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オートマチックトランスミッション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

オートマチックトランスミッション (Automatic Transmission:自動変速機) は、自動車オートバイの変速方式の一つで、速度やエンジン回転数に応じ、変速比を自動的に切り替える機能を備えた変速機の総称である。ここでは主に自動車用オートマチックトランスミッションについて述べる。

目次

[編集] 概要

オートマチックトランスミッションには幾つかの方式が存在するが、このうち乗用車で最も普及しているのは動力の断続にトルクコンバータを用いたものに多段変速機と組み合わせたもので、狭義の「オートマチックトランスミッション」はもっぱらこの方式を指し、多くの場合は遊星歯車変速機を用いる。広義には無段変速機(CVT) を用いたもの等も含む。クラッチの操作のみを自動化し手動選択の多段変速機と組み合わせた形式については、完全自動でないという意味でセミオートマチックトランスミッションと呼ばれる。

完全な手動変速機と足踏みクラッチを備えたマニュアルトランスミッション車と異なり、オートマチックトランスミッション搭載車両にはクラッチペダルが存在しない。

日本では「オートマチックトランスミッション」という呼び方が長く煩雑であることから、文章表記ではA/TATと略記される事が多い。

口語では、 オートマチック、ないしはオートマ が普通に通用している。古くはノークラ(ノー クラッチペダル=クラッチペダルがないの略)・ノンクラトルコンなどと呼ばれた。

[編集] 多段(有段)変速機

[編集] トルクコンバータ式オートマチックトランスミッション

現在の自動車のオートマチック方式として最も多く使用されているトルクコンバータ式オートマチックトランスミッションは、遊星歯車トルクコンバータを組み合わせ、これを油圧等で制御し自動的に変速段の切り替えを行う仕組みである。

油圧制御のためトランスミッションの内部には多数の圧力調整バルブがあるが、1980年代まではガバナ機構を利用し機械的にバルブ切り替え、変速制御を行っていた。しかし1980年代後半ソレノイドにより電気的にバルブを駆動するものが登場し、高効率で多彩な機能をもつATが世に出まわるようになった。コンピュータ制御によりアクセルの踏み加減や車両速度など様々な要素を勘案して、変速のタイミングがきめ細やかに設定されている。

これまで販売されている日本車では、前進の変速段数は3段を経て4段が主流だが、現在は5段が普及しはじめている。輸入車や比較的高級な車種では5段、6段(クラウンマークXエスティマに採用例あり)が一般的。軽自動車など安価な車種では3段もある。変速段数が多いほど変速ショックが少なく、また変速比の細かな制御が出来るため燃費の向上が期待できる反面、部品点数増加による重量及び製造コストが増えるというデメリットがある。一般に4ATや5ATなどと表記された場合の数字部分はこの前進変速段数を表す。

運転者がギアを選択できるマニュアルモードを備えたものも増えている。操作方法はシフトレバーによるものやステアリング上のスイッチ(ステアリングシフト)によるもの、パドル式(パドルシフト)などがある。

[編集] ATF・ATフルード

一般のトルクコンバータ式オートマチックトランスミッションには、ATフルードという液体が使われている。ATオイルと称される場合もあるが、エンジンオイルとは使用箇所も機能も別であり、トルクコンバーター内で駆動力の伝達を担う液体である。ATFとはオートマチックトランスミッションフルード(Automatic Transmission Fluid)の略であり、出光興産の登録商標である。また、国内自動車メーカーの約6割が同社の製品を使用している。

長年の使用によりフルードの劣化が進んだ場合には、パワーロスや変速ショックが大きくなるという現象が起きる。しかし、ATフルードの交換は、新しいフルードが古いスラッジを溶解させ詰まらせるリスクがあり、最悪の場合、走行不能に陥る。自動車用品店で多走行距離の車両に交換を勧めない理由は、こうしたリスクを回避するためである。元々、車両の取扱説明書でフルードの交換を不要としている車種も多い。一般の交換作業では、専用の機械でフルードを循環させながら交換を行うが、一部外国車にはATフルードのフィルターを装着しているため、オイルパンを外す分解整備並みの手順を要求される車両もあるので注意が必要である。

