テレマークスキー

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テレマークスキー

テレマークスキー (Telemark ski) は、19世紀後半に、ノルウェー南部のテレマーク (Telemark) 地方を中心につくられたスキースタイルのこと。日本では一時期、アルペンスキー隆盛により忘れ去られていたが、1970年代のクロスカントリースキーの流行とともにクロスカントリー用の板で斜面を滑降する技術として復活した。現在では、冬季オリンピック競技のクロスカントリーやノルディックコンバインド（複合）で有名である。ノルディックスキーの一種もしく別名として使われることが多い。

テレマークスキーと言ったとき、二つの意味があり、上に述べたスキースタイルとスキー用具両方であるが、スタイルは用具と密接に関わっているため、テレマークスキー用具の特徴とそれによって決まってくるスキースタイルについて説明する。

[編集] テレマークスキー板とビンディング

用具としてのテレマークスキーは、アルペンスキーと対照的に、スキー板につま先だけが固定されるビンディングと屈曲するブーツを使っていて、かかとを浮かす事ができるのが特徴である。すなわち、アルペンスキーと異なり、歩きやすい構造になっている。そのため、山岳スキーで採用されやすいスタイルであり、従来は、細長く軽量な板が主流だったが、最近はアルペン同様に短く幅広の板が主流である。レースなどではアルペンのレース用の板にテレマーク用の金具を付けて居るケースも見かけられる。かかとが浮くため、滑る技術は、アルペンスキーとはまったく異なっており、外見上も明らかに滑り方が違っている。ターンに際し安定を得るため、足を前後に開き、谷足が前で山足は踵を上げて拇指球（親指の付け根）で加重する形がをとる。この滑り方、技術（テレマークターン）が狭義のテレマークスキーである。

一方、同じかかとが浮くスキーでも、スキージャンプは、飛んでいる時の安定と滑走時の加速のため、スキー板は非常に大きく重いものに進化してきたので、テレマークスキーとは大分異なるものとなっている。

[編集] 周辺道具

主に、山岳スキーで使われるため、以前はスキー靴も登山靴に近いもので歩きやすいものが主流であったが、スカルパ社のターミネータ以降プラスチックブーツが主流となり、滑り主体のモデルも多く、革靴は少数派となっている。プラスチックブーツの場合屈曲可能にするため甲の部分を蛇腹状にしている事と、ビンディング取り付けのためコバが長く前方に突き出ている事が外見上の特徴となっている。登山時には、クライミングスキン（一般にシールsealと呼ばれる）という皮状のものをスキー板の底面に装着して滑らないようにして登る。シールはその名の通りアザラシの皮の意味であるが、現在では合成樹脂による類似品を用いている。また、ストックも雪面に応じて長さが変えられるものが山岳スキーに於いては主流である。ゲレンデではアルペンと同様のものを使っているケースも多い。このように、周辺用具もアルペンスキーと大分異なるため、スキー用品店とは言ってもテレマークスキー用品を扱っているところは少なく、登山用品店やテレマークスキー用品専門店でしか求められないことが多い。