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量子デコヒーレンス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

量子デコヒーレンスは、「シュレーディンガーの猫」の問題についての解釈に用いられる物理現象。デコヒーレンス。

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the graphical information of Caldeira-Leggett model at high temperature and weakly damping
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the graphical information of Caldeira-Leggett model at high temperature and weakly damping

目次

[編集] 概要

シュレーディンガーの猫」の問題で、「波動関数の収縮」を異なる量子状態間の干渉(遷移確率)の消失(デコヒーレンス:decoherence)であるとする解釈がある。 デコヒーレンスは外部環境からの熱ゆらぎなどが主な原因。これに関する Caldeira-Leggett理論によって、研究者レベルでは「シュレーディンガーの猫パラドックスはほぼ解決済。つまり、猫のようなマクロな系は本質的に孤立系とはなり得ず、常に外界からの揺動を受けている。その揺動は猫の波動関数を収縮させ、その結果、箱の中において猫の生死は観測前に既に決定している、ということである。

この「外部環境」は必ずしも空間的に外側である必要すらない(猫の持つ体温でも良い)。実はこのことは我々の住む「マクロな」宇宙の単一性を保証している。量子デコヒーレンスは現在では量子コンピューターの実現への障害としての関心が強い。

[編集] ユニタリ性の破れ

量子デコヒーレンスとは、波動関数の時間発展演算子Uがユニタリ性を失う事だと言われている。

ψ(t) = Uψ(0) : U = exp(-i/hbar Ht)

この式の両辺をt微分するとシュレーディンガー方程式となる。ユニタリであるとは、

U†U = 1

であるから、これが成り立つということは、系のハミルトニアンに対し、

[H, U†U] = 0

という事である。閉鎖系のHに対し、これは明らかである。逆に言えば閉鎖系でない、すなわち開放系に対しては成立しない。

[編集] 古典系における時間反転対称性の破れ

古典系においての基礎方程式であるニュートン方程式は時間反転対称性つまり可逆性を持つ。ある運動に対して、その向きを反転した運動が存在する。ところが液体中の古典粒子の運動を記述するランジュバン方程式は不可逆な方程式である。静水の中で発射されたボールは水分子との衝突により減衰し静止する。しかし静止したボールが静水中の分子からの揺動を受けて高速度となる事は起こらない。

ニュートン方程式からランジュバン方程式を導出する際には「粗視化」あるいは「縮約」という平均化操作が行われる。水分子全てとボールを全てニュートン方程式で記述し、そして水分子の自由度をすべて平均化すると、ボールのみに対するランジュバン方程式が得られる。そしてボールは不可逆性を得る。

この事は平均化によって水分子の詳細な情報が失われた事によるとも言えるし、「水+ボール」という複合系の部分系「ボール」は、保存系ではないからなんでもあり(環境効果)とも言える。このように粗視化操作によって、我々の住む巨視的な世界の不可逆性が再現される。

[編集] 古典系における時間反転対称性と量子系におけるユニタリ性の類似

空間反転に対するパリティ演算子Pのアナロジーとして、時間反転に対する演算子Rを定義する。

ψ(-t)=Rψ(t) : R = exp(i/hbar H%t)exp(-i/hbar Ht)

(ここで % は時間反転共役t→-t,p→-p etc.を表す) 可逆な系であればRの固有値は1なので、閉鎖系に対して

[H,R]=0

が期待される。

このRの性質をいろいろ考えてみる。

1, 時間反転2回で(t→-t→t)であるから、(RR=1) が成立するとする。その時

H=H% が十分条件。(ハミルトニアンの時間反転対称性)

2, 一方、R自体がユニタリ(R†R=1)であるとすると、

H†=H かつ H%†=H% が十分条件。(ハミルトニアンエルミート性

3, Rがエルミートであること (R†=R、実数固有値) を要請すると、

H†= H% かつ H%†= H (ハミルトニアンのエルミート共役と時間反転共役の等価性)

