後鰓目

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後鰓目 Opisthobranchia

Syphonota geografica

界 :	動物界 Animalia
門 :	軟体動物門 Mollusca
綱 :	腹足綱 Gastropoda
目 :	後鰓目 Opisthobranchia

亜目

後鰓目（こうさいもく Opisthobranchia）は、軟体動物門腹足綱直腹足亜綱に属する分類群の名称。旧分類では、軟体動物門腹足綱 後鰓亜綱である。現在は、目になっている。

心臓の後ろに単一の鰓があり、2組の触手があることが特徴。後鰓目という名称はラテン語の opistho （後ろの） brankhia （鰓）に由来する。

[編集] 特徴

体は柔らかく、多くの後鰓類の貝殻は小さいか消失していて、蓋はない海生生物である。直近の祖先では180°体が捻れていたのが解消し、太古の祖先と同じ左右線対称に進化した。頭部と外套幕の間には明確な分かれ目がなく、触手は口の横に位置している。触手の後ろには複雑な形をした嗅覚器官である触角(rhinophore)がある。足の真ん中辺が移動のためのいわゆる足の裏である。足の横側は疣足に進化していて、翼の形をして外に飛び出しているものもある。有殻翼足亜目と裸殻翼足亜目では、疣足で泳ぐことができる。敵が逃げ出すように警告するために、多くの種はけばけばしい色している。

食性はアメフラシが海藻食のために海藻を食べる草食性が多いと思われがちであるが、肉食性のものが圧倒的に多い。海藻を食べる後鰓目は無楯亜目、嚢舌亜目のもののほぼ全体と頭楯亜目の一部（ブドウガイなど）に限られ、他に有殻翼足亜目が植物プランクトンを餌としている程度である。

[編集] 分類

腹足綱の分類および系統発生の理解は、20世紀の終わりから21世紀の初めにかけての数年の間に急速に発展している。旧分類(J.Thiele 1929-1935)である腹足綱が前鰓亜綱（Prosobranchia）、後鰓亜綱（Opisthobranchia）および有肺亜綱（Pulmonata）の3（ないし4）個の下位分類は、もはや受け入れられていない。議論のあるところだが、後鰓亜綱は多系統群と推測されている。また、有肺亜綱は後鰓亜綱の近縁群かも知れない。それ故、後鰓亜綱は単系統ではなく、分類として認められていない。それらは直腹足亜綱（Orthogastropoda）に含まれていて、後鰓目と有肺目とされている。

しかしながら、古い文献だけでなく新しい文献やウェブサイトでも旧分類での説明がなされている場合がある。その場合、「後鰓類」は後鰓亜綱を意味するのではなく、記述的な「心臓の後ろに鰓がある腹足綱の動物」を意味する。