斉一説
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斉一説（せいいつせつ、さいいつせつ）とは、自然において、過去に作用した過程は、現在観察されている過程と同じだろう、と想定することである。近代の地質学の基礎となっている考え方。天変地異説（突発説）に対する説である。
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[編集] 提唱者
イギリスのジェームズ・ハットン (James Hutton)は『地球の理論』(1788年)において、「自然法則は地球が太陽の一員であるかぎり、過去現在をとおして不変である」と述べた。さらに以下のようなことも主張した。
- 「過去の地質現象は、現在の自然現象を注意深く観察することによって知ることができる」
- 「過去の地質時代の諸現象も、現在の自然の法則で生起した」
イギリスのチャールズ・ライエルはこの斉一説の考え方を「地質学原理」へと高め、同名の本『地質学原理』Principles of Geology を1830年代に出版することで、この斉一説が広く知られることに貢献した。
この斉一説はフランスのキュビエによる天変地異説（カタストロフィズム）に対して疑義を唱える説であった。
[編集] 反応
過程の一様性を重視したため、斉一過程説、漸進説とほぼ同じだと見なされることもあった。また、現在主義と同じだと見なされもした。
[編集] 継承・発展
斉一説により、天変地異説以外で説明する努力へとつながり、"思弁的な地質学" が "科学的な地質学" へと置き換えられてゆくことになった。
斉一説は、地質現象はきわめて長い時間でゆっくりと起きた、と言っているわけだが、この長大な時間尺度をもって自然現象を説明する考え方が、チャールズ・ダーウィンの進化論の発想の原点となった。ダーウィンはビーグル号での航海中にライエルの『地質学原理』を読んでいたのである。
