春香伝
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春香伝(チュニャンジョン、춘향전)とは朝鮮の古典で、妓生の娘と両班の息子との身分を越えた恋愛を描いた物語である。
もともとは朝鮮において李氏朝鮮時代にハングルによって書かれた小説である。18世紀初頭にパンソリ演唱者により唱物語として創作され、公演される間に小説化された。
物語の劇的展開に加えて、庶民の反抗精神を代弁した風刺、俗語の使用による親近感から、小説、パンソリ、映画、オペラを通じて広く愛好されている。
韓国では人気のある物語で何度か映画化もされており、2000年にはパンソリを基調とした映画も公開された。
[編集] 登場人物
- 成春香 - 妓生(キーセン)の娘。
- 李夢龍 - 両班(ヤンバン)の息子
[編集] 関連作品
- 春香伝 - 2000年、林権澤監督の映画。
- 新・春香伝 - 1992年、CLAMP作の漫画。
- 成春香伝 - 1976年、朴太遠監督の映画。
- 春香傳 - 1950年、玄済明作のオペラ。韓国で最も有名な創作オペラ。
- 春香 - 1948年、高木東六作のオペラ。昭和23年に東京有楽座で上演。
[編集] 概要
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
全羅道南原に住む妓生の娘・成春香(ソンチュニャン、성춘향)と、両班の息子である李夢竜(イモンニョン、이몽룡)は、ふとした出会いから熱烈な愛の虜となる。しかし歓喜の逢瀬ももつかの間、夢竜は父の栄転で都に去り、残された春香は新任の好色な卞学道(ピョンハクト、변학도)の添寝の命を拒んだことにより笞を打たれ朗に入れられる。科挙に及第し暗行御史に任命された夢竜は乞食に扮して南原に下り、卞府使の誕生の酒宴が開かれ、春香が処刑される当日に現われて、悪政を裁き春香を助け出す。二人は上京し王の特旨でめでたく結ばれる。