松平定安

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松平定安（まつだいら　さだやす）は、江戸時代の大名。出雲松江藩の第10代（最後）の藩主。

松平定安

凡例

時代

江戸時代末期（幕末）。明治時代

生誕

天保6年4月8日（1835年 5月5日）

死没

明治15年（1882年）12月1日

別名

済三郎（幼名）。松平直利。徳広（別名）

諡号

標堂

戒名

松江院

官位

従五位下、従四位下、従四位上、出雲守
左近衛権少将、侍従、出羽守

藩

出雲松江藩主

氏族

松平氏

父母

父：松平斉孝、母：雨林氏（法乗院）
養父：松平斉斎

妻

正室：松平斉斎の長女・光彩院
側室：鶴岡氏、那須氏

子

5男10女（長男：恵之丞、次男：大橋安敦
三男：松平直亮、四男：松平直平、五男：松平長
四女：八百姫（松平康民正室）
八女：鑑姫（浅野長勲正室）
九女：雅姫（松平武修正室）、十女：越姫（三井氏））

[編集] 生涯

1835年4月8日、美作津山藩主・松平斉孝の七男として生まれる。1853年9月5日、第9代藩主の斉貴（斉斎）が暗愚であったために家臣団や縁戚から強制隠居させられた後を受けて、その婿養子として家督を継ぐこととなった。幕末期の動乱の中では佐幕派として行動し、大坂や京都の警備を務めている。

藩政においては1862年、文武を奨励して西洋学校を創設する。また、フランス人を招いて砲術や西洋医術の導入、イギリスやフランスへの留学生派遣を積極的に行なっている。さらにこの年にはアメリカから八雲丸という軍艦を導入した。これは薩摩藩と長州藩以外の藩が外国の戦艦を導入した一例である。さらに1866年には女学校を創設している。それ以前の1863年には、軍備増強を目指して隠岐において17歳から50歳の民間における男子を徴兵して農兵隊を創設した。このように、定安は先見の明のある有能な藩主であったが、この隠岐における徴兵は地元農民の不満を買うこととなり、1868年に隠岐で3000人の民衆反乱が発生して郡代を追放し、隠岐に一時的に松江藩から独立した自治政権を作られるということとなった（これを隠岐騒動と言い、その後、定安は隠岐に軍を送って武力弾圧したが、これに薩摩藩と長州藩が反対したため、武力弾圧を取りやめることとなった）。

1866年に第2次長州征伐が起こると、定安は長州藩に敗れて国を追われた石見浜田藩主・松平武聰を保護している。その後、長州藩の軍勢が出雲国境にまで迫ってきたため、定安は1867年に幕府に無断で長州藩と単独講和せざるを得なくなった。1868年の戊辰戦争では新政府に与している。このとき、八雲丸は能登沖において座礁沈没してしまった。1869年の版籍奉還で藩知事となり、1871年の廃藩置県で免官された。