一年戦争
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一年戦争（いちねんせんそう）は、アニメ『機動戦士ガンダム』シリーズ作品の舞台となった架空の戦争の名称。作品中の勢力であるスペースコロニー国家・ジオン公国が地球連邦政府からの独立を果たすため宣戦布告したことにより始まり、それから約1年後にジオン公国が敗北した事によって終結した。
ガンダムシリーズ第一作の『機動戦士ガンダム』は、この戦争の後半期を描く作品である。
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[編集] 背景
宇宙世紀元年以降、人口爆発の解決策としてスペースコロニーへの移民が行われ、一年戦争開戦前までの時点で総人口110億人のうち約半数がスペースコロニーに移住していた。スペースノイドと呼ばれる宇宙移民たちの間には、地球連邦の特権階級が地球を私物化し自分たちを支配しているという不満が鬱積していた。これに応えるかのように思想家ジオン・ズム・ダイクンが現れ、スペースノイドの間から「人類の革新『ニュータイプ』」が生まれると説き、コロニー群の一つで月の裏側に位置するサイド3の独立運動を行った。ジオン・ダイクンは志半ばで変死（毒殺の可能性大）、替わってデギン・ソド・ザビがサイド3をジオン公国として成立させる。デギンの長子ギレン・ザビはジオン・ダイクンの思想を先鋭化してスペースノイドを扇動し、暴力的な手段による人類の大規模な粛正（どちらかと言えば粛清に近い）と支配とを目論んでいた。さらに地球連邦軍に対する劣勢を克服する手段として、強力な電磁波妨害能力を持つ「ミノフスキー粒子」と、機動性と汎用性に優れた人型有人機動兵器「モビルスーツ」を軸に軍備増強を推し進めていた。
一方、ジオン・ダイクンの遺児キャスバル・レム・ダイクンは、シャア・アズナブルと名乗ってジオン公国軍の士官となり、ザビ家への復讐の機会を伺っていた。
[編集] 戦歴
(詳しい方、年表をお願いします！)
- 0079年 1月 3日：ジオン公国が、地球連邦に対して宣戦布告する。布告後、連邦軍に攻撃、月面都市グラナダを制圧。攻撃・制圧終了後、サイド1・2・4へ奇襲敢行。
- 0079年 1月 4日：サイド2のコロニー、軌道を外れて地球へ落下（＝ブリティッシュ作戦）。
- 0079年 1月10日：コロニー「アイランド・イフィッシュ」、オーストラリア大陸シドニーを直撃（これまでの戦いを一週間戦争）。
- 0079年 1月11日：サイド6、中立を宣言（1月17日の異説あり）。
- 0079年 1月15～16日：サイド5宙域にて、ルウム戦役が行われる。この結果、連邦軍の8割が壊滅。レビル将軍は捕虜となる。
- 0079年 1月17日：ジオン公国軍、プロパガンダ放送を使い、捕虜となったレビル将軍を全地球圏に公開。
- 0079年 1月22日：連邦軍、極秘裏でレビル将軍奪還作戦を開始する。
- 0079年 1月28日：ジオン公国軍、サイド6を通し連邦政府に休戦条約を打診。
- 0079年 1月31日：ジオン公国、連邦政府に休戦条約を交渉会談開始する。調印前に捕虜となっていたレビル将軍がジオン本国を脱出し、ジオン軍の内情を暴露する「ジオンに兵なし」を演説。これにより休戦条約から軍事条約（＝南極条約）のみへ変更され、公国軍は地球侵攻作戦を開始。
- 0079年 2月 7日：公国軍、地球侵攻作戦を本格的発動。
- 0079年 3月 1日：バイコヌール宇宙基地に宇宙基地制圧隊が降下（第1次降下作戦開始）。
- 0079年 3月 4日：オデッサに、公国軍資源発掘隊が降下。
