広島県立祇園北高等学校
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広島県立祇園北高等学校(ひろしまけんりつ ぎおんきた こうとうがっこう)は、広島県広島市安佐南区にある高等学校である。小高い丘の上にあるので非常に眺めがよく、広島市中心部から古市あたりまで一望できる。生徒数1023名。
1983年(昭和58年) 創設。校訓は、「敬愛・信義・忍耐」
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[編集] 概要
地元では、進学校として認知されており、近年は東大進学者も稀にではあるが見られる。二学期制、65分授業(5時限制)を実施するなど、やや変わった校内制度も持つ。
2005年、地元ラジオ番組の特集で、人気音楽ユニット「サスケ」のライブが、同校の中庭で行われた。
2006年、当校陸上部所属の女子選手が、大阪インターハイ2006の走幅跳で見事優勝した。
[編集] 校風
学区制が廃止され、市内の学校に生徒が流れ、学力低下を起こしており生徒を集めるのに、いろいろな努力をしている。しかし、生徒確保・学力向上の前に、いくつかの問題点も残っており、このままでは市内の高校に追いつくのは難しいと思われる。
以下に書くのは特徴と問題点である。
- 理数コース
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- 各学年に一クラスづつ、理数コースというクラスが存在する。高校入試の時から独立して集められるもので、医療系や理工学系への進学に最適なカリキュラムをとっている。例として、「幾何演習」や「解析」「理数課題研究」などの専門科目の導入、放送大学の単位の取得、サイエンスキャンプや理科研修などの理科総合Aに関連する特別授業を行うなどしている。地歴公民2教科を履修するので文系大学への進学も可能である。
- ライバル校
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- 近隣する公立高校である「広島県立安古市高等学校」に、何らかの「ライバル意識・コンプレックス」を持つ教師・生徒が多く、そのためか伝統を重んじる風潮があり、保守的で固い考えの持ち主が多いと言われた。良く言えば、真面目なイメージである。
- これは、祇園北が安古市に対して遅れて開校した事による進学実績の差(最初期)、近辺の中学校(安佐、安佐南、祇園、東原等)での進路選択時の再優秀者は安古市、次点が祇園北といった雰囲気を引きずったもの(15期くらいまでか)に加え、入学後に教職員による鼓舞がマイナスに働いた等の複合要因が考えられる。語弊を恐れずに言及すれば、自然と勉強が出来る生徒が集まるが故に自由闊達を是とする安古市に対し、努力型が多く且つ入学後も謹厳実直を強いられる祇園北の差がこのコンプレックスを在学中に倍加させられて面も否定できない。
- しかし、安古市高校の生徒は、そもそも祇園北を眼中に入れてはいないらしく、有名私立をライバル高としている。最近は、安古市高校に対して関心すら持たない北高生も増えてきたようで、祇園北と安古市のライバル関係は終わったとも言われている。
- 学力の低下
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- 学区制が廃止され、学力低下の傾向が見られる(これは当校だけの問題ではなく、いわゆる広島市のベッドタウンに所在する高校ほとんどに共通する問題である)
- 教師の質
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- 一部の生徒からは、通り一辺倒の授業内容にも、かねてから不満の声が上がっている。主な問題点としては、教師に魅力がない(メリハリがない、興味を引かない話し方、説明が分かりづらい、人間的な魅力に欠ける、ハゲが多い)、希望していた科目を受けられなかった、多くの生徒が寝ている科目がある、問題を解けない先生がいる…など。
- 特に年配の教師に対して、理想とのギャップを感じる生徒が多いようである。生徒のやる気を起こさせ、面白く分かりやすい授業が求められている。しかし、これは一概に教師の問題と言えるわけではなく、長年の積み重ねによって生まれた当校イメージの「真面目」が教師に圧し掛かり、自由な授業が行えなくなっているのもあるようだ。
- 一部の教師はこの問題点に気付いており、生徒の前では学校のあり方についての本音を漏らす教師もいるが、出来上がってしまった負の圧力を跳ね返すほどの教師は登場してはいない。