[編集] 自動制御式マニュアルトランスミッション

ロボットミッション、オートメーテッドマニュアルトランスミッション (AMT)とも呼ばれる。

トルクコンバーター+プラネタリーギアのいわゆる普通のATに対して、クラッチやギアボックス自体はマニュアルトランスミッション同様の構造を持つ(半)自動制御の(セミ)オートマチックトランスミッション(フォルクスワーゲン アウディグループのDSGは除く)。

俗にツーペダルと一括りにされることも多いこの形式には、クラッチ操作のみ自動で、スロットルやギアの選択はM/Tそのままの操作をドライバーが行うタイプと、電子制御(いわゆるバイ・ワイア)によりスロットル開度やクラッチとギアボックスのアクチュエーターを制御し、自動変速するものとがある。

前者はセミオートマチックトランスミッションとして長い歴史があるが、ドライバーによるギア選択ミスが避けられないため乗用車用としてはもはや少数派である。しかし発達が止まったわけではなく、クリープ専用のトルコンを追加したものが、日本製の2tクラスのトラックを中心に数を増やしつつある。

そのクラッチ機構は現在では乾式単板クラッチを電子制御するものが主流だが、過去には、遠心式、流体継手(フルード・カップリング)式、電磁クラッチ(鉄粉磁化式)など、様々な試行錯誤があった。システムとしてはシンプルなため低コストなことと、シフトレバーとギアボックスが機械的につながっているため、トラブル時の冗長性が高い利点がある。

一方後者は現在の主流で、トルコン嫌いの欧州の乗用車や、省燃費と省力化を推し進める大型トラック、バスではすでに一般的である。特にエンジンの大トルクと車両側高負荷の板ばさみとなる大型車用のクラッチ機構では、滑りの少ない乾式クラッチはトルコン式ATに比べ、燃費や騒音の面で非常に有利で、クラッチ操作からの開放はドライバーの疲労軽減にもつながる。発進時のクラッチ保護(クラッチ破損の防止や交換周期の延長のため)や、荷扱い時の停止位置合わせなど、微速時の扱いやすさを考慮して、自動変速ながらクラッチペダルを装備しているものもある。

乗用車の場合、このタイプが選ばれる理由は、市場の嗜好(トルコンのニーズが低い=燃費、ドライバビリティー、価格などへの不満)、スポーツ性の演出、生産台数、小型車やスポーツカーへの搭載性、ATの開発費不足など理由は多種あるが、いずれもMTベースに分がある、と判断したメーカーの方針による。また、バイ・ワイア方式のため、ESP(姿勢制御)との協調性が良い点でも将来性がある。

この方式を採用したものとしては、

などがある。これらのネーミングに共通なのは、あえて自動を意味する「オート」の文字を使わず、高付加価値のMTであることを強調している点。

1984年にいすゞ・アスカに搭載されたNAVI-5は、マニュアルトランスミッションと、乾式・単版クラッチをコンピューター制御による油圧アクチュエータで動作させる自動変速機。スロットルやブレーキ(ホールド機能)も統合制御される。マニュアルミッションの燃費のよさとイージードライブ、さらにはスポーツ性を狙ったものであったが、クリープ機能を省略したことで、従来車になれたユーザーからの不満もあり、マーケットの支持を得るまでには至らなかった。
NAVI-6はその後も小型トラックから大型トラック・バスにいたるまで広く搭載された。

[編集] 無段変速機(CVT)

詳細は無段変速機を参照。

無段変速機は、あらかじめ用意された数種類の変速比(ギアの組み合わせ)を切り替えて選択する多段変速機と異なり、連続的に無段階で変速比を変更できる構造をもつ変速機である。本来は、回転数と出力に一定関係があるエンジンから、エンジン回転数によらず効率よく希望の出力を取り出すための機構であるが、その効果から人間が意識的に変速操作に介入する意義が稀薄であるため、結果的に変速操作の自動化というメリットも付随する。

乗用車に応用される場合は、動力の断続のために自動クラッチと組み合わせたり、低速時の特性(クリープ現象)を要求する場合はトルクコンバーターと組み合わせて搭載される例が多い。