- 0079年 3月13日：公国軍、第2次降下作戦にてキャリフォルニア・ベースを無血制圧。
- 0079年 3月18日：公国軍、第3次降下作戦にてオセアニア制圧。
- 0079年 4月 1日：連邦軍、V作戦及びビンソン計画を発動。
- 0079年 9月18日：公国軍偵察部隊、サイド71バンチに侵入。同所にて史上初のMS同士の戦闘が行われる。ホワイトベース、サイド7を出港。
- 0079年 9月20日：ホワイトベース、ルナツー入港。
- 0079年 9月22日：ホワイトベース、ルナツー出港。
- 0079年 9月23日：ホワイトベース・コムサイ・ガンダム大気圏突入。ジオン勢力圏の北米大陸に降下。
- 0079年10月 1日：ホワイトベース、マチルダ率いるミデア輸送隊と接触。
- 0079年10月 4日：シアトルでの戦闘にてガルマ・ザビ大佐戦死。
- 0079年10月 6日：サイド3ズム・シティーにてガルマ・ザビ国葬。
- 0079年10月30日：公国軍、マッド・アングラー隊創設。
- 0079年10月 6日～11月 6日：ホワイトベース、ランバ・ラルの部隊と数度にわたり交戦（ラルの自決は11月5日で、最後の戦闘は11月7日以降とする説もあり）。
- 0079年11月 7日：ホワイトベース、黒い三連星と交戦、これを撃破。オデッサ作戦開始。
- 0079年11月 9日：オデッサ作戦終了。公国軍、鉱山基地を放棄。残党部隊各地へ逃亡。
- 0079年11月18日：ホワイトベース、ベルファスト基地に入港。
- 0079年11月21日：公国軍諜報員107号（＝ミハル・ラトキエ）、ベルファスト基地よりホワイトベースに潜入。
- 0079年11月22～24日：ホワイトベース、大西洋上にてマッド・アングラー隊と交戦。
- 0079年11月27日：ホワイトベース、ジャブローに到着。
- 0079年11月30日：シャア・アズナブル大佐率いるマッド・アングラー隊、ジャブロー入り口を発見。キャリフォルニアより部隊を派遣させることで公国軍、ジャブローに対して攻撃を始める。工作部隊MS工場を破壊するが失敗。突入部隊もほぼ全滅。
- 0079年12月 2日：ホワイトベース宇宙へ発進。
- 0079年12月 3～5日：ホワイトベース、公国軍キャメルパトロール艦隊と交戦、これを撃破。
- 0079年12月15日：連邦軍、アフリカ及び北米大陸における大規模な公国軍掃討作戦を開始。
- 0079年12月24日：連邦軍、ソロモン攻略戦を開始し翌日制圧完了、ドズル・ザビ中将戦死。制圧後、名称をコンペイトウに変更。
- 0079年12月25日：コンペイトウ宙域の連邦軍艦艇に対する断続的攻撃が発生。ギレン・ザビ総帥、デギン・ザビ公王よりソーラ・レイ計画の認可を受ける。
- 0079年12月30日21時05分：公国軍、ソーラ・レイ発射。デギン公王、レビル将軍死亡。連邦艦隊3分の1壊滅
- 0079年12月31日
- 0時00分：連邦軍、星一号作戦の強行を決定。
- 5時00分：連邦軍、残存艦隊の再編を完了。
- 8時10分：連邦軍、パブリク級突撃艇による第1波攻撃を開始。ア・バオア・クー攻略戦開始。
- 9時25分：司令室において、キシリア・ザビ少将がギレン総帥を射殺。
- 9時40分：ア・バオア・クー防衛宙域Nフィールドにて、公国軍ドロス級大型空母1番艦「ドロス」撃沈。
- 10時10分：同じく防衛宙域Sフィールドにて、公国軍ドロス級大型空母2番艦「ドロワ」撃沈。一部の部隊、暗礁宙域・小惑星に向かうため戦線離脱を開始。
- 12時05分：キシリア少将、ア・バオア・クーから脱出を計るも、乗艦していたザンジバル級機動巡洋艦が撃沈。キシリア少将死亡、ザビ家は事実上壊滅。
