サイコガンダム
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サイコガンダム(PSYCO-GUNDAM)は、アニメ『機動戦士Ζガンダム』に登場する架空の兵器。ティターンズのニュータイプ専用可変モビルアーマーである(型式番号:MRX-009)。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] サイコガンダム
[編集] 機体解説
サイコガンダム(MS形態) | |
型式番号 | MRX-009 |
所属 | ティターンズ |
建造 | ムラサメ研究所 |
生産形態 | 試作機 |
頭頂高 | 40.0m |
本体重量 | 214.1t |
全備重量 | 388.6t |
ジェネレーター出力 | 33,600kw |
スラスター総推力 | 168,000kg |
センサー有効半径 | 10,200m |
装甲材質 | ガンダリウム等 他 |
主な搭乗者 | フォウ・ムラサメ ベン・ウッダー |
武装 | 拡散メガ粒子砲×3 ビーム砲×10 小型メガビーム砲 |
地球連邦軍のニュータイプ機関・ムラサメ研究所が開発した、強化人間専用の機体。サイコミュ・システムを小型化できなかったため、やむなく機体のサイズもシステムに合わせて製作されており、通常のMSの2倍以上の巨体となっている。
本機は火器管制、機体制御を全てサイコミュでコントロールするという、いわばパイロット自身もシステムを構成するパーツの一部として設計されており、パイロットに非常に大きな精神的負担をかけるために通常の人間では扱えず(通常の人間が操縦するとシステムが安定していない場合にはシステムに耐えられずに発狂、死に至る危険性すらある)、そのために実質強化人間の専用機となった。またこのシステムは、例えパイロットが機体より離れた場所にいたとしても、パイロットが戦闘を感知するとサイコミュの遠隔操作により機体がパイロットの下へ赴き(この機能はサイコミュ・コントローラーと呼ばれる)、強制的に戦闘に参加させるというものでもあった。
コックピットは頭部にある。モビルフォートレス形態に変形可能で、その巨大な機体を飛行させるためにミノフスキークラフトを装備している。モビルスーツ形態がガンダム型である理由は連邦軍内部のガンダム信仰によるものであるとされている。(元々はΖガンダムとして描かれた仮デザインを流用している。)ガルダ級の輸送機であっても格納することは出来ず、変形状態で牽引して運用する。
武装は腕部を初めとした多数のビーム砲と、モビルフォートレス形態でも使用可能な三連拡散メガ粒子砲。シールドは変形時のオプションに留まり、Iフィールドによってビームを遮断する。火力、防御力ともに圧倒的であったが、強化人間にしか扱えなかったために試作のみで量産はされていない。都合2機が製造された。
[編集] 劇中での活躍
人工的なニュータイプである強化人間で、ムラサメ研究所出身のフォウ・ムラサメの乗機として登場。1号機は戦力を失ったスードリ隊にムラサメ研からの増援として配備される。ホンコンにおけるカラバ襲撃作戦に参加、その際に暴走し、ホンコンの街に大きな被害を与えている。その後アウドムラに特攻をかけようとしていたスードリに体当たりを敢行し、その後のスードリの爆散と共に失われた。
2号機はキリマンジャロ基地防衛隊に配備され、基地攻略に赴いたカラバの部隊を相手に圧倒的な性能を見せるが、Zガンダムをバイアランの攻撃より庇ったためにパイロットであるフォウが死亡し活動を停止、その後キリマンジャロ基地の自爆と共に失われたようである。
劇場版では1号機のみが登場、スードリ特攻の際にフォウが死亡したため2号機が登場することはなかった。
なお、佐藤茂『ターンエーガンダム』(角川書店[角川スニーカー文庫])にはこの機体に類似した「ブラックドール」が登場する。この「∀ガンダム」が登場するゲーム『スーパーロボット大戦α外伝』では、グエンが本当にサイコガンダムに乗って出撃している姿を見ることが出来るが、ニュータイプではないはずのグエンがサイコガンダムを扱える理由は謎である(『α外伝』では、サイコミュをオミットした攻撃力重視の大型モビルスーツとして建造されたレプリカ、ということになっていた)。
[編集] 備考