また二輪車や原動機付自転車のスクーターに応用されている自動変速機は、ほぼ例外なくCVTと自動遠心クラッチを組み合わせたものである。

オートマチックトランスミッションが故障した際、従来はメーカーや専門業者によって再生(古い物を分解、修理したもの)された「リビルト品」のトランスミッションに交換するのが一般的な方法であったが、CVTの場合、そのリビルトシステムが確立されておらず、専門業者にも手に負えないため、修理に多額の費用が掛かる場合が多い様である。特にこのような問題から、CVTの中古車は輸出入に適さないとされる。

[編集] オートマチックトランスミッションの歴史

自動クラッチと自動的に作動する変速機との組み合わせで自動車の変速操作を完全自動化しようとする発想でもっとも古い例は、1905年にアメリカのスタートバンド兄弟が考案した2段変速機にまで遡れる。これは遠心力利用の単板クラッチを用いていたが、量産化されるまでには至らなかった。

1920年代から1930年代にかけては、セミオートマチックトランスミッションの一種である「プリセレクタ」などへの応用で、自動クラッチの代用となる流体継手(フルードカップリング)や、遊星歯車式の多段変速機に関する技術開発が進んだ。

1930年代当時、マニュアルトランスミッションにはシンクロメッシュ機構が装備され始めていたが、後年ほど強力なシンクロナイズ機能を備えるまでには至っておらず、変速時には従前同様、ダブルクラッチ等の熟練を要する操作が必要であった。非力な女性や手足の不自由な身体障害者にとっては、当時の自動車の運転は難渋で、何らかの変速作業軽減策が求められていた。

[編集] 史上初の全自動変速機「ハイドラマチック」

1939年、ゼネラル・モーターズがオールズモビル1940年型にオプション搭載して発売したハイドラマチックが、現代的なATの始まりと考えられている。これは4段式の遊星歯車変速機とトルク増倍作用のないフルードカップリングを用い、発進時や変速時のクラッチ断接、回転差の吸収をフルードカップリングが行なうものであった。

マニュアルミッションのクラッチがフルードカップリングに置き換わっただけ、ともいえるが、遊星ギアの切り替えに油圧が用いられ自動で切り替えができるようになっている点等、現在の多段ATの原型といえるものである。キックダウン機構等、後年まで自動変速機の必須機能となったシステムを完備していた点も優秀だった。当時のオールズモビルの新車広告には、クラッチペダルに×印を大書したイラストが掲載され、そのイージー・ドライブ性をアピールしていた。

以後、アメリカの主要な自動車メーカーは、戦時中から1950年代にかけてATの開発を促進し、この分野で世界をリードした。大排気量車が主流で経済性を度外視し得たアメリカにおいて、オートマチックトランスミッションはイージードライブ化の切り札となり、同時期に実用化されたパワーステアリングと並んで、アメリカ車の安楽さの象徴ともなった。

[編集] トルクコンバータ導入

トルク増幅作用を備えたトルクコンバータを自動変速機に用いた最初の例は、GMが1948年に発表し、ビュイックに搭載した「ダイナフロー」である。このATは2速ATであったが、2速ギアの切り替えは自動ではなく、通常はギアは2速に固定され、トルクコンバータのストール比に頼って走行、駆動力の必要な場合に手動で1速に切り替えて走行する、というものであった(後述のトヨグライドと同様)。その後他社からも同様のトルコンATが続々と発表された。

これら2速トルコンATは、定速走行時を除いては常時トルコンがスリップした状態で走行する事になる。変速機の構造がシンプルで走りが滑らかになるメリットがあった一方で、燃費や走行性能(アクセル踏み込み時のダイレクト感)の面でハンデがある。これに対し、フルードカップリング多段ATは変速時のスムーズさに欠ける等それぞれ一長一短があり、両者は並行し市場に流通していたが、お互いの弱点を補う形で1950年代後半には3段以上の多段ギア+トルクコンバータのATが登場、その後更なる多段化、ロックアップクラッチの装備等改良が加えられ現在に至っている。

[編集] ヨーロッパ・日本

アメリカ合衆国では上述のごとく1960年代までにはオートマチックトランスミッションが一般的になったが、ヨーロッパ車や日本車は小排気量エンジンによる余裕の無さから、マニュアルトランスミッションが主体であった。

ヨーロッパでは主として対米輸出用の中型車・大型車が1950年代中期からATの装備を始めた。古くはアメリカのいわゆる三大大手自動車メーカー(ビッグ3)、あるいはボルグワーナーなど変速機メーカーから製品を購入するケースが多かったが、ダイムラー・ベンツなどのように自社開発に取り組んだケースも見られる。