が十分条件として得られる。 この3つの条件のうちで、3が一番強い条件だと仮定する。 この条件が成立するとき、

R = U†U

となり、そのときUのユニタリ性の破れと系の時間反転対称性の破れは同時に生じる事になる。

[編集] シュテルン-ゲルラッハの実験

例えば、シュテルン-ゲルラッハの実験を思い起こそう。外部環境としての磁場が存在している中に、銀粒子ビームを透過させると、ビームは電子のスピン上下に対応して2本に分かれる。例えばここで、分かれたビームの上側だけの銀粒子を回収して調べれば、その荷電子スピンは全て同じ向きだろう。…つまり、電子は磁場を受けて分岐した時点で、スピン状態の重ね合わせを失っているのである…。

外部環境としての磁場が存在する場合には、系は時間反転対称性を満たさない。その中の荷電粒子が速度を持って運動する時、それはローレンツ力によって円運動するが、同じ磁場の向きで同じ粒子であれば、常に同じ向きにしか円運動しないだろう。それに対応した逆運動は存在しない(もしもそれを実現させようとするなら、外部磁場の向きを変えるか、粒子の電荷を反転させるしかない)。つまり、外部磁場は系の時間反転対称性を破る。この事と「電子スピンの重ね合わせの消滅」が関係しているはずである。

[編集] Caldeira-Leggett模型

上記の議論より、古典的に不可逆な系においてはユニタリ性が破れる事が期待される。

A.O.CaldeiraとA.J.Leggettは、熱的環境に浸された一つの調和振動子(ばね振り子)がユニタリ性を失う事を理論的に示した。熱的環境としては無数の調和振動子を用い、古典的にブラウン運動(揺動散逸定理)を再現するような物である。初期状態でガウス型波動関数の対(シュレーディンガー猫状態)を用意すると、それぞれの波束中心(平均値)は古典的な減衰調和振動を行い、波束幅は揺動散逸定理を再現する。

それら2つの波束の間の量子干渉は、無環境の場合、2つが接触すれば強くコサイン型の振動を生じる(これは2重スリット実験における干渉縞そのものである)。ところがこのような「摩擦」が存在する系では量子干渉が強く減衰する事が示される。 (A.O.Caldeira and A.J.Leggett. Phys.Rev.A 31 1059-1066 (1985))

量子干渉はユニタリ性から来るため、この結果は系がユニタリ性を失った事を示している。ところで、ここで用いられた手法はFeynman-Vernonの影響汎関数法と呼ばれ、熱的環境の自由度を平均化して対象となる系の振舞いを記述する。これは古典的ランジュバン方程式ニュートン方程式から導出する際に用いられた粗視化操作と同等である。それゆえにその操作によって系のユニタリ性が破れたとも解釈できる。

[編集] デコヒーレンス時間

量子状態間の干渉(遷移確率、状態の重ね合わせ)の減衰時間ΤDの事であり、一般的に力学的な運動の減衰時間ΤRより短い。例えば、温度300K・1グラムの巨視的な物体が、1cmだけ離れた量子状態を持つとする。つまり

lumps of sugar
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lumps of sugar

Ψ = |x=0> + |x=1cm>

この場合、ΤD/ΤR ~ 10のマイナス40乗 となる。 力学的な減衰時間ΤRが宇宙年齢~10の17乗秒ほどだったとしても、量子干渉は~10のマイナス23乗秒で崩壊する。(Zurek 1984他)

この様に、巨視的な物体が熱的な環境に曝されている場合、その環境効果が微弱であろうとも、物体の「巨視的に異なる」量子状態の重ね合わせは簡単に破壊される。シュレーディンガーの猫のもつ「生」と「死」の状態の重ね合わせもこのようにして消滅すると考えられる。

[編集] 直感的な解釈

二重スリット実験を考えてみよう。2つのスリットから出た光は干渉し、スクリーン上に濃淡の縞模様を映し出す。ところが、もしもスリット板が外部からの揺動やノイズにさらされている場合どうなるだろうか? 縞模様は振動し、光の濃い部分と薄い部分が混ざり合い平均化されてしまう。実際に、電子を用いた干渉実験の撮影時には、実験施設の近くをダンプカーが通っただけで失敗する。縞模様は量子干渉を表しているので、この事は外部からの揺動が量子性を破壊したことを示している。」

これはよく用いられるデコヒーレンスの直感的な説明であるが、それほど間違いではないと思われるだけでなく、重大な示唆も含んでいる。つまり、デコヒーレンスによって失われるのは粒子の確率密度関数の量子干渉項だけではなく、その他の振動的な部分も破壊するのか?

