Α-メチルトリプタミン
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α-Methyl-tryptamine | |
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化学式 | C11H14N2 |
分子量 | 174.24g/mol |
CAS登録番号 | 299-26-3 |
SMILE | NC(C)CC1=CNC2=C1C=CC=C2 |
α-メチルトリプタミン (α-methyltryptamine) はトリプタミン系薬物の一種であり、人体には幻覚作用がある幻覚剤である。使用により、サイケデリックな効果と多幸感が得られる。現在では日本国において麻薬の取り扱いを受ける。
α-MT, AMT, 3-IT, IT-290 などの別名をもつ。旧ソ連では1960年代に抗鬱剤として「インドパン」の名のもと 5 mg, 10 mg の錠剤で臨床使用可能であった。
日本国内においては、2000年頃から流通し始めた。液体型合法ドラッグ「Day Tripper」の主成分でもあった。主に露店や通販で小売された。法規制前は、DMTのデザイナードラッグとして警鐘を促された。
麻薬規制された結果、アメリカでは、AMTのベンゼン環の5位にメトキシ基をつけた5-Meo-AMTというトリプタミン誘導体が注目されたが、5-Meo-AMTは、名前こそ似ているものの、AMTとは似ても似つかない効果をもたらし、また、効果を発揮するには十分少量(0.5~4mg)で済むため、各地でオーバードーズ事故が相次いだ。
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[編集] 性質・性状
独特の臭いがする。弱いながらもMAOI作用、興奮剤的作用を持つ。前者の作用により、SSRIやSNRIとの併用は危険と言われる。後者の作用は、アンフェタミンとの化学構造の類似に関連していると言われる。流通形態としては、白から淡黄色の微粉末であった。
化学的構造が、神経伝達物質であるセロトニンに類似している。又、5-HT2受容体におけるセロトニンの再現作用と、神経伝達物質における再取り込みと分解の阻害作用をもつ。α-MTは立体中心を持ち、S-(+)-α-MTがより活動的な立体異性体である。
[編集] 用法・用量
1回に付き、およそ 20–50 mg ほどとされるが、個人が脱法ドラッグとして使う際の計量は、耳掻きですくうなどといった不正確なものが多く、正確な量は計れない。用量にはかなり個人差があり、外国の例では 400 mg を摂取したにもかかわらず生還したという例もあるが、普通はこの量ではセロトニン症候群によって死に至る。使用方法は、主に経口摂取であるが、喫煙や経鼻摂取をする場合がある。
[編集] 効果・効能
- よい効果
- どちらともいえないもの
- 悪い効果
- 服用後、たいてい 10–12 時間は眠りにくい。服用量によっては、一晩中眠れなくなることもある
- 目の下に隈ができることがある。
- 依存性があるとの研究報告がされている。
- 耐性が付き易い。
[編集] 法的規制
2003年4月4日、アメリカ合衆国内では米国司法省麻薬取締局により、幻覚剤5-MeO-DIPTと共に規制薬物法におけるスケージュールI薬物指定(麻薬指定とほぼ同意)を受けた。2005年4月17日、日本国内では麻薬及び向精神薬取締法で5-MeO-DIPTと共に麻薬指定を受けた。
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