自動変速機の量産化や小型化は1970年代から1980年代にかけて著しく進展、やがて安価な車種や横置きエンジン前輪駆動の小型車にも搭載されるようになった。その結果、現在では一部のスポーツ指向の車種を除き、高級車から軽自動車に至るまで、乗用車の変速機構の主流となっている。

[編集] 日本での展開

日本でのトルコン式AT車の歴史は、1959年にトヨタ自動車が自社の商用車であるマスターラインにATを追加したことから始まる。翌年発売予定であったクラウンATのテストも兼ねて、同じ構造のこのクルマが選ばれた。このとき用意されたのが、トヨグライドと名付けられた2速半自動式のATで、これはGMの2速ATであるパワーグライド(1953年発表)を細部にわたり模倣し、自社のR型エンジンに適合させるために改良を施したもの。 GM製ATに倣った理由は、当時パワーグライドの先進性は世界中の自動車メーカーの目標であったこと、また、北米輸出を考えてのこと、と言われている(2速半自動式とは、通常は発進から最高速まで2速のみで走行し、登坂や牽引などで力が必要な際に手動で1速を選択するもの)。

トヨタは早くからATの普及を真剣に考えており、1962年、高級車クラウンの次にトヨグライドが載せられたのは、驚くべきことに、同社でもっとも小形(排気量700cc)で価格も低いパブリカ(P20系)であった。その後も1963年にコロナ(T20系)、1967年にはカローラ(E10系)と小型車、大衆車をはじめ商用車にも積極的に搭載車種を拡大していった。

トヨタより早い時期にトルコンの自社開発を進めていた岡村製作所は、1958年にトルコン搭載車として自社でライトバン「ミカサ・マークワン」やオープンカー「ミカサ・ツーリング」を少数製造、この系統のトルコンは東洋工業マツダ・R360クーペにも搭載された。

しかし、ATの基礎技術の多くはアメリカのメーカーに特許を押さえられている部分が多く、結果として多くの日本メーカーは自動変速機メーカーの協同設立という形で特許を利用して変速機量産に当たることになった。例外は本田技研工業で、同社は常道である遊星歯車変速機でなく、トルコンと組み合わせた通常の手動変速機に各ギア間の変速用クラッチ機構を追加した独自設計を用いた。

  • 1969年 アイシンワーナー(現アイシンAW)設立。
  • 1970年 日産自動車、東洋工業(現マツダ)、米国フォードの合弁により日本自動変速機株式会社(現ジヤトコ)設立。

[編集] セレクトレバーのレンジ及び操作上の注意

三菱・ランサーのINVECS-Ⅲセレクトレバー。Dレンジから横にレバーを倒せば、手動でのギア操作も可能になる。
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三菱ランサーのINVECS-Ⅲセレクトレバー。Dレンジから横にレバーを倒せば、手動でのギア操作も可能になる。

オートマチックトランスミッションを操作するレバーのことを、セレクトレバー、またはセレクターと呼ぶ。変速(シフト)は変速機が自動で行なうため、マニュアルトランスミッションに倣い変速レバーやシフトレバーと呼ぶことは本来誤用とされた。近年ではセレクトレバーにシフト(手動のギア段選択)機能を持たせた車両も現れており、明確な区別は出来なくなりつつある。セレクトレバーは複数の操作位置を持っており、車両の走行状態(走行レンジ)によって操作する必要がある為、その操作位置をレンジと呼ぶ。また操作位置を訳しポジションとも呼ばれる。大型車ではセレクトレバーに代わって押しボタンを採用することがある。

[編集] レンジの概要

[編集] 「P」パーキングレンジ

駐車中に使用する。変速機内部で駆動系が固定され動かせなくなる。キーを抜くことができる。エンジンを始動できる。

  • 駆動系は変速機内部で固定されるのみなので、車体に外部より過度な力がかかると破損して動き出す事がある。安全のため駐車時にはパーキングブレーキの併用が求められる。

