ウェイター
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ウェイターはレストランやバー、ホテルの宴会場などの外食産業において、接客業務を担当する従業員を指す。後述の通りさまざまな呼び方があるが、本項ではウェイター/ウェイトレスと呼称する。
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[編集] 名前の由来・歴史
英語のWait:待つ、から来ている。店内各所で待ち構えて迅速に接客を行なう姿から「待つ人」として呼ばれている。17世紀にコーヒー・ハウスが大流行したイギリス、フランスなどの西欧国家で発生したというのが定説である。日本では大正時代に都市で喫茶店が増加した折りに増加、その頃は給仕、女給と呼ばれていた。また、昭和の頃には一部でレストランのウェイターをボーイと呼び、バーなど酒場の店員をウェイターと呼ぶという、独特の使い分けが見られたこともある。
男性をウェイター、女性をウェイトレスと呼ぶことが非常に一般的である。これは性差のある呼び方のため、男女平等の観点から日本では職名としてはホールスタッフ、フロアスタッフ、ウェイター/ウェイトレス、接客係などと呼称するようつとめているが、しっくりとくる別名が定着していないためにウェイター/ウェイトレスという呼ばれ方がなされる。またホールスタッフなどの名称はパチンコ店などの外食産業以外の接客業でも用いられている。
[編集] 業務の概説
日本では極めて一般的な職業である。小さな飲食店では店舗規模も小さく皿洗い兼接客係といった形態も多い。大型の外食産業の店舗では多くの専門のウェイター/ウェイトレスを雇用している。どの形態の店においてもウェイター/ウェイトレスの仕事は客の注文を受け、それをキッチンに伝え、料理や飲み物、酒類をテーブルまで運ぶことである。店によってはさらに特殊なサービスを求められる場合もある。近年流行となったメイド喫茶では誕生日に歌を歌う、特定の料理にケチャップでメッセージを書く、じゃんけんなどのゲームをする、といったサービスをウェイトレスが行なう。またホテルなどではこうした大衆的なサービスではなく、料理を出すタイミングやリラックスして食事を楽しめる環境の整備など質の高いサービスが求められる。海外の大衆向けの大型レストランなどではローラースケートを履いたウェイトレスが配膳を行なうチェーンもある。
[編集] チップについて
日本ではほとんど定着していないが、西ヨーロッパ諸国を中心とする西欧文化圏においては、チップ(Tip)はウェイター/ウェイトレスの重要な収入源である。チップの始まりについては諸説あるが、イギリスにおいてとある飲食店が従業員のサービス向上のために「To Insure Promptness(迅速さの保障のため)」と書かれた壷を用意して、サービスに満足した客からの募金を募ったことから始まったとされる(頭文字をとってTIPと呼ぶようになったとも言われる)。時期ははっきりしないが17世紀のコーヒーハウスを描いた銅版画にもその記述のある壷が見うけられる。そのためウェイター/ウェイトレスのいる店においてはチップを支払うのが礼儀であり、スタッフの仕事に対する評価になっている。チップがもらえなかったこと=自分の仕事に不満、という受け取り方をされることが多い。 また地域によっては子どもなどの粗相でテーブルをたいへんに汚した場合の迷惑料としてチップを置く、という場合もある。
[編集] 制服
ウェイター/ウェイトレスの制服は店によって異なっている。経営側も利用客も制服は店の雰囲気をつくるものとして重要視している。アンナミラーズのようにウェイトレスの制服が集客要素につながる場合もあり、各店舗でさまざまな制服が見られる。個人経営の喫茶店などではエプロンをしただけの場合が多い。
[編集] 日本におけるウェイター/ウェイトレス
[編集] ホテル宴会場
配膳人紹介所に登録して、仕事を斡旋して貰い、ホテルの宴会場・結婚式、パーティなどで提供される料理を配膳・中間下げ物・バッシングする作業などを行う。高級ホテルなどの派遣仕事が多い為、言葉遣い、身だしなみ、マナーなどの一般常識に関する、就業規則が厳しい分、給与は他よりも高めである。社内教育の高さからかプロ意識の高い人が多い。
客席にて小分け料理を提供時に、サーバースプーンとサーバーフォークを利き腕に持ち、取り分けて行う。この持ち方の名称を「サーバー」と言う。サーバーの持ち方には、ジャパニーズと呼ばれる方法とウェスタンと呼ばれる持ち方の2種類がある。皿料理の提供時、2~3枚持ちなどで運ぶ。 男性の制服については、黒のスラックスは自前で用意する事が基本である。上着のベストは派遣先のベストを着用する
[編集] フルサービスレストラン
一般的なフルサービスレストランに置けるウェイターの役割は重要な物となる。無論、明るく感じの良い接客をするのは基本である。ウェイターの接客がその店のレベル・質を量るバロメーターにもなる。呼び出しベルなど無い店舗は常に客席への目配り、オーダー受けのタイミングやお客様からのシグナルとされる「従業員を探す仕草・キョロキョロと目線で探している」など、に機敏に反応し、対応しなくてはいけないからである。厨房との連携や、ファミリー向けのお子様メニューなのど優先提供などの指示出し、お冷(水)・コーヒーのお替りなどを行なう。
近年のサービスに対する意識の変化(受け手も提供側も)により、ファミリーレストランではフロアーへの目配り・気配りは形骸化され、呼び出しベルによる客からの要求を受けてから、行動する形となってしまった傾向もある。
[編集] 近年のローコストレストラン
客席・フロアーへの目配りなど出来る人員など確保出来ない、ローコストオペレーション・ファミリーレストランでは効率良く料理の配膳、中間下げ物、バッシング作業などこなし、テキパキレジ会計などをこなす、などか求められる。「無論、明るく感じの良い接客をするのは基本である」食後のデザートなど頼んでいると、メインの食事が食べ終っていない時点でデザートが来てしまう、など、不満を持つ利用者など少なくも無いが、その分、リーズナブルな価格での食事が楽しめればそれで良し、と言う、ドライな考えの利用者も多いもの事実である。
[編集] 軽食・喫茶店
大規模ファミリーレストランと違い客の人数が多くないために、比較的作業量の多い職場では無いとされる。ただし軽食・喫茶店では、人員が少ないので要領良く皿洗いや、デザート作り、軽食作りなどに関わるケースもあるので、大規模レストラン並に作業量が有るケースもある。
[編集] 関連項目
- フロアスタッフ
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