愛知県立横須賀高等学校
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愛知県立横須賀高等学校 | |
過去の名称 | 横須賀町立横須賀高等女学校 愛知県立横須賀高等女学校 |
国公私立の別 | 公立学校 |
設置者 | 愛知県 |
設立年月日 | 1923年(大正12年)4月 |
共学・別学 | 男女共学 |
課程 | 全日制 定時制 |
所在地・連絡先 | |
所在地 | 〒477-0037 |
愛知県東海市高横須賀町広脇1 | |
電話番号 | 0562-32-1278 |
FAX番号 | 0562-33-7532 |
外部リンク | 愛知県立横須賀高等学校 |
愛知県立横須賀高等学校(あいちけんりつよこすかこうとうがっこう)は愛知県東海市にある県立高等学校。
厳格かつ念入りな進学指導と高い部活動加入率が特徴。しかし、最近では厳格な進路指導に疑問を抱く者も多い。
最寄り駅は名鉄高横須賀駅。
目次 |
[編集] 沿革
[編集] 校訓
- 質実剛健
- 親切奉仕
- 勤勉努力
[編集] 制服
男子の冬服は黒の詰襟学生服。衿の右側に校章、左側にクラスバッジをつける。ズボンは標準型学生ズボンを着用。夏服は白無地のカッターシャツ又は開襟シャツ。カッターシャツの下に着るシャツは白の無地を着用する。
女子の冬服は濃紺のセーラー服で胸当てのあるもの。上衣ポケットの上右側に校章、左側にクラスバッジをつける。スカートは標準ひだスカート。ソックスは白又は黒系。夏服は白無地のセーラー服で胸当てのあるもの。
「服装チェック」が集会時などに実施され、男子は冬の場合ホック、カラーを中心にチェックし、夏の場合カッターシャツのボタン、下に着るシャツが無地であるかを中心にチェックする。女子はスカート丈が膝にかかる程度であるかを中心にチェックする。服装チェックに不合格の生徒は満足な服装になるまで毎日生徒指導室に呼び出されるなどの処置が施されることがある。
[編集] 部活動
1年生は基本的に全員参加である。文化部・運動部があり、それぞれが目標に向けて活動しているとみられる。3年生はほとんどが6月までに引退するため、それ以降は2年生が部の中心になる。また、部活動の他に文化系の同好会もある。 部活動によって活動時間量に差があるため、また進学を斡旋する学習体制であるため、1年生で部活動加入する際に中学時代の部活動を継続するかは慎重な判断が求められる。運動部の中には特に優秀な成績を残すものもある。
[編集] 生徒会
横須賀高校生徒会には、各種常任委員会と2局が置かれており、執行部(生徒会役員)として会長・副会長・各委員長・各局長がいる。慣例からか、立候補者不足からか、役員選挙は現在行われておらず、執行部や教員からの声掛け或いは自ら志願することで直接的に任命にまで漕ぎつける。さまざまな行事を役員が一丸となり協力して遂行する。1年度間で9月中旬を境目に前期と後期に分かれ、前期は主に球技大会・学校祭準備、後期は合唱大会・球技大会準備が行われる。
[編集] 教育課程
1年生は「芸術」科目を選択し、2年生で文系・理系に分かれる。3年生は文系のみ2つに分割される。
実力テストおよび課題テストの結果が、1位から50位まで名前と性別と偏差値と前回の順位が職員室に貼り出される。学年により、上位者(偏差値70以上)には一部の課題免除などの特典がある。
年間5回の定期考査があり、総合得点を教科数で割った点数を四捨五入で整数にした点数の偏差値で順位が出される。考査の際、各教科において平均点の6割を満たさなかった場合、「赤点」となり再試験を実施するが、現在は「再試験」の基準が国語は60点、他は50点と決められている。
「進研模試」「全統模試」の他「学研ハイレベル模試」(希望者)など多数の模試を行い、積極的に大学進学のためのサポートを行っている。
定期テストの平均点は6割程度。ときに4割程度や8割近くになる教科もある。一方、実力テストの平均点は2割程まで落ち込む教科もある。課題・実力テストにおいて難易度の高い科目は勿論平均点は下がるのだが、その中でも飛びぬけた高得点者が表れ、偏差値が100あるいは110を超えた事例もある。課題・実力テストの結果は集計された後、各教科の上位者を数十名ほど組・性別・偏差値・順位で一覧にし、教室に掲示されるのでそこで上位者層の分布を確認することができる。