[編集] the Preferred pointer basis

量子力学と現実を対応付けている物理量である確率密度関数Ρは、ヒルベルト空間においてどのような状態ベクトル基底単位ベクトル)を用いるかに依存しない。ある状態 Ψ=Σ(k)ck・φk を満たす直交基底φに対して回転操作

φ(θ)= exp(iθ)φ を行うと Ψ(θ)=Σ(k)exp(iθ)ck・φk

Ρ(θ)= Ψ*(θ)Ψ(θ) = Σ(k,l)exp(-iθ)ck*φk*・exp(iθ)clφl = Ψ*Ψ = Ρ

であるから、回転角θに依存しない。そうすると、猫の状態ベクトルを

Ψ = |生>+|死>

Ψ(45°)= (|生>+|死>)/√2 + (|生>-|死>)/√2 と回転させても、その結果としての物理は変わらない事になる。

もしここで観測なり何なりでデコヒーレンスが起こって、状態の重ね合わせが破壊されたとすると、

Ψ(45°) = (|生>+|死>)/√2 となり、めでたくゾンビ猫の完成である。

つまり、量子力学的な状態の基底の任意性が、我々の住む古典的な世界では失われている。その結果、量子系を測定(古典系と結合する行為)して出てくる結果もまた基底任意性は失われている、という事である。そして、古典的世界に耐えうる状態ベクトルの基底がただ一つ存在し、それは the Preferred pointer basis と呼ばれる。

上記の直感的説明を考慮すれば、デコヒーレンスが破壊するのは量子干渉項だけでなく、古典世界に耐えられない脆弱な基底もまた破壊される可能性もあるが、筆者の知る限りでは未だ憶測である。Zurek らは外部環境からの揺動によって…決定論的方程式に従い予測可能性を持つ…古典的基底が選択される事を「ふるい」になぞらえて the Predictability Sieve と呼んでいるらしい(Zurek 1993)。

[編集] 粒子の区別可能性

量子力学的粒子の特徴として「同種粒子が区別できない」という事が良く言われる。それに対し、ニュートン方程式に従う様な古典粒子は「区別できる(可峻別)」。デコヒーレンスが量子力学的世界から古典的世界への遷移を記述するのなら、「区別不可能」→「区別可能」への遷移をも記述しなくてはならない。単純なモデルで説明する。

区別可能な2つのボール{●、○}と、一枚の厚めの板を準備する。その板には左右に2つのへこみがあり、それらにはボールが1つずつ入れられる様になっている。左のへこみに黒いボールそして右に白いボールが入っている状態ベクトルを|●、○>、その逆を|○、●>と書く。

量子力学的に、2つのボールと一枚の板からなる閉鎖系の状態は次の様に書ける。

Ψ = |●、○> + |○、●>

これをこう書いても良い。

Ψ = |◎、◎> : ◎は灰色

もしも人間の視覚が「状態の重ね合わせ」を見る事が可能ならば、こう見えるだろう。この場合、右と左のへこみに入っているボールは(区別不可能というより)「同じもの」である。我々はこの状態をもって「2つのボールは区別できない」と認識している、と考える。そこにデコヒーレンスが生じる事で

Ψ = |●、○>

という様に、粒子の可峻別性が再生される。

[編集] コペンハーゲン解釈、エヴェレット解釈との関係

ウィキペディアのコペンハーゲン解釈エヴェレット解釈の説明に沿って、シュレーディンガーの猫波動関数で表現する。

コペンハーゲン解釈: φ(猫) = |生>+|死> ⇒ φ = |生>

エヴェレット解釈: Ψ(観測者+猫) = Φ(観測者)φ(猫) = Φ|生>+Φ|死> ⇒ Ψ =Φ|生>

簡略化のため、観測者と猫のエンタングルメント(量子もつれ)は考慮していない。(⇒)は「観測による収縮」そして「世界の消滅」を表し、デコヒーレンスなどの非ユニタリ過程はそれらの具体的なメカニズムを与える。この様に書いてみると、コペンハーゲン解釈は(猫のみの情報を記述する)一体波動関数エヴェレット解釈は(観測者と猫の情報を同時に記述する)二体波動関数にそれぞれデコヒーレンスが作用したと再解釈が可能である事がわかる。つまり、どちらの解釈も正しかったのである。

