73式小型トラック

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73式小型トラック（新）

73式小型トラックは1973年（昭和48年）に採用された自衛隊の汎用小型軍用車両（トラック）である。三菱自動車工業（パジェロ製造）が製造するが現在は2種類の車両がある。尚、「73式」となっているが実際は「制式化」されておらず、正式名称については「1/2ｔトラック」に変更される。

[編集] 歴史

[編集] 旧（1973-1997年）

73式小型トラック(旧)

日本国内で生産されていた四輪駆動車で、当時JEEPのライセンスを行っていた三菱自動車が、それまで防衛庁向けに生産していた1/4tトラックの後継車として、防衛庁の要求に合わせて積載量の向上を図りJ20系JEEPを防衛庁向けに改良したものである。

マニュアルトランスミッション（前進4速タイプＨｉ・Ｌｏ切り替え可能）であり、また60式106mm無反動砲や64式対戦車誘導弾を搭載したタイプなど数々の派生型も生まれ、現代の軍馬の如く自衛隊の各部隊には必要不可欠な車両となっている。

市販型のショートボディのものも三菱・ジープとして生産され続けたが、平成9年に生産終了となった。現在修理用の部品を調達する関係上部隊内では現役で走行できる車体でも廃車にして部品の調達を行っている。

[編集] 新（1996年-）

73式小型トラック（新）シフトレバー

旧式化が目立ち、排ガス規制などにも適応出来なくなってきていたジープタイプに代わり、1996年（平成8年）からはパジェロベースで、ショートボディのリアフレームを若干伸ばし、貨物対応のためリーフリジット化された車両が採用され、「（新）73式小型トラック」として逐次替わってゆくこととなる。自衛隊員からも、車名のまま「パジェロ」で呼ばれている。

なお、パジェロベースの車両についても正式名称は「73式小型トラック」(平成13年度納入車から「1/2tトラック」に変更）ではあるが、乗降性の改善のために取り付けたサイドステップのために小型車枠をはみ出してしまい、当初「小型」呼称であるのに高速道路通行料金は普通貨物車（1ナンバー車）と同じ料金を払うこととなってしまった。（現在は普通乗用車料金）

オートマチックトランスミッションで市販パジェロJ-TOPと同じ18インチの大径タイヤ（YOKOHAMA製215/85・18、専用鉄ホイール）を装着し、三菱独自のセンターデフロックつきフルタイム4駆機構のスーパーセレクト4とあわせて、不整地走破性は旧式純正JEEPと同等程度の性能を持つ。また関東以西での使用を考慮しエアコンと、災害情報収集のためAM・FMラジオが標準装備されている。但し、トランスミッションの特性（ロックアップ機構を組み込んでいない）と車両重量の増加やエアコン標準搭載もあり燃費は従来のジープより遙かに低下し、エンジン音も旧型よりエンジンが後方に積載されることもあり、大きく聞こえるようになった。

固有の搭載火器はないが、5.56mm機関銃MINIMIなどの各種機関銃や対戦車誘導弾などを搭載することが可能である。最大積載量が440kgしかないため、重量のある物品の運搬・牽引には73式小型トラックでは不十分で高機動車が使用されることがある。

また、6名乗車可能であるが従来のジープ型が後部4名に対しパジェロベースが後部2名乗車であり残りの2名は運転席と助手席のシートを倒して中間の席に乗降するため戦闘時にはジープ型より展開に時間がかかると言われている。また、初期型は冬季のエンジン始動に時間がかかる。（従来よりも予熱に時間がかかるため）そういったことから、あらゆる意味で、展開や信頼性には旧型に譲る面もあると思われるが、乗員の移動における疲労軽減や車室が確保された室内における対化学兵器性能では、旧型を凌駕しているともいえる。