夏・冬長期休暇には補習がある。夏期は国・数・英の3科目が2週間ある(基本的に強制)冬期は2学期に選択した朝補習の科目が1週間ある。長期休暇中はレベル別に補習を行うわけではないが、学期中は学力別に講座を分ける場合がある。長期休暇後には休暇中の課題を主として範囲とする「課題テスト」があり、学期ごとの「実力テスト」があるが、いずれも実力部分・課題部分に分かれる教科があり、実力部分は入試問題や模試の過去問などから出題される場合がある。なお、この課題部分の得点状況が悪い場合さらなる課題を課すこともあり、「答え写し」の勉強法を暗黙に否定している。 愛知県立半田高校との合同テストがあり、9割以上の進学希望者を含む約600人が競い合う。例年半田高校が若干平均点が高いが、得点層を分析すると強ち半田ばかりが上位者であるとも限らない。
[編集] 進学
国公立大学を中心に、各地の大学に進学している。 特に毎年平均200人近くが国立大学に合格しているが、中でも名古屋大学には毎年20人以上、愛知教育大学には30人以上が合格。 なお、センター受験率98%といわれており、成績の如何を問わず地方の国公立を受けさせる傾向があるという意見もある。
知多半島では、半田高校に次ぐ進学校となっている。平成18年度は国公立大へ227名が合格(横須賀学校のHP参照)。1年生を対象とした学部学科研究においては、大学に進学した卒業生を招いて講演を行う。親を招いての面談でも生徒の進学に関する話が行われる。東大・京大への合格者は毎年1人か2人或いは無しだが、有望な志望者が居る場合、特別な措置も視野に入っているらしい。
[編集] 教員
現在、地理・倫理・地学の教員が居ないためか、カリキュラム上学習できない。 毎年多くの卒業生が教育実習生として実習に来る。ほとんどが本校出身である。
[編集] 主な行事
- オリエンテーション合宿(4月、1年生)
- 美浜少年自然の家という施設に1泊2日で宿泊する。生徒たちは入学して間もない状態であり、1日目は番号順で振り分けられた部屋の仲間とぎこちなく過ごすが、2日目にはそれなりに打ち解けあう場面も見られるようになる。この2日間を通じ、校歌・応援歌を覚えたり、入学しての抱負を述べる作文を書いたりする。校歌はその歌詞を暗記するように指導されるが、芸術科目で音楽を選択している生徒以外は音程を覚えておけば、日常生活において差し障りは無い。なぜなら、始業式等の式典において校歌を斉唱する際、舞台右上に貼られた歌詞を見れば良いからである。ただし、校歌の歌詞は最近まで曖昧な箇所があり、学年によって歌詞の漢字の読み方が微妙に異なるという珍事態を招いたため、球技大会閉会時に時間を取り、全校統一の正しい読み方を指導した。(2006年夏)その結果、統一的な歌詞の読み方により統制のとれた校歌は斉唱の際に実に素晴らしい旋律を奏で、作詞者の心を反映し、横須賀高校の生徒としての誇り・威厳・自覚を高めるに至ったのである。
- 修学旅行(5月、2年生)
- 2年生の修学旅行は、2003年度以前は長野・軽井沢を巡るものであったが、2004年度から京都・和歌山を回るコースに変更された。このコースは生徒からは評判は芳しくない。というのも、京都は小中学校の修学旅行か、家族旅行の類で行ったことのあるコースであったり、和歌山は修学旅行先としては観光に適さないといった意見があるからである。また、旅行の醍醐味ともいえる「食」が全く満足いかないものであるとも言われる。その他さまざまな否定的意見が飛び交うなかでも、学校新聞に掲載される「修学旅行」の欄に載る紀行文は、少数派とも思える肯定的な内容が綴られたものなのである。
- 近年からは、海外への修学旅行の検討も視野に入っており、評判の芳しくない修学旅行の立場を払拭し、改めて高い支持率を確保するに至る可能性が示唆されているらしい。ただ、この件については既に修学旅行を終了した世代の横須賀高校生あるいは卒業生にとってはいささか羨ましいだけで、いまさら知ったところで素直に祝することはできなかろう。
- 7月の球技大会では、男子はソフトボール又はバレーボールに、女子はバスケットボールまたはバレーボールに参加することができる。自転車置き場付近ではジュースバザーが行われ、夏場は非常に売れ行きが良い。バスケットボールは体育館内で行うため日焼けはしないが、極めて蒸し暑く、また外も晴れた日には大変暑いため水分補給等が重要である。しかし、開会式閉会式は炎天下であろうとも、帽子の着用や、タオルを首や頭にかけることは許されず、叱責を受ける。各競技は対戦結果を支部または本部に報告するが、この作業の円滑性を高めるために生徒会役員はトランシーバを用い、支部同士で連絡を取り合う。生徒会役員の仕事は全校生徒の結果集計・対戦案内アナウンス・対戦結果掲示・質問応対を行うことや、前日までのパンフレット作成や本部・支部準備など、見た目以上に多い。
- 登山訓練(8月、希望者)