- 18時00分：ジオン公国ダルシア・バハロ首相、デギン公王生前からの内密の依頼にて公国を共和制に移行。サイド6を通じて地球連邦政府へ終戦協定の締結を打診。
- 0080年 1月 1日15時00分：月面都市グラナダにて、連邦政府とジオン共和国の間に終戦協定が結ばれる。
[編集] 一年戦争開戦
[編集] 一週間戦争
宇宙世紀0079年1月3日午前7時20分、ジオン公国は地球連邦に対し突如宣戦を布告する。その直後、ジオン軍のドズル艦隊モビルスーツ(MS)部隊は、サイドに駐留する連邦艦隊に攻撃。キシリア艦隊モビルスーツ(MS)部隊は、月面都市グラナダを制圧。各軍攻撃・制圧終了後、連邦側に立ったサイド1、2、4の各スペースコロニーを急襲。住民をNBC兵器で虐殺し、その際にサイド2のコロニー1基を地球に墜落させ、未曽有の被害をもたらすこととなった（ブリティッシュ作戦及びコロニー落とし）。この1月10日までに行われた戦いは特に一週間戦争と呼ばれ、全人類110億のうち30億人が死亡したといわれる。
[編集] ブリティッシュ作戦
ブリティッシュ作戦の名は、植民地（コロニー）を喪失したことで大英帝国が衰退した故事にちなんだものとされる。
南アメリカ大陸のジャブローにある地球連邦軍総司令部は、天然の地下空洞を利用した難攻不落の大要塞であった。ジオン公国はこれを撃滅する方法としてコロニーを落下させる事を決定。宇宙世紀0079年1月4日、サイド2の第8番コロニー「アイランド・イフィッシュ」を正規の軌道から離脱させ、核パルスエンジンを装着して地球へ落下させるコースへと移動させた。
落下目標はジャブローであったが、落下軌道をとるコロニーに対して連邦軍はティアンム艦隊による直接攻撃や地上からの核ミサイルの発射など迎撃をくわえ、コロニーをアラビア半島上空で崩壊させジャブローへの直撃だけは阻止することに成功した。
1月10日、コロニーの残塊が相次いで地球に墜落。3つに崩壊したコロニーの前部分はオーストラリアのシドニーに（アニメ『機動戦士ガンダム』冒頭で描かれているシーンはこの部分である）、残りの部分の3分の1はバイカル湖、3分の2は北米大陸にそれぞれ落着することとなった。
これによってオーストラリア大陸の16%が消滅し(シドニー湾と呼ばれる直径500kmのクレーターができた)、崩壊の際に発生した無数の破片は地球全土に降り注いだ。そして2次被害として衝撃波や津波、気象変動などが発生し、地球に対して長年にわたって多大な悪影響を及ぼし続けた。また、地球の自転速度すら速められたと言う。（1時間あたり約0.1秒加速）
[編集] ルウム戦役
先の一週間戦争では、ジャブローの破壊という最大の目標を果たせなかったため、ジオン軍はコロニーのジャブローへの落下を再度目論み、それまで攻撃をかけていなかったサイド5（ルウム）へ狙いを定める。連邦側はこの情報をキャッチし1月15日、出撃可能な艦艇をかき集めジオン軍に総力戦を挑んだ。
ジオン軍はサイド5第11番コロニー「ワトホート」に対して核パルスエンジンを装着中であったが、その作業部隊を護衛するために貴重な戦力を振り分けなければならず、苦戦を強いられる。痺れを切らしたジオン軍は核パルスエンジンの装着を断念し、全部隊を連邦艦隊の攻撃に差し向ける事となる。
