シムーン (アニメ)
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シムーン (Simoun) | |
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テレビアニメ | |
監督 | 西村純二 |
アニメーション制作 | スタジオディーン |
製作 | シムーン製作委員会 |
放送局 | テレビ東京他 |
放送期間 | 2006年4月3日 - 2006年9月25日 |
話数 | 全26話 |
シムーン (Simoun) はスタジオディーン制作の日本のアニメ作品。テレビ東京:2006年4月3日 - 2006年9月25日、全26話。ハイビジョン制作。
目次 |
[編集] 概要
百合アニメを謳ってスタートした作品だが、百合色はさほど前面に強く押し出されることはなく、むしろその特異な世界設定や、ステレオタイプでないキャラクターとその人間関係、ストーリーの奥深さ、さらに飛空挺「シムーン」の神秘性などが大きな魅力となった。また、アニメ作品には珍しくBGMとしてタンゴが流されることが多く、アストル・ピアソラの『リベルタンゴ』をイメージしたというその旋律が独特の雰囲気を醸し出している。
「人は全て女性として生まれてくる」という世界設定はキャスティングにも影響を及ぼし、女性キャラクターのみならず、性別選定後の男性キャラクターまでをも、すべて女性声優が演じている。中高年の男性キャラクターからも、いかに声色を低めているとは言え、例外無く女性の声が発せられる為、当初は違和感を覚えた視聴者も少なからずいた。
シムーンや艦船などのメカデザインは、企画時点からとにかく他に類を見ない造形にしようとの思惑があり、結果として大変に特異な形状となった。取り分け、作品の中心的存在となるシムーンに関しては、機体ごとに僅かずつデザインが異なり、一つとして同じデザインは無いという徹底したものとなった。
[編集] ストーリー
舞台は大空陸(だいくうりく)という名の世界。ここでは人類は全て女性として生まれ、17才になった時、自らの意思で性別を選んで成人する。
大空陸にある宗教国家・シムラークルム宮国には、人々の信仰の対象である神テンプスパティウムに仕える巫女達がいた。彼女達はテンプスパティウムの加護を受けた聖なる遺物ヘリカル・モートリスを搭載した飛行艇・シムーンに2人1組で乗り込み、空に紋章(リ・マージョン)を描き、神に供えるのだ。
ある時代、シムラークルム宮国に隣国が攻め入る。彼らはシムーンとそれに搭載される神秘のエンジン、ヘリカル・モートリスの力の秘密を欲し、手中に収めようとしているのだ。宮国は火急の危機に際して苦渋の決断をする。それはシムーンを戦うための戦闘兵器として利用すること──。
シムーンを操れる巫女シムーン・シヴュラになれる者は性別選択前の少女に限られており、その決断は巫女たちを大人にさせず、常に死の危険に晒す事を強要する事でもあった。
美しく大空を舞う巫女達は戦士となり国を護る。ある者は生き残るため、またある者は空を飛び続けるために。少女である事を運命付けられた巫女達の終わりなき戦いは、今日も続く…。
[編集] キャラクター
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] コール・テンペスト
- アーエル(声:新野美知)
- コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。本作の主人公。戦闘において欠員が生じたコール・テンペストに補充人員として配属されて来た。もともと、シムーン・シヴュラにはなれない農家の家系の出身だが、卓越したシムーンの操作技術を見込まれたものと思われる。何らかの理由により、本人は泉行きを拒んでおり、優れたシムーン・シヴュラであり続けるためにコール・テンペストのレギーナ、ネヴィリルのパルになることを希望している。本物の巫女では無いからか、所々で周囲を驚かせるような行動や発言を繰り返すが、戦闘における選択や判断、意見はかなり的確で的を射ていると言って良い。
- ネヴィリル(声:高橋理恵子)
- コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。コール全体を統括するレギーナでもある。司政官であるハルコンフの子で、シヴュラや国民からシヴュラ・アウレアと呼ばれ尊敬される容姿端麗な少女。アムリアのパルとしてアウリーガを担っていたが、翠玉のリ・マージョン失敗によりアムリアが行方不明になって以降、シヴュラとして飛ぶことを拒絶し、誰ともパルを組むことも望まなかった。しかし、ある事件を契機にアーエルとパルを組むことになる。
- パライエッタ(声:小清水亜美)
- コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。ネヴィリルとは子供の時からの幼なじみ。常日頃からネヴィリルに付き添い、傍で支えてあげている。また、ネヴィリルがシヴュラとしての役目を放棄して以降、コール・テンペストをまとめる役目も担うことになる。アーエルの登場により、ネヴィリルから遠ざかって行く自分を疎ましく思うようになる。
- カイム(声:細越みちこ)
- コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。同コールのアルティは自身の妹である。過去にアルティと何かあったらしく、微妙に距離を置いて生活している。サジッタとしてパルを組んでいるパライエッタを「パラ様」と呼び、好意を抱いている。一人称は「ボク」。
- アルティ(声:豊口めぐみ)
- コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。同コールのカイムは自身の姉である。カイムに恋愛にも似た感情を抱いており、常にカイムのためを思って行動している。パルを組むフロエは良きパートナーだが、ふざけているフロエに対しては常にクールな態度をとる。
- リモネ(声:能登麻美子)
- コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。シヴュラとしてはかなり幼い年齢だが、優秀な成績を修めていたいたため、アーエルとほぼ同時期にコール・テンペストへ配属された。お菓子が好きなど、まだ幼い面が残るが、リ・マージョンを描く能力には人一倍秀でている。何度かパルを変えたが現在はドミヌーラと組んでいる。
- ロードレアモン(声:高橋美佳子)
- コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。過去に多くのシムーン・シヴュラを輩出した名家の出身で、周囲のシヴュラからは「お嬢様」と呼ばれている。毒舌にも似た直球な発言をするが、本人に相手を傷つける意志はない。現在はモリナスとパルを組んでいる。
- フロエ(声:相澤みちる)
- コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。無邪気で、かなりのおしゃべり。戦闘においては好戦的な性格で果敢に敵を追い詰める。不思議な空気を発するアーエルに好意を抱いて、パルを組もうと誘ったが、断られている。惚れっぽい性格で以前はアルクス・プリーマの整備士・ワポーリフとも恋愛関係にあった。パルのアルティとは信頼しあえる仲。
- モリナス(声:水樹奈々)
- コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。アーエルやリモネと同じく補充人員として配属されて来た。純粋にシムーンに乗ることが大好きで、そのためにシヴュラになったと言ってもよい。そのため、彼女自身、自分がテンプスパティウムに仕える巫女であるとは言えないと語っている。シムーン好きが講じて、整備場への出入りも多いことから、整備士ワポーリフとはかなり親しい間柄になっている。
- ドミヌーラ(声:ゆかな)
- コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。コールの統率がパライエッタだけでは不足とされたのか、テンペストに補充人員として配属されて来た。テンペストのシヴュラの中でも最年長で、何所か不思議な雰囲気を持つ。政府の高官達と直接に繋がっているらしい。パルには最年少のリモネを選び、彼女が閉じ込めていた真の力を目覚めさせることになる。
- マミーナ(声:森永理科)
- コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。補充人員としてユンと共にアルクス・ニゲルのコール・イグニスから配属されて来た。アーエルと同じく身分が低く、本来シヴュラになれない家系だったが、故郷の村が攻撃された際の戦闘を契機にその能力を開花させることとなった。幼いころ、両親がロードレアモン家で使用人として務めており、ロードレアモンに対して、身分の差から複雑な感情を抱いている。
- ユン(声:名塚佳織)
- コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。補充人員としてマミーナと共にアルクス・ニゲルのコール・イグニスから配属されて来た。同志であるシヴュラの死を多く見届けてきたこともあり、シヴュラに対して追悼の念が強い。戦争を嫌っている反面、散って行った仲間達への申し訳なさからシヴュラをやめずに仕方なくシムーンに乗っている。そのため、誰と組んでも変わりないと本人も語るほど、あまりパルが一定していない。一人称は「オレ」という強めの印象だが、時たま「私」になったりと不明な点も多い。