先述の通りゼータガンダムのデザイン原案として提出されたものをリファインしたもので、デザイン原案を担当したのは当時バンダイに所属していた村上克司。村上によると変形状態(アニメにおけるモビルフォートレス形態)は『宇宙の戦士』に登場するパワードスーツ用の降下カプセルをモチーフとしており、ここからもゼータのデザイン発注において「大気圏突入能力を付加する意味での変形」がオーダーされていた事がわかる。
[編集] バリエーション
[編集] サイコガンダムMk-II
サイコガンダムMk-II | |
型式番号 | MRX-010 |
所属 | ティターンズ→ネオ・ジオン |
建造 | ムラサメ研究所 |
生産形態 | 試作機 |
頭頂高 | 39.98m |
本体重量 | 187.8t |
全備重量 | 283.9t |
ジェネレーター出力 | 19,760kW |
スラスター総推力 | 244,240kg |
センサー有効半径 | 16,230m |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
主な搭乗者 | ロザミア・バダム プルツー |
武装 | メガ粒子砲×20 腹部拡散メガ粒子砲×3 頭部メガ粒子砲×2 リフレクタービット複数 腕部内装型サイコミュ式ビームソード×2 指部ビーム砲×10 シールド |
サイコガンダムMk-II(サイコガンダムマークツー、PSYCO-GUNDAM Mk-II)は、アニメ『機動戦士Ζガンダム』『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場する架空の兵器。ティターンズ及びネオ・ジオンのニュータイプ専用モビルアーマーである(型式番号:MRX-010)。
[編集] 機体解説
サイコガンダムの後継機としてグリプス戦役末期に投入された巨大モビルアーマーである。実験機的な色の強かったサイコガンダムの問題点を見直した上で再設計し、サイコガンダム同様ムラサメ研究所で開発が行われた。カタログスペック上で旧サイコガンダムと比較してみると、ジェネレータ出力は60%弱にまで抑えられているが、スラスター推力は大幅に向上しており、ある程度の軽量化もなされている。コックピットはサイコガンダム同様頭部にあり、ボディが破壊されても脱出ポッドとして単独で飛行・離脱できる。
全身に20ものメガ粒子砲を備え前機を上回る火力を誇る上、ビーム砲を反射して任意の標的を攻撃するリフレクタービット(大気圏内でも使用可能)を射出することにより、サイコミュによるオールレンジ攻撃も可能となった。また、サイコガンダムには搭載されておらず問題点となっていた近接用の武装として、腕部に有線式のビームソードを備えている。
オーガスタ研究所出身のロザミアがパイロットを務めているのは、ムラサメ研究所にすでに強化人間のストックがなく、またサイコガンダムでホンコンの街を襲撃したことによりムラサメ研自体が世間よりその責を問われたために連邦内での権限が弱体化していたため、ティターンズ主導の元でティターンズ内オーガスタ研スタッフに機体を貸与したとされている。
圧倒的な火力を誇りサイコガンダムと比べても強力な機体であったが、強化人間をシステムの一部とする思想はそのまま受け継がれており、機体が強化された分パイロットへの負担はさら増加していたようである。その為かアクシズでの出撃時にはパイロットであるロザミアが精神に異常をきたし、随伴機からの命令を受けつけなくなり、制御できずに暴走していた(この時はパイロット側にも薬物投与や記憶操作による問題があったため暴走した要因は機体の影響だけではないと考えられる)。
その後においてはグリプス戦役時に中破した機体をネオ・ジオンが密かに回収、修復し自軍の戦力とした。ダブリンへのコロニー落としの際に実戦にも投入されている。回収の際に得られた機体のデータは、兄弟機体であるのガンダムMk-Vデータと共にその後ドーベン・ウルフなどネオ・ジオンのモビルスーツ開発に生かされた。
なお一部には遠隔操作機能が追加されたサイコガンダム2号機がMK-Ⅱであり、本機はサイコガンダムMK-Ⅲであるとする説もある。
[編集] 劇中での活躍
『機動戦士Ζガンダム』終盤に登場、初投入時はMS形態のみをとっていた。パイロットは強化人間のロザミア・バダムで、精神不安定な彼女には、刷り込み操作で兄と思わせてあるゲーツ・キャパがバウンド・ドックで随行、指示を出していた。まさに悪魔のマシンであったが、精神不安定な強化人間ではその力を完全には発揮できなかった。Ζガンダムで交戦したカミーユ・ビダンは自分を兄と思わせ戦いをやめさせようとするが失敗し、自らの手で撃破した。