[編集] 「R」リバースレンジ

後退時に使用する。

  • 電子音でブザーやチャイムが鳴り、運転者に警告する車種がある(音の鳴らない車種もある。トヨタや日産・ホンダの一部の車種など多くの車種では「ピーピー」という音だが、ホンダの殆どの車種は「ピンポンピンポン」と鳴る。また、BMWやマツダの一部車種などだと、「ポーン、ポーン」と鳴るのもある)。

[編集] 「N」ニュートラルレンジ

エンジンと変速機が切り離され、エンジンからの動力が駆動系に全く伝わらないポジション。エンジンを始動できる(エンジン始動は安全の為、「P」レンジで行なうことが推奨される)。

  • 駆動輪を接地した状態で車両を牽引する場合には、トルクコンバータを保護するためにNレンジを選択しなければならない。

[編集] 「D」ドライブレンジ

通常走行時に使用する。

[編集] バリエーション
  • メーカーによって異なり、「3」(トヨタ・日産・スバル)、「D4」「D3」(ホンダ・三菱)、「S(スロープ)」(マツダ)、「L」(トヨタ)、「1」(日産・ホンダなど)となっており、マニュアルモード付きについては「S」(トヨタ ギアが完全な固定ギアではならないタイプ)、「M」(トヨタ ギアが完全に固定ギアになるタイプ・日産・ホンダ)となっている。また、オートマチックトランスミッション搭載のバスなどでは、Dレンジが「3」となっているものがある。
  • CVTでは、「D」の次が「Ds(スポーツドライブモード:ギア比が通常より大きくなり、山道や高速道路での追い越しが楽になり、エンジンブレーキもDより強くかかる)」もしくは「S」になっていたり、「D」からいきなり「L」に飛んだり、「D」から先がない。また、特に強いエンジンブレーキを手に入れる為の「B(ブレーキ)」(トヨタ・プリウスヴィッツ)というレンジがあるものもある。
  • ただし、CVTではなくてもマニュアルモードがついている場合は「D」から先がないこともある。

[編集] 「2」セカンドレンジ

下り坂などエンジンブレーキを使用する際に使用する。シフトアップの上限が2速になる。

  • 一部車種では2速発進時に使用(その様な車種の中には2レンジに入れた上で特定のスイッチを操作して2速発進に切り替えるものがある)。
  • 基本的には2速以上シフトアップしないが、アクセルを過剰に開けてエンジン回転がレブリミットに達したときは、エンジンやトランスミッション保護のためにシフトアップする仕様になっているものが多い。

[編集] 「L」ロックドレンジまたは「1」ファーストレンジ

急な下り坂など強力なエンジンブレーキを使用する際に使用する。1速に固定されシフトアップしない。

  • 1速を連想する為か「L」をローレンジやローポジションと称する場合があるが誤用であり、自動変速が行なわれないことを示すロック(Lock:固定)の頭文字である(「L2」というポジションでは2速に固定される)。
  • Lまたは1レンジがない車種もある(一部のホンダ車等)。

[編集] 安全装置

  • 多くの車種では、Pから他の段にはブレーキペダルを踏まないと切り替わらない様になっており、この機能をシフトロックと呼ぶ。しかし、このシフトロックシステムは多くの場合電気的に制御しているため、回路の異常やバッテリ上がりなどで、ブレーキを踏んでいても切り替わらなくなってしまうことがあるが、その時にはシフトロックを解除して切り替える。シフトロック解除は専用のボタンを押したり、シフトレバー付近にキーを差し込んだりして行う。
  • AT車は通常PレンジかNレンジでのみエンジンを始動できる。他のレンジでは安全装置(インヒビター)の作用でセルモーターが回らずエンジンはかからない。通常は安全のためPレンジでエンジンを始動する。Nレンジでエンジン始動が可能なのは、走行中にエンジンが停止してしまった場合に備えての設定である(Pレンジでしかエンジン始動が出来なければ、停止したエンジンを再始動させるためには停車する必要がある。しかしエンジン停止状態ではパワーステアリングやブレーキブースターが機能せず、安全な停車自体が困難になる)。