戦力比はジオン１に対し連邦３。しかし宇宙戦艦と戦闘機のみで構成された連邦軍はジオンのモビルスーツに対して有効な迎撃手段を持たず、徐々に連邦側が押されていく。更には、レビル将軍の乗艦する旗艦・マゼラン級戦艦アナンケが大破。レビル将軍は脱出の際、ジオンのモビルスーツ部隊「黒い三連星」の乗るザクIに拿捕され、捕虜となってしまう。結局この戦いは、そのままジオン軍が三倍の戦力差をモビルスーツの活用により跳ね返し、連邦軍宇宙艦隊はほぼ壊滅。連邦軍は記録的な大敗と共に最早宇宙でジオン軍の大規模行動を阻止することは不可能になった。しかしジオン軍側の損耗も激しく、コロニー落としに関する作業も中断されたままとなった。
また、この戦いの際にシャア・アズナブル（当時中尉）が自身のパーソナルカラーである赤に塗装されたザクIIに搭乗し、地球連邦軍の戦闘艦艇5隻を撃沈するという戦績を上げている。これにより彼は二階級特進して少佐となった。それ以後、シャアは自機のパーソナルカラーから「赤い彗星」と呼ばれ、連邦軍に恐れられる事となる。
[編集] 膠着状態
[編集] 南極条約の締結
緒戦の圧倒的な勝利を後ろ盾に、ジオン公国は地球連邦に休戦条約を持ちかける。内容は事実上の降伏勧告であったが、連邦にはこれ以上の抗戦を行う戦力が残っておらず、条約をのむしかないと思われた。しかし、レビル将軍がジオン本国からの脱出に成功し（影武者説あり）、条約締結のための会合が開かれていたそのときに全地球規模の演説を行い、連邦以上にジオン軍も疲弊していることを訴える（「ジオンに兵なし」演説）。会合に出席していた連邦首脳は徹底抗戦を決意。このとき結ばれた南極条約は戦時条約に留まる結果となる。
[編集] 地球侵攻作戦
独立を認めさせることができず、長期戦になると判断したジオン軍は速やかに地球侵攻作戦を展開。2月7日に侵攻作戦を本格的に発動。中旬から月面から地球に向けてマスドライバーでの攻撃を実施し、目的基地の対空防衛を弱体化した。3月1日に宇宙基地制圧隊、3月4日に資源発掘隊を第一次降下作戦にて天然資源の多いカスピ海及び黒海沿岸部、コーカサス地方のオデッサ・バイコヌールに降下し占領する。3月11日第二次作戦では北米大陸に降下し、これを占領。このとき、キャリフォルニアベースで鹵獲したU型潜水艦数隻を改修してユーコンとし、ハワイ攻略作戦で多数が使用された。3月18日第三次降下作戦では、アジア・オセアニアに降下し、アジアの拠点の一つペキンを占領。さらに別の作戦でアフリカ・キリマンジャロも手中に治めた。2月から3月までの三度ほどHLV（大気圏内外への輸送機）による戦力降下をおこない、地球の約3分の2がジオンに占領される。
この後、連邦・ジオン共にこれまでの作戦で疲弊しており、大きな衝突は起きず各地で小競り合いが発生するのみであったが、水面下でジオン側はモビルスーツや陸上部隊、航空部隊の戦力増強や新型モビルスーツ・拠点攻略及び防衛用モビルアーマーの開発を行う。一方の連邦側では、レビル将軍は大艦巨砲主義にこだわり続ける反対勢力を振り切り、モビルスーツに対抗するためのV作戦を4月1日発動。モビルスーツの開発であるRX計画と一週間戦争及びルウム戦役で失われた艦隊再編の為のビンソン計画を発動させ、戦力の増強と一大反抗作戦のチャンスを狙っていた。
[編集] 連邦軍の大反抗作戦（主にアニメで描かれた部分）
[編集] サイド7遭遇戦
9月18日、地球連邦唯一の宇宙基地であったルナツーに近いサイド7にて、極秘にテストを行っていた連邦の試作モビルスーツ群が、シャア・アズナブル少佐麾下のモビルスーツによる偵察部隊に発見され襲撃を受ける。この時、RX計画によって試作されていた機体の多くを破壊されるが、試験のため稼働待機状態にあったモビルスーツ「ガンダム」に、偶然民間人の少年アムロ・レイが乗り込み、ザクII2機を撃破。その後搭載モビルスーツの母艦であったホワイトベースは残存する試作モビルスーツ三機（ガンダム、ガンキャノン、ガンタンク）とサイド7の難民を載せ、正規乗組員の大半を失った（残った兵士は訓練兵や下士官、民間人の協力者）状態でルナツーへ出航する。
