948 | 当選 | アルバン・W・バークリー | |||
| 1952 | 落選 | アドレー・スティーブンソン | ジョン・スパークマン | ||
| 1956 | 落選 | エステス・キーフォーヴァー | |||
| 1960 | 当選 | ジョン・F・ケネディ | リンドン・B・ジョンソン | 35代 | 1961年 - 1963年 |
| 暗殺昇格 | リンドン・B・ジョンソン | 無し | 36代 | 1963年 - 1969年 | |
| 1964 | 当選 | ヒューバート・ハンフリー | |||
| 1968 | 落選 | ヒューバート・ハンフリー | エドマンド・マスキー | ||
| 1972 | 落選 | ジョージ・マクガヴァン | R・サージャント・シュライバー | ||
| 1976 | 当選 | ジミー・カーター | ウォルター・モンデール | 39代 | 1977年 - 1981年 |
| 1980 | 落選 | ジミー・カーター | ウォルター・モンデール | ||
| 1984 | 落選 | ウォルター・モンデール | ジェラルディン・フェラーロ | ||
| 1988 | 落選 | マイケル・デュカキス | ロイド・ベンツェン | ||
| 1992 | 当選 | ビル・クリントン | アル・ゴア | 42代 | 1993年 - 2001年 |
| 1996 | 当選 | ||||
| 2000 | 落選 | アル・ゴア | ジョー・リーバーマン | ||
| 2004 | 落選 | ジョン・ケリー | ジョン・エドワーズ | ||
| 2008 | 立候補が予定される者 | ||||
[編集] 主要な支持母体
※傾向として以下の団体など
[編集] 現在
- 環境保護団体
- 全米訴訟弁護士協会
- 全米労働総連盟
- ラテン系移民
- ユダヤ系移民
- アジア系アメリカ人
- 公民権運動団体
[編集] 過去
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- Democratic National Committee
- Young Democrats of America
- College Democrats of America
- Kicking Ass: Daily Dispatches from the DNC
- Progressive Democrats of America
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