[編集] セレクトレバー以外の操作

  • 大半の車種には、オーバードライブスイッチ(O・Dスイッチ)というものが搭載されている。このスイッチを入れておくと、加速に応じてギアが最上段まで切り替わる。切っておく(オフにする)と、一定のギアから上に切り替わらなくなる(正確には変速比が1.000未満のギア(=オーバードライブ)で、多くの車種では3速が上限となっている)。普段はこのスイッチはオンの状態にしておくと、高速域でのエンジンの回転数を押さえられ省燃費になる。山道走行時のアップダウンなどでギアが頻繁に切り替わるような場合はオフにするとスムーズに走行できるようになる。また、渋滞や混雑などストップ・アンド・ゴーが多い場合もオフにすると無用なシフトアップを避け、適度なエンジンブレーキで惰性走行を押さえる効果がある。エンジンを切ってもオフの状態が維持されるものが多いが、ホンダ車等でエンジンを切ると自動的にオンになるものもある。
    • 最近のホンダ車ではD3スイッチという名称を用いている。O・Dスイッチと異なる点は、オンとオフの関係が逆になる。又、エンジンを切ると自動的にオフになる。
  • 一部の上級車種では、セレクトレバーとは別にスイッチがついており、それを選択する事で自動ギアチェンジのパターンを複数のものから切り替える事ができる。例えば日産車では「POWER」「AUTO」「SNOW」のスイッチがあり、状況に応じて切り替えられる。

[編集] セレクトレバーの操作方法

  • セレクトレバーは主に3種類あり、一直線になっているものと、横方向にも動かすゲート式、およびハンドルの横に取り付けられたコラム式がある。不意のレンジ変更を防ぐ為に特定のレンジ間(PとRの間など)のレンジ変更を行う場合はそれぞれ、一直線になっているものはレバーに付いたボタンを押しながら、コラム式ではレバーを手前に引きながら、ゲート式ではゲートに沿うようにレバーを倒しながら、操作を行う構造となっている。特定のレンジ変更以外でもその操作をしながらレンジ変更を行う事は可能であるが、誤操作を防ぐために必要ないときは操作をせずにレバーを動かす事が望ましい。
  • セレクトレバーが一直線になっているものには、マニュアル車と同じくシフトブーツをかぶせたものもある(BMWレジェンドアコード&アコードワゴンフーガブルーバードシルフィなど)。

[編集] レンジ選択の注意点

  • 信号待ち等で短時間停車する際、毎回DからNレンジに切り替える運転は推奨されない。DやRからNレンジ、およびその逆の操作を頻繁に行うとAT内部のセカンダリークラッチを必要以上に摩耗することとなり、結果的にATの不具合(変速ショックの増大、フルードの汚れ、スリップ等)につながる恐れがあるからである。また、省燃費のために停車に至る減速時に2レンジ等に切り替えてエンジンブレーキを強く効かせるような運転もあまり行うべきではない。この場合は早めにアクセルを緩めエンジンブレーキを効かせる時間を長くした方が、燃料の節約には効果がある。
  • ある程度Dレンジで加速した後、Nレンジに入れて惰性で走るという運転は百害あって一利なしと言える。理由としては前記のセカンダリークラッチの摩耗に加え、Nレンジはエンジンとミッションを切り離してしまうためにエンジンブレーキが全く効かなくなることが挙げられる。一部にはNレンジに入れて惰性で走ると燃料消費が少なくて済むという見解があるが、これは以下のような事実から間違いと言える。前進レンジ(D・2・L)を選択した状態でエンジン回転数が一定以上、なおかつアクセルペダルを全く踏んでいない場合にはフューエルカット機能が働きエンジンへの燃料供給がストップさせられる。すなわちこの場合、エンジンはエンジンブレーキを効かせるためだけに回転している(より正確には、タイヤの回転が駆動系を経由してエンジンを燃料供給なしで強制的に回している)ことになり、前進レンジに入れて惰性で走っても燃料を無駄に消費することはなくエンストすることもない。一方Nレンジではエンジンはある一定の回転数をキープするために常時燃料を消費している(Nレンジでは駆動系からエンジンを強制回転させることは不可能なため、フューエルカットするとエンストする)。燃料節約のためと称して走行中にエンジンを停止する行為は更に危険であり、絶対にしてはならない(ブレーキブースターとパワーステアリングの機能が発揮できないため)。また、同様の理由で坂道を下る際にNレンジに入れることも行うべきではない(この場合エンジンを回転させているのは位置エネルギー(重力)である)。

[編集] 関連項目

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