- この問題に関しては、教育重点高への指定(17期生頃より)後に顕著に見られ、国立大進学実績の上昇との引き換えであるとの見方も一部OBに見られる。
- 風紀検査
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- 長期休暇明けや、企業研修など公の場に生徒を行かせる時には必ず風紀検査があり、その検査は非常に厳しく、また基準が曖昧なため、生徒からの反発もしばしば起きている。
- 学校指定品
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- 祇園北創設以来、ほとんど変更されていないため、制服などの学校指定品のデザインは、非常に典型的なものとなっている。制服を知らずに受験し、「ネクタイ・かばん・靴」などの学校指定品のあまりのセンスの悪さに、失望を覚える新入生も少なくない。制服を敬遠して、他を受験する女生徒もいるらしい。なお、近い未来に、制服は変わる予定である。
- 食堂
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- 特に、新入生が入学して驚くことは、「食堂がない」ことである。学食としてパンの販売はあるが、それでは栄養も偏り量も少ないので、生徒の誰もが食堂を望んでいる状況である。生徒総会が行われるたびに、生徒の要望として「自動販売機の増加」「食堂の設置」等の意見が出るが、いつも上までその意見が上がっていかないのが現実である。
- 学校内アンケート
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- 年に何度か自身の学校についてのアンケートが実施される。学校の満足度や、授業の質など十数目のアンケートだが、学年、組、名前を記入せねばならなく生徒の思い思いの回答が期待出来るとは言いがたい。生徒が、授業を担当している各先生を授業の満足度や説明の仕方などで評価するアンケートもあるが、そのアンケートには名前などを記入する欄は無い。
[編集] 部活
- 運動部
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- バレーボール、硬式野球、バドミントン、サッカー、テニス(硬式、軟式)、卓球、剣道、陸上、体操、バスケットボール、ハンドボール
- 文化部
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- 英語、放送、演劇、美術、写真、囲碁・将棋、合唱、吹奏楽、書道、科学研究、マイコン、茶華道、ギター同好会
[編集] 行事
- 4月 合宿(1年)、遠足(2・3年)
- 6月 合唱祭・文化祭
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- いろいろな行事があるが、最も盛り上がるのは合唱祭だろう。数ヶ月前から始められる練習は、放課後はもちろん、朝や昼、熱心なクラスだと休日にも行う。そのため全体的にレベルが高く、特に三年生の合唱は圧巻である。
- 一年生の曲目は正統的な合唱曲から選ばれるが、二、三年生は J-POP等の流行歌より選ばれることも多く、音楽系へ進学を志す生徒の腕の見せ所であると同時に、幼稚園時にピアノを触ったことがある程度の男子生徒が特訓して本番に臨むといった話も聞かれる(特に理数系の男子だけのクラスで)
- なお、一時期は三年生の1クラスはアニメソングを選ぶとの不文律があったらしく、その嚆矢は「宇宙戦艦ヤマトのテーマ」であったらしい。
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- 合唱祭の数日後に文化祭が行われるが、生徒は合唱祭の練習に追われて文化祭の準備が行えず、そのためあまり手の込んだ催しは行われていない。
- 7月 夏季クラスマッチ
- 8月 合宿(3年)
- 10月 体育祭、オープンキャンパス、修学旅行(2年)
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- 10月には体育祭も行われる。2005年度まではいわゆる馴れ合い的な雰囲気だったものの、2006年度から競技の趣向を変更。背中ボールリレーなどが廃止され、棒状旗奪いなどの闘争心をかりたてる競技が追加された。3年生女子の浴衣を着ての盆踊りなどの名物は残されている。
- 12月 合宿(2年)
- 3月 春季クラスマッチ
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- そのほか、二日間かけて行われるクラスマッチも、生徒の楽しみのひとつである。
[編集] アクセス
〒731-0138 広島市安佐南区祇園8丁目25番1号