[編集] ホワイトベース隊の活躍・オデッサ作戦
ホワイトベースは、その後ルナツーから地球へ、そして地球各地を転戦し、先々で戦果を挙げる。北アメリカ大陸にてザビ家の末子ガルマ・ザビを討ち取り、中央アジアではガルマの仇討ちとして追撃する「青い巨星」ことランバ・ラルの率いる部隊を全滅させる。そしてオデッサ近郊では黒い三連星のモビルスーツ部隊を撃破した。
ジオンが占領していたオデッサでは、ホワイトベース隊が黒い三連星と対峙していた頃に連邦軍がオデッサ作戦を発動。アジア・ヨーロッパ・アフリカ方面軍の航空機や陸上機の戦力を結集しジオン軍の3倍を投入、包囲網を突破しながらも徐々に基地に近づき3日に渡る作戦でオデッサを奪回する。ジオンは物量の差により宇宙や東南アジア・アフリカ・キャリフォニアへ退却を余儀なくされるが、この後退の際にジオンのマ・クベやユーリ・ケラーネなど一部の司令官は南極条約で禁止された核兵器を使用している。
[編集] ジャブロー上陸作戦
ホワイトベースは、北アイルランドのベルファストを経由して南米のジャブローへ向かうが、ジオン側はシャア・アズナブルが送り込んだ工作員によりホワイトベースの行き先を知っており、シャア指揮下の潜水艦隊マッドアングラー隊に尾行させつつジャブローへ戦力を集める。そしてホワイトベース入港によりジャブローの正確な位置及び侵入口が明らかになったため、ジオン軍はオデッサ作戦での敗北以降劣勢となっていた地上での軍事バランスを一発逆転すべく、地上軍を大量投入したジャブロー攻略を決断する。
11月30日、ジオン軍はザクやグフ、ドムなどのモビルスーツを大量に降下させ地上から攻撃する一方、水陸両用モビルスーツからなる工作隊がジャブローの奥に侵入、完成したばかりの量産型モビルスーツ・ジムの工場に時限爆弾を設置するが失敗に終わる。またジャブロー側の抵抗も激しく、投入したモビルスーツ部隊もシャアの駆るズゴックを除く殆どが撃破され、ジオン軍は撤退する。
オデッサ作戦敗北、そしてこのジャブロー攻略の失敗により、ジオン地上軍は戦力を大幅に喪失。地上での劣勢は決定的となり、以降は守勢に回らざるを得なくなる。
その後、連邦側はビンソン計画により建造していた戦艦群を大量に宇宙へ打ち上げる。宇宙における一大反抗作戦のための戦力である。
[編集] チェンバロ作戦（ソロモン攻略戦）
12月24日、連邦軍は、ホワイトベースを始めとする数隻の艦艇をおとりに使って本隊の侵攻ルートを隠すという用意周到な準備の後、ジオン軍の宇宙要塞ソロモンへ侵攻する。連邦軍はこの戦いでソーラ・システムを使用。巨大な凹面鏡で日光を一点に集めるという、太陽炉の原理を応用した原始的なものだったが、ジオン軍は正面の第3艦隊（おとり艦隊）に気をとられソーラ・システムや第2艦隊に気付かなかったのと、キシリアの救援を拒否していた。その結果、ソーラ・システムの照射を浴びてソロモンのゲートが大破しジオン軍は甚大な被害を受け、ソロモンの司令官ドズル・ザビ中将はソロモンの放棄を決定する。その後ドズル・ザビは自らモビルアーマー ビグ・ザムに搭乗し出撃。ソロモンから脱出する艦艇の時間稼ぎのため連邦軍部隊を奇襲し、ソロモン攻略部隊司令のティアンム大将の乗艦を撃沈するもビグ・ザムは撃破されドズル・ザビは戦死、ソロモンは陥落する。
[編集] ソーラ・レイ照射