- 夏季休業中には3泊4日の上高地 蝶ヶ岳登山が行われる。以前は槍ヶ岳登山であったが、生徒から「槍ヶ岳が見たいのに槍ヶ岳に登っては見えないではないか。」との声が続出し、最近になって変更となった。当初は2泊3日で行われていたが、生徒の疲労面・体力面を考慮し3泊4日に変更となった。毎年定員40名に対し参加者は十数名程度である。帰途には山を通じた師弟愛の物語である「聖職の礎」を鑑賞することが恒例となっているが、生徒からは毎年かなりの酷評を得ており「アニメへの変更を」との声が登山参加生徒のほぼ100%から出ている。その声があまりにも大きく教師側も変更を余儀なくされつつある。
なお、先に述べた参加者が定員に遠く及ばないことの理由としては、①夏休みの課題を全て片付ける方を優先すべきである。②行事に対する消極性。即ち、友人同士で登山をしに行こう、という積極性の欠乏。③補習や部活その他が忙しい。④単純に面倒くさい。⑤①~④以上の何か。 が考えられる。
- 学校祭(9月上旬)
- 文化祭と体育大会を行う。体育大会では、競技はもちろん、デコレーションの作製、団対抗の応援合戦も競い合う。文化祭・体育大会の準備は夏休み中に行われるが、2006年度からは夏休みの短縮が決まり、デコレーション勢作、文化祭準備の面で特にスケジュールが詰まることになった。遺憾ながら文化祭は毎年盛り上がりに欠け、生徒の間では縮小も含めさまざまな意見がある。しかし武道場または音楽室で催されるミニコンサートや、演劇部の発表など、人気を集めるものもある。
体育大会は、陸上競技が主となっており、それが「体育祭」ではなく「体育大会」という行事の名称の根拠とも言われる。このことには批判もあり、1500M走を初めとする競走は観客からして退屈であるとか、レクリエーション競技(綱引き等)を追加して欲しいといった要望が目立つ。
- 合唱大会(12月、1・2年生)
- 3年生は受験の時期ということもあり、合唱大会は出場はしない。出場する1・2年生の16クラスは共通して歌い競う曲(課題曲)と、各クラスで決めて練習して臨む曲(自由曲)がある。上位には2年生が入る傾向が強いが、1年生が入賞することも少なくない。その練習風景では、1人か2人程の指導的役割を果たしてクラスを束ね、歌の練習を促す者が出るが、練習に参加せず好き勝手をしだす者や歌に無関心な者、他との会話に夢中な者などが増えると、泣いてしまうといった現象が見られる。また、上位に入賞するために審査員の教員が審査を行うが、上手下手の歴然とした場合はさておき、"何故このクラスがこの順位なのか"という疑念をもたれることも少なくない。「課題曲」においては、勝手に前奏を付け加えたり、繰り返したり、或いは変奏したり歌詞を変えた場合に、それがいかに音楽的に価値を高めたとしても、あくまでも課題曲であるからにして、原則をゆがめてはならないという考えに基づき、減点対象とする場合がある。練習は4期考査終了後から各クラスで行われるが、その際に用いる楽器(特に電子ピアノ)はクラスの者が持ち寄った物を用いる点や、自由曲の選曲方法がクラス全員の意見を均一に反映しにくい点などの弊害がある。
- 服装チェック
- 特にアセンブリと呼ばれる全校集会、或いは学年集会終了時、生徒たちが退出する際に教員が出口付近でチェックする。主に校章クラスバッジをつけているか、下シャツは柄のない白か、スカートは短くないかをチェックするが、指導の必要があると見込まれた場合、呼び止められてその場で指導を受け、正しい服装になるまで毎日生徒指導の教諭のもとに通うことが決められる場合がある。ただし、その都度、下シャツに重点を置いたり、ボタンやバッジに重点を置くかが異なり、一人一人チェックするにしても、少々検査が甘い場合がある。
[編集] 校内
歴史ある建物のため、校舎は非常にきれいというわけではない。柔剣道場には10数個の大きな穴があったが、現在は補修され、無くなっている。また教室の後ろの黒板は傾いたものが多い。校舎のつくりは結構複雑になっており、新入生は入学時に校内の間取り図を配られ、入学から1月ほどはその紙を携帯しなければどこに何があるか分からないほどである。もちろん転入してきた教師も例外ではなく、教師であるにもかかわらず教室が分からないという珍事も発生している。そのため生徒が教師に教室を教えるという事態も4月から5月ごろにかけて頻発するという、世にも不思議な現象が発生することで有名である。教師の自慢は侵入者がいたとしてもそう簡単に逃げられないということだそうであり、学校の自慢できるところは「立体迷路」だそうである。 また老朽化が進んだため2005~06年体育館の改修工事が行われたが、風雨の際に一部雨漏りが確認されている(2006年現在)。また、2007年度には校舎の改修工事が行われる予定で、騒音に悩まされると予想される。 学校は農道に隣接しており、時折草刈の音が酷く、模試と重なり生徒からの苦情もある。