グリプス戦役終戦後、中破し放棄されていたものをネオ・ジオンが接収。初陣の強化人間プルツーを搭乗させ第一次ネオ・ジオン抗争に投入した。この時初めてモビルフォートレス形態をとる。この機体には前パイロットのロザミア・バダムの癖が残っており、それに対しプルツーは不快感を示した。コロニー落着後のダブリンにてアーガマ隊を急襲し、エルピー・プルのキュベレイMk-IIやジュドー・アーシタのΖΖガンダムと交戦し、撃破されている。
[編集] プロトタイプサイコガンダム
プロトタイプサイコガンダム | |
型式番号 | MRX-007 |
所属 | 地球連邦軍 |
建造 | 地球連邦軍工廠 |
生産形態 | 試作機 |
頭頂高 | 19.3m |
本体重量 | 77.4t |
全備重量 | 110.9t |
ジェネレーター出力 | 3,700kW |
スラスター総推力 | 81,100kg |
センサー有効半径 | 11,300m |
装甲材質 | チタン合金セラミック複合材 |
主な搭乗者 | - |
武装 | 拡散メガ粒子砲 有線サイコミュ式腕部ビーム砲×2 |
プロトタイプサイコガンダム(プロトタイプサイコガンダム、PROTOTYPE PSYCO-GUNDAM )は、機動戦士ΖガンダムMSVに登場する架空の兵器。地球連邦軍のニュータイプ専用モビルスーツである(型式番号:MRX-007)。
[編集] 機体解説
ガンダムMk-IIを完成させた地球連邦軍(ティターンズ)が、同機をベースに「連邦・公国系双方の技術を融合させた最強のガンダム」というコンセプトの基に開発した機体。当時試験段階であったサイコミュ、及びジェネレーター直結式のメガ粒子砲を搭載し、高い攻撃力を有する。基礎フレームは部分的にガンダムMk-IIのものを流用しているが、火器系統や機体管制システム等は、かつての公国製モビルアーマージオングを踏襲しており、機体バランスそのものは後者に近い。腕部にはジオング同様、サイコミュ制御による射出機構を備えており、オールレンジ攻撃の展開が可能である。本機は公国より接収したサイコミュ及び周辺技術を検証するためのテストヘッドとしての意味合いが強く、機体各部に動力ケーブルが露出するなど、モビルスーツとしては未完成な点が多い。装甲材もガンダリウム・ガンマではなく、ガンダムMk-II同様に旧式のチタン系マテリアルが用いられている。しかし、攻撃機としては優秀な性能を備えており、その高火力が脚光を浴び、拠点制圧用兵器として名高い後のサイコガンダム・シリーズへと繋がっていく。
[編集] サイコガンダム試作8号機
サイコガンダム試作8号機(サイコガンダムしさく8ごうき)は、小説『機動戦士Ζガンダム フォウ・ストーリー そして、戦士に…』に登場する架空の兵器。ティターンズが開発していたサイコガンダムの試作機の8号機である(型式番号:MRX-008)。
[編集] 機体解説
劇中でのこの機体についての描写は決して多くないが、基本的な機能面では完成したサイコガンダムと同様の機構を有していると推測される。ただし、この機体の段階ではサイコミュ制御機能にまだ未完成の点があり、サイコミュシステムの暴走により実験中にパイロットが死亡する事故が数件発生している。真っ白な外見から、開発者達には「冷蔵庫」と呼ばれていた。この機体で収集したデータにより、最終的にサイコガンダムは完成を見た。
[編集] 劇中での活躍
ジル・ラトキエが登場して試験に臨むも、サイコミュの暴走によりジルは死亡した。
[編集] 量産型サイコガンダム
量産型サイコガンダム | |
型式番号 | MRX-011 |
所属 | ティターンズ |
建造 | 地球連邦軍工廠 |
生産形態 | 量産機 |
頭頂高 | 27.2m |
本体重量 | 83.0t |
全備重量 | 136.4t |
ジェネレーター出力 | 15,280kW |
スラスター総推力 | 91,100kg |
センサー有効半径 | 10,300m |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
主な搭乗者 | - |
