野獣死すべし (1980年の映画)
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| 野獣死すべし | |
| 監督 | 村川透 |
|---|---|
| 製作総指揮 | 黒沢満 紫垣達郎 |
| 製作 | 角川春樹 |
| 脚本 | 丸山昇一 |
| 出演者 | 松田優作 小林麻美 室田日出男 鹿賀丈史 |
| 音楽 | たかしまあきひこ |
| 撮影 | 仙元誠三 |
| 編集 | 田中修 |
| 配給 | 東映 |
| 公開 | 1980年10月4日 |
| 製作国 | 日本 |
| 言語 | 日本語 |
| allcinema | |
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『野獣死すべし』（やじゅうしすべし）は、大藪春彦原作の同名小説を映画化した日本映画。
数本映画化されているが、本項では1980年の作品について記述する。その他の映画化作品については『野獣死すべし』を参照。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 概要
配給は東映、製作は角川春樹事務所。主演を務めた松田優作の鬼気迫る演技が話題となり、映画化された同名作品の中では、本作が最も有名な作品である。
松田優作は、この作品の主人公になりきるために減量して撮影に臨んだが、更に頬がこけて見える様にと奥歯を抜いたという逸話もある。また、役になりきる上では身長が高過ぎるという理由で「足を5cm程切断したい」と、本気で語っていたとも言われる。
本作のラストシーンの解釈には「殺された」「伊達の見た幻影」など諸説ある。泉谷しげるや角川春樹がカメオ出演している。
主人公・伊達のキャラクターは原作とは大きく異なっている。そのため脚本を担当した丸山昇一は、伊達のキャラクター描写について大藪春彦から批判されたと後に語っている。これは大藪が伊達を野性的なタフガイとして位置付けていた（大藪は『野獣』シリーズ以外の作品にも伊達を登場させているが、その人物像は終始一貫している）のに対し、丸山は原作が書かれた時期とは時代の様相が大きく異なっていた事も鑑みて、当時の若者から感じ取った掴みどころがなく陰湿な不気味さを持った人物として伊達を描いた事に起因する。
[編集] ストーリー
ある大雨の夜に、刑事が殺され拳銃が奪われる事件が起きる。更に、その拳銃を使用した違法カジノ強盗殺人事件が起き、世間は騒然となる。その犯人は、数々の戦場で地獄を見てきた元通信社カメラマンの伊達邦彦だった。伊達は東大卒のエリートで頭脳明晰、射撃の心得もある。普段は音楽や読書に没頭し、社会とは隔絶した生活を送っている。
次の標的を銀行に定めた伊達は綿密な計画を企てるが、厳重な防犯体勢の元では単独犯行は無理と判断。共犯者を求めている時に東大の同窓会に出席した伊達は、野獣の眼をしたレストランのウェイター・真田に出会い、行動を共にするようになる。真田に銃の扱い方を教え、「動く標的」として恋人の殺害を強要する。そして、殺害を実行した真田に向かって「美しい」と語るのだった。
二人は銀行襲撃を決行するが、伊達に思いを寄せる華田令子が客として偶然居合わせるという予期せぬ事態が起きる。行員達を次々と殺害し、地下金庫から大金を収奪すると逃走を図るが、そこにはマスク姿の伊達を見つめる令子の姿があった。振り返った伊達はマスクをはずし、躊躇する事無く冷静に令子にも引き金を引いた。
警察の緊急配備網を鉄道移動で脱出したかに思えたが、伊達を執拗に追い回す変わり者の刑事・柏木はどこまでも付きまとう。列車移動中にラジオで令子殺害を知った柏木は、伊達に拳銃を向け対決を決意するが、背後から真田に銃を突きつけられ形勢を逆転される。伊達は拳銃にロシアンルーレットのように一発だけ弾丸を装填し、柏木に向けリップ・ヴァン・ウィンクルの話をしながら引き金を引き続けるが、なかなか弾は発射されない。耐え切れなくなった柏木は逃走を図るが、背後から狙撃され殴る蹴るの暴行を受ける。異変に気付いた車掌も襲撃し「一時撤退」と叫んで、二人は列車の窓から飛び降り逃走する。常軌を逸した真田は女性を強姦するが、その姿に戦場での強姦場面が蘇った伊達は狂気を発し、仲間の真田をも殺害する。
