レオ・マッケリー

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レオ・マッケリー(Leo McCarey, 1898年 10月3日-1969年 7月5日）は、アメリカ合衆国の映画監督。

ロサンジェルス生まれ。最初法律家を目指したが挫折、ソング・ライターの夢も果たせなかった。1918年ユニヴァーサル映画に入社。スクリプト係、助監督をへて監督に昇進するが、再び助監督に降格となり5年間を過ごす。1923年-1928年にはハル・ローチのスタジオでチャーリー・チェイスやローレル&ハーディのコメディを手がけた。1929年RKOパテに移り、"Red Hot Rhythm"（1929）を演出。その後はフォックス映画で『極楽島満員』（1930）などを、パラマウントではエディー・カンターの『カンターの闘牛士』（1932）、マルクス兄弟の『我輩はカモである』（1933）、ハロルド・ロイドの『ロイドの牛乳屋』（1936）他多数のコメディ映画を世に送り出した。生涯では分かっている作品だけでも170本前後である。

1937年、生前の本人がベストとしてあげた『明日は来らず』、アカデミー監督賞を獲得した『新婚道中記』、1944年には『我が道を往く』で2度目の監督賞に輝いた。

サンタモニカの病院で肺気腫のため世を去った。

[編集] 彼の作品

ロサンジェルス生まれのレオ・マッケリーは、フランク・キャプラと並び、第二次世界大戦前に最も人気があり、しかも成功したコメディ映画の監督であった。しかしながらキャプラに対して、マッケリーは第二次世界大戦後も成功が続き、そしてキャプラのように、1990年代の映画制作者にも未だに影響を与え続けた。本当は弁護士になりたがっていたのに、マッケリーは遠回りながらも、彼の映画界の生活は、トッド・ブラウニングの助手からスタートした。1920年代は、彼はハル・ローチ・スタジオのギャグ・ライター兼監督になり、2年間で副社長まで出世した。ローチ・スタジオではスタン・ローレルとオリヴァー・ハーディを初めてコンビとして組み合わせて、このコンビは最も長続きしたコメディアンとなった。監督としては1930年代驚異的なペースで作品を撮りまくっていた。彼は脚本家、製作、映画監督の一人3役をこなしており、この1930年代最も影響を受けたコメディの一群を出し続けた。『ロイドの牛乳屋』（1936）、『人生は四十二から』(1935)、『新婚道中記』（1937）を含む一連の作品でアカデミー賞を山ほど獲得した。

ただ反面、彼の作品には真面目な所があり、彼はカトリックの信者でもあり、社会問題にも深く関わった。『明日は来らず』 (1937)はそういった類の作品であった。高齢者が追放されるという革新的な内容である。1940年代、彼は戦争に関してより真剣に人間の品位というものを掘り下げていった。第2次世界大戦後で、彼の作品がより人気が出てきたにも関わらずである。ビング・クロスビーとバリー・フィッツジェラルド主演の『我が道を往く』(1944)での利益の分かち合いというテーマでも、1944年米国内最も収益が上がった映画であり、またその前編にあたる『聖メリーの鐘』は自分のプロダクションで制作したにも関わらず、同様に成功した。

戦後、マッケリーの作風は暗くなり、観客の反応も否定的であった。『マイ・サン・ジョン/赤い疑惑』(1952)は大げさな反共産主義の痛烈な非難である作品であり、興行的にも失敗した。しかし、5年後彼が共同脚本と制作、監督を兼任した『めぐり逢い』 (1957)は、ロマンティック・コメディで、1993年のヒット作『めぐり逢えたら』(1993)の原作になり、制作当時より36年後の遙かに若い観客層まで取り込むことに成功した。マッケリーは、もうこの次の成功はなく、次の10年間は活動していなかった。フランク・キャプラと比較されるように。遺作『誘惑の夜』(1962)もただ反共主義に凝り固まった失敗作である。