胸フェティシズム
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胸フェティシズム（むね- 英語：Breast fetishism）は主に女性の乳房の形、大きさ、およびそれらの動きなどに対する著しい性的嗜好の固着を指す。
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[編集] 概要
ヒトの成人女性の胸（乳房）は他の哺乳類に比べて特異な進化をしている。妊娠前から膨らんでいる乳房は、猿などの霊長類や他の哺乳類にはあまり見られない特徴となっている。そのため乳房は性的な関心を喚起することが多くそういう部位として認知されている。また女性らしさ・母性を示す記号ともなっている。主に欧米、特にアメリカにおいて大きなサイズの胸が商業主義的な需要にあいまって高い評価を受けてきたこともあり、文化的に近い国において胸の形、大きさなどへのこだわりが見られ（男女問わず）、性的なフェティシズムやパラフィリアの要因となることも多い。
こうした背景から、胸に対する性的嗜好の固着が見られ、性行為よりも胸への愛撫や胸をさわりながらの自慰などに固執する傾向を胸フェティシズムと呼ぶ。精神医学的にはパラフィリアに分類されることもある。
日常生活において胸と尻は非常にプライベートな部分なので、それに言及することはセクシャルハラスメントとなる可能性が高い。また胸で個人を評価することは人格を否定する行為であることは理解しておく必要がある。フェティシズムの本来の意味からすれば、そうしたことを理解したうえで胸に対する性的嗜好が抑えられずに苦しむ状態が持続しなければならないが、近年フェティシズムという言葉の氾濫により、単なる「好き」「好み」という意味で用いられていることが多く注意が必要である。
[編集] 胸に関するフェティシズム・パラフィリア
[編集] サイズ
大衆文化においては、俗に巨乳と呼ばれる大きなサイズの胸がもてはやされる傾向にある。もともと見かけの大小は乳房の授乳機能にあまり相関関係をもたないが性的なシンボルとしての魅力はそのサイズによる影響が大きい。男性の好みもさまざまで、大きな胸に執着する傾向と小さな胸に執着する傾向などが見られる。ある程度の大きさの乳房を求める傾向は男性のみならず女性にも存在し（これはフェティシズムとは微妙に異なるが）さまざまな努力をする女性も少なくない。ただし、女性にとっては俗に言う巨乳ほどのサイズになると既製服や下着に着用できるサイズが減る、肩が凝る、セクシャルハラスメントを受けやすくなるなどいいことばかりではないとされる。
現代では需要に応える形で外科手術によって胸を大きくする豊胸手術が行なわれており、シリコーンバッグや生理食塩水、本人の余分な脂肪などにより胸のサイズを肥大化させることが可能である。アメリカの一部のポルノスターには段階的に外科手術を行ない、自然にはありえないサイズの乳房を手に入れている者がいる。これは商業主義と密接にからんでくるために、フェティシズムに分類できるかどうかは不明だが、より大きな胸をなんらかの魅力と感じる層が存在する傍証ではある。
こうした外科手術の存在により、現代では自然な胸（Natural Breast）にこだわる傾向も見られる。外科手術を嫌う傾向は文化的宗教的な背景もあり一概にフェティシズムにくくるのは困難である。ヨーロッパでは特にその傾向が強いとされ、俗にスーパーモデルと呼ばれるモデルにはむやみに大きな胸の女性は少ない。
日本におけるアダルトゲームや成人向け漫画などオタク的サブカルチャーにおいては、非現実的な乳房の描写がしばしば見られる。骨格や筋肉、重力をも無視したその異常なサイズの胸は俗に爆乳（ばくにゅう）、超乳（ちょうにゅう）などと呼ばれ、萌え属性の一つになっている。またアダルトゲームや同人誌に見られる身体改造のテーマの一つに、胸をだんだん大きく改造するというものが散見され、それらは膨乳（ぼうにゅう）などと呼ばれある種のジャンルを形成しているとされる。もちろん小さな胸にこだわる層も少なくなく、ロリータコンプレックスとオーバーラップする貧乳（ひんにゅう）微乳（びにゅう）と呼ばれる小さな胸への偏愛は一定の愛好者を持っている。中には成人した女性であってもあまり大きな乳房は好まないとする傾向も存在している。
[編集] 形状
日本では俗に美乳と呼ばれる形の良い乳房に執着する傾向が見られる。欧米においてもブラジャーをしない層が存在するためか、張りのある乳房を美しいと表現する傾向にある。お椀を伏せたように乳房の上部も盛り上がる形状や、俗にロケットバストと呼ばれる前方に突き出す形状など好みは分かれる。俗に垂れ乳と呼ばれる垂れ下がった胸に対する性的な執着も存在しているが少数派と言える。
また乳輪の大きさや色にもこだわりが見られる場合がある。
[編集] 動き
豊かな胸の女性が走る、縄跳びをするというシーンを収めた動画がインターネットコミュニティ上で配布されるなど、俗に乳揺れと呼ばれる乳房の跳ね回る姿に対して性的倒錯を覚える傾向も存在する。日本のアニメーションでは近年その傾向が顕著で、深夜アニメやオリジナルビデオアニメーションなど視聴対象年齢が高めの作品では異常なほどの乳房の動きが見られる。