- アムリア(声:喜多村英梨)
- コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。アーエルが配属される以前、ネヴィリルとパルを組んでいた。戦闘の最中、ネヴィリルに翠玉のリ・マージョンを行うことを発案、成功し掛けたところでネヴィリルに迷いが生じ、失敗。他の敵部隊と共に行方不明となった。アーエルと似て、自分を高みへ押し上げたいとする上昇志向を持っており、これにより、ネヴィリルはアーエルに自分を踏み台にされるのでないかと恐れている。
- エリー/エリフ(声:ゆかな)
- コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。アムリアが行方不明となった戦闘以後、同僚の死への恐怖からシヴュラをやめ、泉へ行くことを選択する。しかし、自身が性別を決める覚悟が無い中途半端な状態だったため、泉で男性となった時、後悔することとなった。シヴュラの当時はロードレアモンとパルを組んでいた。「エリフ」は男性化した後の名前。
- ヴューラ(声:早坂愛)
- コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。コール・ルボル解散後はメッシスに配属されており、マミーナの死後補充された。
[編集] その他
- グラギエフ(声:桑島法子)
- デュクスと呼ばれるアルクス・プリーマに所属する全てのコールを統括している人物。世話係とも呼べる。かつては自身もシムーン・シヴュラであった。
- アヌビトゥフ(声:木内レイコ)
- 空中母艦「アルクス・プリーマ」の艦長。冷静沈着で常に的確な指示を出す。かつては自身もシムーン・シヴュラであった。
- ワポーリフ(声:水沢史絵)
- アルクス・プリーマの整備士。日頃からシムーンの整備を行っているので、シムーンの構造に関しても詳しい。二年前に泉にて男性化。二年経った今でも少女であったことを忘れさせない体形の持ち主である。以前、フロエと恋愛関係にあった。シムーンを通じてモリナスとはかなり親しい間柄となっている。
- オナシア(声:玉川紗己子)
- 最高位の巫女。
- ハルコンフ(声:沢海陽子)
- 司政官で、ネヴィリルの父。
- アングラス(声:松来未祐)
- 隣国の巫女。隣国人では、巫女のみ宮国語を話せる。
- ワウフ(声:高乃麗)
- メッシスの艦長
サブキャラクターもすべて上記のキャストによるもの。またキャストはすべて女性である。
[編集] 用語
- シムーン
- シムラークルム宮国のみが有する、複座式飛行艇。「神の乗機」とも呼ばれる。ヘリカル・モートリスを動力とし、空中を自在に飛行できる。2人の搭乗者がテンプスパティウムに捧げる口づけを交わさなければ起動しない。
- シミレ・シムーン
- シムーンの練習用に開発された、単座式飛行艇。単に「シミレ」とも呼ばれる。ヘリカル・モートリスを模した装置を動力とし、シムーンにこそ劣るものの、かなり自在に飛行できる。
- ヘリカル・モートリス
- 太古の時代に作られた遺物で、テンプスパティウムの力を利用するための動力装置。シムラークルム宮国領土内の遺跡からしか出土せず、その機構も良く分かっていない。ただし、シムーンに用いられる2つのヘリカル・モートリスに関しては、一方が空間を、他方が時間をそれぞれ制御しているらしいことは明らかとなっている。
- シムーン球
- シムーンに搭載されている緑色の球体。前後2つの操縦席の間に位置する。リ・マージョンを行う際、この球体内にこれから描くべき紋章の図形が映し出される。
- テンプスパティウム
- シムラークルム宮国で神として信仰されている存在。翼の生えた柱の姿で象徴される。
- アニムス
- プルンブム嶺国で神として信仰されている存在。蝶の羽根の生えた柱の姿で象徴される。元来テンプスパティウムと同一の神であるとする説が有力。
- シムーン・シヴュラ
- テンプスパティウムに仕える巫女で、シムーンを操る資格を有する少女のこと。単に「シヴュラ」とも呼ばれる。性別の選定前である必要がある。
- シヴュラ・アウレア
- すべてのシムーン・シヴュラの内、最も優れた巫女に与えられる称号で「黄金の巫女」の意。
- コール
- 12人のシムーン・シヴュラが一組となり形成される部隊。戦争にシムーンが利用されることが決定されてから、シムーン・シヴュラたちが再編成されたもの。
- コール・テンペスト
- 最高のエリート部隊としてその名を馳せたコール。レギーナはネヴィリル。
- コール・カプト
- アルクス・プリーマに配属されていたコール。
- コール・ルボル
- アルクス・プリーマに配属されていたコール。
- コール・イグニス
- アルクス・ニゲルに配属されていたコール。