[編集] 並行宇宙について

量子力学の多世界解釈(エヴェレット解釈)との関連で、「われわれの住む宇宙も複数の異なる量子状態を持つはず。つまり並行宇宙が存在するに違いない。」という話がある。普通これを否定するには、「巨視的な系に量子力学は使えないだろ」という文脈が用いられる。ここでの「巨視的」というのは、かつては空間的スケールの事を指していた。しかしその場合に量子力学が使用できないという証明もされてこなかった。

とりあえず「量子力学は空間的に巨大な系にも成立する」という仮定の下に、デコヒーレンスを用いて、我々の住む宇宙の単一性を示すことも出来る。宇宙の外に「熱浴」は存在しないが、我々が宇宙を認識する時には、全ての構成粒子ではなくその「部分系」のみを見ている事に注意しよう。「集団的自由度」と言い換えても良い(猫で言えば、猫の外形を形作るだけの自由度)。

[編集] 「情報」とブラックホール、デコヒーレンス

よく「閉鎖系のエントロピーは増大する」と言われる。このような、エントロピーが「増えた」とか「減った」という時には、必ず粗視化あるいは縮約操作が入っている事に注意しよう。粗視化されていない厳密な分布関数…例えば量子力学的な…から決定されるエントロピーは時間依存性を持たない。粗視化されて初めて、系は時間反転対称性を失い、エントロピーの一方的な増加法則が生まれる。

例えば、「ブラックホール情報量エントロピー)はその表面積に比例するが、蒸発により表面積は減少する。つまり、情報が失われている」と言った時、この情報は「粗視化された(巨視的な)情報」である。

一方、「ユニタリ的時間発展の特徴は情報を保存する事で、その場合エントロピーは変化しない。」と言った時、その情報は「粗視化されていない(微視的な)情報」である。この2つは一般に、別の物である。

蒸発するブラックホールは散逸系であり、外部環境へとエネルギーや粒子が逃げていく。それら環境自由度について縮約・粗視化する事で、残ったブラックホールはユニタリ性を失うだろう。

[編集] 注記

この量子デコヒーレンスの解釈は、量子力学の最先端の話というよりは、ごく狭いタコツボ的な領域における特殊な見解である、とも言える。このような特殊な解釈で、「シュレーディンガーの猫の問題を解決した」と称する立場は、他にもいくつかあるのだが、しかし、いずれも広く支持されるには至っていない。

ただし、研究者の一部は、「量子デコヒーレンス」という概念を非常に重視する。もちろん、量子力学の様々なパラドックスを量子デコヒーレンスだけで説明するのは難しく、「古典性」の原因が複合的である可能性もあるが、それでも量子デコヒーレンスはシュレーディンガーの猫パラドックスに対する解答に最も近い位置にあるだろう、と見なす。最近では「情報」と量子デコヒーレンスとの関係も精力的に研究されている。例えば "Quantum behavior of deterministic systems with information loss: Path integral approach" M.Blasone et al. Annals of Physics 320(2005) 468-486 などがある。

[編集] 参考文献

Zurekによる概論:http://arxiv.org/ftp/quant-ph/papers/0306/0306072.pdf

Caldeira-Leggett理論:"Influence of damping on quantum interference: An exactly soluble model" Phys. Rev. A 31, 1059–1066 (1985) 

藤崎弘士氏その他による詳細な研究、べーごまにおける量子カオスなどの力学的側面からアプローチしたもの:"Dynamical aspects of quantum entanglement for weakly coupled kicked tops." Phys Rev E Stat Nonlin Soft Matter Phys. 2003 Jun;67(6 Pt 2):066201. Epub 2003 Jun 2.  

日本語での参考文献:岩波書店新物理学選書「巨視的トンネル現象」高木伸  ISBN 4-00-007412-1

竹内薫氏によるシュレ猫談義:http://kaoru.to/s_column/s_column06.htm

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