クリスマスの約束
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クリスマスの約束( - やくそく)は、2001年より毎年12月25日(2005年は12月22日。2006年は12月28日に放送予定)深夜にTBS系列で放映されている音楽番組。「全く新しい形の音楽番組を作りたい」とTBSが小田和正に持ちかけ、小田和正をメインアーティストに「アーティストがお互い認め合えるような番組」を目指して作られた。略称はクリ約。
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[編集] 概要
2001年、セルフカバー・アルバム『LOOKING BACK 2』のヒットを受けて、TBSスタッフは小田に『うたばん』への出演を要請するが、小田はそれを辞退する。諦めきれないスタッフが「何とかしてテレビ出演してほしい」という思いから企画したのがこの番組であり、チーフプロデューサーの阿部龍二郎をはじめとするスタッフのほとんどは『うたばん』と同じである。
同年、制作に当たり、有名アーティスト7組に出演依頼するも、そのすべてから出演辞退を受け、納得できないスタッフを小田が説き伏せる形で、単独ライブ形式の公開収録をこなすこととなった。結果、その姿に称賛・感激の声が多数寄せられ、リクエストに応じて再放送もされ話題となり、以後毎年制作・放送されている。番組のナレーションは初回から斉藤由貴が務めている。
番組のコンセプトである『アーティスト同士がお互いを認め、愛し、尊敬すること』は、1983年、オフコース活動休止中に小田が考えた『日本グラミー賞構想』が基になっている。それについてはエッセイ『TIME CAN’T WAIT』(1990年12月25日初版、朝日新聞社)での“僕の挫折”という章で触れている。
[編集] 収録に使われた会場及びスタジオ
- 2001年~2003年 収録場所:東京ベイNKホール 観客:招待客、ハガキ応募当選者
- 2004年 収録場所:TBS内や天王洲などの都内スタジオ 観客:招待客、音楽関係者、若手ミュージシャンら
- 2005年 収録場所:さいたまスーパーアリーナ(11月29日収録。特別協賛:明治安田生命、トヨタ自動車) 観客:当該公演チケット購入者、招待客
- 2006年 収録場所:有明コロシアム (12月8日収録) 観客:招待客、ハガキ応募当選者
[編集] 放映リスト
[編集] 2001年
「クリスマスの約束・・・きっと君は来ない」2001年12月25日 23:45~1:45
<演奏曲>(★印は再放送時に追加。☆印は本放送で一部カットされたが、再放送時にフルコーラスで放送)
- 言葉にできない
- 夜空ノムコウ(SMAP)
- 桜坂(福山雅治)
- 勝手にシンドバッド(サザンオールスターズ)
- 真夏の果実(サザンオールスターズ)(「彼等の作品の中で一番好きな曲」とコメント)
- ひこうき雲(荒井由実)
- 春夏秋冬(泉谷しげる)(泉谷しげるには出演依頼はしなかった。小田の「同じ時代に生きてきたものとして敬意を表して」との意向で演奏)
- さよなら(番組スタッフから「この曲だけは必ず歌ってほしい」と要請があった曲。「うたばん」出演が実現した際にやる予定の曲だったという)
- Automatic(宇多田ヒカル)☆(父親・宇多田照實から届いた手紙が紹介された)
- Tomorrow never knows(Mr.Children)☆
- クリスマス・イブ(山下達郎)(演奏前に紹介された山下達郎の手紙の中で、この曲はオフコースに触発されて作った曲だったと明かされた。この曲の演奏後、小田は「あとで何を言われるかわからないけど、きっと彼のところにも届いたと思う」とコメントした)
- Yes-No☆
- ラブ・ストーリーは突然に
- 君住む街へ★
- この日のこと
[編集] 2002年
「クリスマスの約束」2002年12月25日 23:30~1:40
-
- ゲスト:なし(桜井和寿からの手紙が番組内で紹介される)
<演奏曲>
- この日のこと
- クリスマス・イブ(山下達郎)
- 愛を止めないで
- 風に吹かれてBlowin' In The Wind(ボブ・ディラン/ピーター・ポール&マリー)
- 僕の贈りもの
- ギブス(椎名林檎)
- 化粧(中島みゆき)
- 海を見ていた午後(荒井由実)
- 秋の気配(ユーミンの曲『海を見ていた午後』がなかったら、この曲は生まれなかったとコメント)
- 練習風景のVTR
-
- I LOVE YOU(尾崎豊)
- 恋の予感(安全地帯)
- Everything(MISIA)
- CROSS ROAD(Mr.Children)
- チェリー(スピッツ)
- 夏色(ゆず)
- 小さな恋のうた(モンゴル800)
- 長い間(Kiroro)
- 元気を出して(竹内まりや)
- ガッツだぜ!!(ウルフルズ)
- いとしのエリー(サザンオールスターズ)
- 神田川(南こうせつとかぐや姫)
- 贈る言葉(海援隊)
- Someday(佐野元春)
- どんなときも。(槇原敬之)
- First Love(宇多田ヒカル)
- First Love(宇多田ヒカル)(VTRに続きサビのみ演奏)
- 小さな恋のうた(モンゴル800)
- 今日までそして明日から(吉田拓郎)
- さよなら
- HERO(Mr.Children)(収録時はこの曲のシングル発売前であった)
- YES-YES-YES
- ラブ・ストーリーは突然に
- 伝えたいことがあるんだ
- キラキラ