武装 | 収納式ハイメガ・バスター 拡散メガ粒子砲×3 有線ビーム砲×2 インコム・ユニット×2 グレネード・ランチャー×2 ハイパー・ビームサーベル(ビーム・カノン兼用)×2 |
[編集] 機体解説
エゥーゴとの短期決戦に備え、ティターンズのエース・パイロット用に開発されたサイコ・ガンダムの量産機。サイコガンダムMk-IIから変形システムを取り除き、大幅なダウンサイジングを行っている。多数の高出力ビーム兵器に加え、インコム・システムを搭載可能であり、これらの武装全てをサイコミュによって制御することが出来る。プロトタイプサイコガンダムから数えて、事実上の「4番目のサイコガンダム」であり、後のガンダムMk-Vへの過渡的な機体となっている。
[編集] ガンダムMk-V
ガンダムMk-Vを参照。
[編集] その他のサイコガンダム
[編集] ゲミヌス
[編集] 機体解説
『GUNDAM EVOLVE ../9』に登場するティターンズの試作巨大可変MA。劇中では「サイコシップ」と呼ばれている。ピラミッドを上下に組み合わせたようなMA形態から巨大なMS形態へと変形する。多数のニュータイプ(あるいは強化人間)パイロットが搭乗し、「ハスター」なるサイコミュ誘導型のビットMSによってオールレンジ攻撃を行う。 また、サイコミュ遠隔操作の腕部も武器である。その腕部をレッド・ゼータにサイコミュ遠隔操作を乗っ取られた後に使用され破壊された。 MAでは初めて宇宙から地球に向けての超長距離ビーム狙撃に成功している。MSではザンネックが初めて超長距離ビーム狙撃に成功している。
[編集] サイコガンダムMk-III
[編集] 機体解説
プレイステーション用格闘ゲームソフト「GUNDAM THE BATTLE MASTER」シリーズに登場するオリジナルMS。軍の研究機関によって開発された機体で、マリア・ニコルスが搭乗する。武装は肩や脚、胸にビーム砲、腕にビームソードといったものであるが、変形機構やオールレンジ兵器は見当たらない。この機体の特長は武装よりも、攻撃を受けても怯まない上防御動作が可能な守備力・巨体に似合わない機動力・数発で敵の装甲を削り取ってしまう攻撃力にある。
[編集] サイコロガンダム
[編集] 機体解説
『SDガンダム』シリーズ中にて、サイコガンダムの名前をもじった「サイコロガンダム」という機体が創作されている。初登場は1986年にバンダイから発売されたディスクシステム用ゲームソフト『SDガンダムワールド ガチャポン戦士 スクランブルウォーズ』で、その後ゲーム『SDガンダム GGENERATION-0』(1999年発売)で再登場、以後のGGENERATIONシリーズや『SDガンダム ガシャポンウォーズ』にも登場した。白地の六面体にドットが刻まれた一般的なサイコロにサイコガンダムの頭部が付いているというコミカルな外見とは裏腹に非常に高い戦闘力を誇り「四角い死神」と呼ばれている。
サイコロの目から無数のビームやミサイルを発射し、ニンテンドーゲームキューブ用ゲームソフト『SDガンダム ガシャポンウォーズ』では胴体(サイコロ)を巨大化させての格闘攻撃を身に付けた。
1990年にバンプレストから発売されたファミリーコンピュータ用ゲームソフト『SDヒーロー総決戦 倒せ!悪の軍団』では、サイコガンダムのモビルフォートレス形態がサイコロになっている。通常はサイコロ形態で、プレイヤーキャラが近づくと徐々にモビルスーツ形態に変形する。変形が完了すると攻撃を行い、攻撃後は瞬時にサイコロ形態に戻る。サイコガンダムのカラーリングに合わせ、サイコロ形態は黒地に赤いドットが刻まれており、画面から見て1、4、6の順に目が変わっていく。何故か3の目は出ない。変形シーンにはモビルフォートレス形態の機首に当たる部分から頭部が現れるカットがあり、開発当初はモビルフォートレス形態をしていたが、何らかの理由でサイコロ形態に変更されたものと思われる。
また、機動戦士ガンダムΖΖ第1話「プレリュードΖΖ」において、クムがサイコガンダムを サイコロガンダムと言っている場面がある。
[編集] サイコロガンダムMk-II
[編集] 関連項目
- 地球連邦軍
- 強化人間
- フォウ・ムラサメ
- ロザミア・バダム
- デストロイガンダム-機動戦士ガンダムSEED DESTINYに登場するサイコガンダムのオマージュと思われる。
- ガンダムシリーズ登場兵器一覧