大韓民国の経済

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大韓民国の経済は、朝鮮戦争以降大きく立ち後れていたが、所謂漢江の奇跡と呼ばれる経済発展以降、成長を続け、今現在は世界で13番目の経済的な規模があるといわれている。主要な産業はIT、造船、鉄鋼、自動車など。新興工業経済地域(NIEs) の一つに数えられた時期を経て、1996年にアジアで2番目のOECD（経済協力開発機構）加盟国になった。主要な企業としては、サムスン電子や、現代自動車などがある。

[編集] 漢江の奇跡

朴正煕政権下に於ける急速な経済発展により韓国経済は大きく発展した。 詳細は漢江の奇跡の項を参照。

[編集] 財閥による支配

韓国の経済は、そのほとんどを三星財閥、LGグループ、SKグループのおよび、解体した現代財閥、大宇財閥の系列企業で占められており、その構造的な問題点を指摘する声もある。

[編集] 経済的な構造

韓国は天然資源に乏しく、資材を輸入し製品を輸出するという貿易立国であり、「世界のカナリア」と呼ばれるほど、世界経済の情勢変化に敏感である。基礎技術や製造機材の多くを海外に頼っており、近年はIT関連産業などの一部では、国内技術の比率が向上しつつあるが、基礎技術の研究開発では欧米や日本に及ばないのが現状となっている。

[編集] アジア通貨危機

1997年のアジア通貨危機のため、韓国経済は大きな危機に直面し、大量倒産や失業と財閥解体が起こり、IMF（国際通貨基金）の管理下に入った。この「朝鮮戦争以来の国難」を受けて発足した野党政権である金大中政権による、現代財閥や大宇財閥の解体に象徴されるような大規模な構造改革や、IMFの経済支援により危機を脱し、2001年にIMFの管理から脱却した。

[編集] 韓国経済の問題点

アジア通貨危機による経済的な危機から脱却して以降は、半導体やインターネット関連事業の成長により、貿易が黒字基調に転化した。現在はドル換算のGDPが世界11位となっており北朝鮮の20倍以上に達する。その一方で、通貨危機以前は比較的緩やかだった貧富の差が拡大する傾向にある。金大中政権でのクレジットカード振興策によって2000年頃よりクレジットカードの利用が増加し、内需拡大の一端ともなったが、2003年頃には自己破産が急増し国内での信用不安が高まったため、金融恐慌状態となり内需不振となった。2005年以降も国内消費の低迷をはじめ原油高、ウォン高などの不安材料もあり、経済成長の鈍化を懸念する声もある。また、2000年頃から、多くの韓国企業が、人件費が安く、消費が拡大している中国などに生産拠点を移しており、韓国経済の空洞化も懸念されている。

[編集] 経済成長率

韓国の経済成長率は2003年3.1%、2004年4.6%、2005年4.0%と底堅い動きを示しており、インフレ率は2000年から毎年3%台で推移している。失業率も2001年から毎年3%台である。2004年の輸出総額2,538億米ドルのうち、中国が498億米ドルでトップを占め、2位米国428億ドル、3位日本212億ドルであった。一方、同年の輸入総額2,245億ドルのうち、日本が461億ドルでトップとなり、2位中国296億ドル、3位米国289億ドルとなっている。一方、2004年の対外直接投資総額79億米ドルのうち、中国が67億米ドルと半分以上を占め、同年の日本の対中直接投資額を抜いた。韓国経済にとって中国経済の比重が大きくなっている。なお、2004年に中国を訪問した韓国人は前年比46%増の284万人であった。