- コール・デクストラ
- ドミヌーラ、オナシア、アーエルの祖父が以前所属していたコール。「翠玉のリ・マージョン」を成功させる事のみを目的としていた。
- レギーナ
- コールのリーダーを務める者。
- アウリーガ
- シムーンの操縦者。シムーンの機首側操縦席に搭乗する。
- サジッタ
- シムーンのナビゲーター兼銃撃手。シムーンの機尾側操縦席に搭乗する。
- パル
- シムーンに乗る2人の搭乗者(パートナー)のこと。
- リ・マージョン
- テンプスパティウムに捧げる祈りとして、シムーンの放つ光の航跡によって空中に特定の図形(紋章)を描く行為のこと。またそうして描かれた紋章のこと。描き出された紋章には、テンプスパティウムの力の発露として様々な効果がある。太古の時代より受け継がれてきたが、今ではその意味や効果が忘れ去られてしまった紋章も多い。それらを再び解明することも、シムーン・シヴュラたちの使命の1つ。
- マージュ
- リ・マージョンの練習のこと。マージュ・プールで行う。足首に発煙器具を取り付け、紋章を描く。
- マージュ・プール
- マージュに用いられる円筒状の巨大空間。特殊な服を身に付けることでヘリカル・モートリスの作用を受け、円筒内の空中を飛行できる。
- アルクス・プリーマ
- シムーンの空中母艦の1つ。元は大型客船であった為、豪華な内装が施されている。
- アルクス・ニゲル
- シムラークルム宮国の艦船の1つ。黒い船体を持つ。
- メッシス
- アルクス・プリーマの修理中、コール・テンペストが配備されることになった艦船。元は貨物船だった。
- シムラークルム宮国(きゅうこく)
- 単に「宮国」とも。宗教国家。唯一、ヘリカル・モートリスが出土するため、これを手に入れようと企む周辺国家から侵略を受けている。国家の中心には宗教施設「テンプスパティウム宮」があり、その内部には性別を選定する「泉」がある。
- アルゲントゥム礁国(しょうこく)
- 単に「礁国」とも。シムラークルム宮国に侵攻する国家。工業の発達とともに大気汚染が深刻化しており、その打開策としてシムラークルム宮国のヘリカル・モートリスを狙う。
- プルンブム嶺国(れいこく)
- 単に「嶺国」とも。シムラークルム宮国に侵攻する国家。
これらの世界観を支える特殊な用語には、ラテン語を起源とする語が多く見受けられる。
[編集] 主要スタッフ
- 監督:西村純二
- 原作:小山田風狂子、篠吉祥、美原轟
- 脚本:小山田風狂子、大和屋暁、西村ジュンジ、岡田麿里
- キャラクターデザイン・総作画監督:西田亜沙子
- コンセプトデザイン:長濱博史
- メカデザイン:Jin Seob Song
- 美術監督:小林七郎
- 3DCG制作:CreativeField
- 音楽:佐橋俊彦
- 音楽制作:ビクターエンタテインメント
- 音響監督:辻谷耕史
- アニメーション制作:スタジオディーン
- 製作:シムーン製作委員会(バンダイビジュアル、スタジオディーン、創通エージェンシー)
[編集] 放映リスト
- 堕ちた翼
- 青い泉
- 遠い戦争
- 近い戦争
- 白い孤独
- 傷と痛み
- 公海上空にて
- 祈り
- 審問
- 籠の鳥
- 共同戦線
- 姉と妹
- 理(ことわり)
- 冒さざるもの
- 一人、また一人
- 翠玉のリ・マージョン
- 遺跡
- 葬列
- シヴュラ
- 嘆きの詩(うた)
- 新天地への扉
- 出撃
- 永遠の少女
- 選択
- パル
- 彼女達の肖像
[編集] 放送局及び放送期間
- テレビ東京:2006年4月3日 - 2006年9月25日、毎週月曜日放送
- テレビ大阪:2006年4月7日 - 2006年9月29日、毎週金曜日放送
- テレビ愛知:2006年4月7日 - 2006年9月29日、毎週金曜日放送
- AT-X:2006年4月27日 - 2006年10月19日、毎週木曜日放送
[編集] 主題歌
- オープニング曲:「美しければそれでいい」
- 歌:石川智晶、作詞:石川智晶、作曲:石川智晶、編曲:西田マサラ
- エンディング曲:「祈りの詩」
- 歌:savage genius、作詞:ああ、作曲:takumi、編曲:鈴木Daichi秀行
[編集] 漫画
[編集] ラジオ
- Simoun~電波 DE リ・マージョン~(音泉 2006年7月17日~、毎週月曜日更新)
- パーソナリティー:高橋理恵子(ネヴィリル役)、高橋美佳子(ロードレアモン役)
[編集] ゲーム
- シムーン 異薔薇戦争~封印のリ・マージョン~
[編集] 外部リンク
テレビ東京 月曜25:30枠 | ||
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前番組 | シムーン | 次番組 |
練馬大根ブラザーズ | ときめきメモリアル Only Love |