- woh woh
- Yes-No
- I LOVE YOU(尾崎豊)(録音)
[編集] 2003年
「クリスマスの約束」2003年12月25日 23:35~1:50
-
- ゲスト:ゆず、財津和夫、根本要(スターダスト・レビュー)、桜井和寿(Mr.Children)
<演奏曲>
- 世界に一つだけの花(SMAP)
- もらい泣き(一青窈)
- 言葉にできない
- クリスマス・イブ(山下達郎)
- 恋(松山千春)
- 夏色(ゆず)(ゲストのゆずと)
- クリスマスの約束(この年のこの番組で演奏するために作られた小田和正とゆずとの共同制作曲。タイトルは、本番当日までにゆずが決めてくるようにと小田が指示し、本番で初めてゆずの二人から発表された。一度きりのコラボレーションとなるはずであったが、2005年12月6日、日本武道館で行われた小田のコンサートにゆずがゲスト出演し、再演奏された。そして2006年11月29日に"ゆずおだ"名義でCDシングルとして発売。丸井2006クリスマス・キャンペーンのCMソングにも起用された)
- 中央線(THE BOOM/矢野顕子)
- 練習風景のVTR
- 青春の影(チューリップ)(ゲストの財津和夫と)
- 木蘭の涙(スターダスト・レビュー)(ゲストの根本要と。トークではスターダスト・レビューの代表曲『今夜だけきっと』の一小節を小田とアカペラで披露した)
- チェリー(スピッツ)
- 言葉にできない~タガタメ(Mr.Children)~HERO(Mr.Children)(ゲストの桜井和寿と。トークの際は2人がステージの前面に腰掛けるという試みがなされた)
- Someday(佐野元春)
- キラキラ
- この日のこと
[編集] 2004年
「クリスマスの約束~風のようにうたが流れていた~」2004年12月25日 23:45~1:45
- 音楽番組「月曜組曲」第一部 『風のようにうたが流れていた』の総集編として放映された。
[編集] 2005年
「クリスマスの約束"大好きな君に"」2005年12月22日 23:55~1:55
- "大好きな君に"と題された小田和正の同年コンサートツアーとほぼ同じ内容のステージが、11月29日さいたまスーパーアリーナで収録され、その半分程度が放映された。この公演のチケットは一般発売され、初めて有料の観客が入った。
- また、中居正広がこの番組にゲスト出演するまでを追ったドキュメントが、放送翌日の2005年12月23日「中居正広の金曜日のスマたちへスペシャル」でオンエアされた。
<演奏曲>
- 神の御子は今宵しも O COME ALL YE FAITHFUL(賛美歌)(この年唯一のクリスマスソング。スタッフは「この曲ではウケません」と断言したが、小田は決行。収録会場での評判も良く、無事オンエアとなった)
- 戦争を知らない子供たち(ジローズ)
- 生まれ来る子供たちのために
- たしかなこと
- 2005年コンサートツアー"大好きな君に" 「ご当地紀行」(ツアー先の名所などを小田和正が訪れたVTR)総集編
- Yes-No
- キラキラ
- YES-YES-YES
- 明日
- 言葉にできない
- 夜空ノムコウ(SMAP)(ゲストの中居正広と。この曲を「君たち (SMAP)が歌うととってもいい曲だ」と賞賛する小田と、「こんなに緊張して歌ったことはありません」という中居との心のこもったデュエットとなった)
- 大好きな君に
- たしかなこと(観客と大合唱)(録音状態の問題から、観客の歌声は12月11日の大阪城ホール公演で改めて録音され、オンエアに使用された)
[編集] 2006年
「クリスマスの約束」2006年12月28日23:30~25:24放送予定。
[編集] バンドメンバー
- 木村万作(ドラムス、2001年~)
- 渡辺建(ベース、2001年・2003年)
- 山内薫(ベース、2002年・2006年)
- 有賀啓雄(ベース、2005年)
- 稲葉政裕(ギター、2001年~)(ベース、2004年)
- 佐橋佳幸(ギター、2004年)(ベース、2004年)
- 栗尾直樹(キーボード、2001年~)
- 園山光博(サックス、2001年~2003年・2005年~)
- 金原千恵子ストリングス(ストリングス、2002年・2003年・2006年)
- 木下智明(コーラス、2001年~2003年・2005年~)(マネジメントスタッフと兼任しているため、スタッフロールではKINOと表記)
- 加藤いづみ(コーラス、2001年・2002年)
- 西司(コーラス、2001年)
[編集] 少年少女合唱団
- フレーベル少年合唱団(コーラス、2004年・2005年)
- すずかけ児童合唱団(コーラス、2004年・2005年)
[編集] スタッフ
- プロデューサー:阿部龍二郎、服部英司
- 演出:中鉢功、大木真太郎
- 舞台監督:柴田猛司
- カメラ:野中和恵、西浦清
- 編集:
- MIX:三上義英
- CG:オムニバスジャパン
- 技術協力 : エヌ・エス・ティー、東通、TAMCO、ティ・エル・シー、赤坂ビデオセンター
- 製作協力:ファー・イースト・クラブ
- 製作:TBSテレビ
- 製作・著作:TBS
[編集] DVD化
2001年から3年間の放送分につき、未公開映像を含めた完全版DVD-BOXが2004年11月に発売予定と一旦発表されたが、一部の楽曲に権利上の問題が発生し、発売中止となった。その後もDVD化を希望する声は絶えない。2004年に放送された『風のようにうたが流れていた』は、4枚組DVD-BOXとして発売されている。