AT-3 (練習機)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
AT-3は中華民国（台湾）の航空工業開発センター（AIDC 漢翔航空工業股份有限公司）が開発した練習機。中華民国空軍で使用されている。中国語での愛称は「自強（ツチャン）」。
[編集] 概要
1970年代中盤に入り、中華民国空軍ではそれまで使用していたT-33練習機の老朽化に伴い、後継機を求めるようになった。中華民国の航空工業開発センターはアメリカ合衆国のノースロップの協力を得て、後継練習機を開発することとした。
1975年に開発契約が結ばれ、初号機は1980年9月16日に初飛行している。これは、中華民国における初のジェット機開発でもあった。
機体は、ジェットエンジン双発の低翼配置のものである。主翼はスーパークリチカル形のほぼ直線翼で後退角は7度しかない。エンジンは胴体側面に装備され、ノズルは胴体後部側面に位置する。練習機であるため、タンデム複座であり、視界は良い。固定武装として機銃を装備できる。
部隊配備は1984年から開始され、1990年までに60機が生産された。1980年代後半に単座の軽攻撃機型の検討も行われ、2機の試作機が製造されている。これはA-3またはAT-3Aと呼ばれている。なお、AT-3も改装を受け、軽攻撃機としてのアビオニクスを装備したAT-3Bに20機が改装されている。
AT-3は、主に戦闘機乗員養成過程における中間・高等練習機として用いられている。
[編集] 要目
- 全長：12.9m
- 全幅：10.5m
- 全高：4.36m
- 自重：3.9t
- エンジン：ギャレットTFE731 ターボファンエンジン（推力 1.6t）2基
- 最大速度：898km/h
- 航続距離：2,250km
- 乗員：2名
- 武装：なし-機銃装備可・爆弾など2.7t搭載可