地球連邦軍はソロモンを占領し、コンペイトウと名付けここを足がかりとして次の「星一号作戦」に備える。一方、ジオン軍の総帥ギレン・ザビはサイド3のコロニーの一つ「マハル」を改造させ、コロニーレーザー（1基のコロニーそのものを巨大なレーザー兵器に転用）「ソーラ・レイ」に改造する。ジオンの名目上の指導者となっていたデギン・ソド・ザビ公王は、ギレンの暴走を懸念し和平のため連邦と接触を図る。レビル将軍麾下の艦隊がデギン公王の乗艦「グレート・デギン」と接触した頃、ギレンがソーラ・レイの発射を指示。目標をあえてデギン公王の艦のある場所へ向けさせ、集結の途上にあった連邦第1艦隊の3分の1ほどと共にこれを殲滅する。これによりレビル将軍とデギン公王は死亡、またソーラ・システム・ミラーを搭載していた輸送艦も消滅してしまう（12月30日）。
[編集] 星一号作戦（ア・バオア・クー攻略戦）
12月31日、連邦は混乱の中艦隊を再編。本来は宇宙要塞ア・バオア・クーをやり過ごし直接サイド3本土に侵攻する作戦だったが、機密とされた作戦内容を知る現地最高指揮官であるレビル将軍が戦死。連邦軍本部はソーラ・レイを再度使用される事を恐れ、迅速且つ決定的な戦果を得る為、作戦時間を大幅に繰り上げてア・バオア・クーに目標を変更した。ア・バオア・クーは月面基地のグラナダとともにジオン本国防衛の最後の拠点であることから、ギレン・ザビは妹キシリア・ザビと共にここで直接指揮を執り、この戦闘は両者の総力戦となった。
連邦はソーラ・レイの被害を受けなかった第2、3艦隊を正面に向かわせ、減少した第1艦隊とホワイトベースを反対側にまわさせた。当初ジオン軍が有利となっていたが、司令室にて父親殺しの大罪を犯したとしてキシリアがギレンを殺害。その際に生じた指揮系統の混乱を突かれてジオン軍は崩れはじめる。激戦の中、ジオン側防衛の基点である2隻のドロス級大型空母（ドロス、ドロワ）が撃沈。熟練不足の学徒動員の投入により場を凌げなかったのも敗北の原因となる。さらにア・バオア・クー中枢部の火災により電源の供給がストップ。また、ギレンの死や敗北が濃厚となったと判断した部隊が戦局から離脱をしたことで戦力が大幅に下がった。これによりア・バオア・クーは沈黙する。ザビ家最後の指揮官であったキシリアも脱出準備中にシャアにより殺害される。これによりザビ家は事実上滅亡、ジオン軍は壊滅状態となった。一方の連邦軍も投入した戦力のほとんどをこの時点で使い潰してしまう。ホワイトベースとその搭載モビルスーツ隊もア・バオア・クーに突入の末撃破されるが、乗組員たちはかろうじて脱出に成功した。
[編集] 終戦
宇宙世紀0080年1月1日、指導者であったザビ家一党を失ったジオン公国は、議会により共和国としての体制を整え、地球連邦と終戦協定を結ぶ。これにより一年戦争は終結した。しかし、開戦前に110億だった人口は55億に減少し、地球はコロニー落下の影響により異常気象に見舞われ、宇宙ではサイド3、中立によって戦火を免れていたサイド6、不可侵とされていた月の各都市以外は壊滅的な打撃を受けた。
ジオン軍の多くは拠点を失い連邦に投降するが、投降せず戦力を維持したまま逃亡、潜伏する者達も数多くいた。地球上に残った者達はアフリカなどでゲリラ化し、残存艦隊の一つデラーズ・フリートは宇宙の暗礁空域（戦争により壊滅したサイドのあった宙域）で戦力を保持したまま潜伏する。シャアをはじめとするグループは小惑星帯の宇宙要塞アクシズにドズルの娘ミネバ・ラオ・ザビを伴って逃亡し、それぞれ捲土重来の機会を窺うこととなった。宇宙世紀0083年のデラーズ・フリートの蜂起や、0088年のハマーン戦争（第一次ネオ・ジオン抗争）、0093年のシャアの反乱（第二次ネオ・ジオン抗争）など、ジオン派の武装勢力による争乱はその後も繰り返されることになる。
