奥井潔

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奥井潔（おくいきよし）（1924年‐2000年）は、元駿台予備学校英語科講師、東洋大学教授、英文学者。

[編集] 経歴

1924年台湾生まれ。1943年学徒出陣。チモール島へ出征。復員後、1952年東京大学文学部英文学科卒業。1954年から半世紀近くにわたって駿台で教鞭をとり続けた。文学的な文章の読解を得意としており、その講義はしばしば受験用の英文解釈の域を超えて、人生論・道徳論などに及び、多感な年齢の受験生への啓蒙的役割を果たした。また、伊藤和夫を駿台に紹介した功績もある。東洋大学文学部長などを務め、東京大学、法政大学、埼玉大学、東京女子大学、慶應義塾大学などの講師も歴任。1995年に東洋大学名誉教授。身長は 1 メートル 80 くらい、大柄だった。

毎年3月に「駿台を巣立つ諸君へ」と題して奥井が担当した教養講演などでは、小林秀雄の思想的影響が濃く見られた。

[編集] 著書

『イギリス文学のわが師わが友』 (南雲堂, 1989)
『奥井の英文読解 3つの物語』 (駿台文庫, 1995)
- メアリー・ラム The Father's Wedding-Day
- サマセット・モーム Home
- グレアム・グリーン The Innocent
『英文読解のナビゲーター』 (研究社出版, 1997)

[編集] 翻訳

サマセット・モーム「『サミング・アップ』第16章訳と解説 (本誌第 22 集「サマセット・モーム頌」付録)』『東洋大学紀要文学部篇』 (通号 24) [1970.12]
T.S.エリオット「英訳ヴァレリイ選集（ジャクスン・マシュー編）第 7 巻『詩論集』 1958年刊序言」『白山英米文学』 (通号 10) [1985.03]
（小川和夫監修）「エトルリアの故地」『D.H.ロレンス紀行・評論選集 2』 (南雲堂, 1987)

[編集] 注釈

W.キャザー『ハリスお祖母さん (英米名作選集 40)』 (清水書院, 1967)

[編集] 論文

「エドガー・ポォ頌」『比較文学比較文化: 島田謹二教授還暦記念論文集』 (弘文堂, 1961)
「サマセット・モーム頌」『東洋大学紀要文学部篇』 (通号 21) [1967.12]
「知的な信者の精神 -- T.S.エリオット一斑」『吉川美夫教授古稀記念論文集』 (文建書房, 1971)
「『マルテの手記』について -- リルケ管見」『東洋大学紀要教養課程篇』 (通号 10) [1972.01]
「ウィリアム・ブレイク『恋の秘密』について」『白山英米文学』 (通号 4) [1979.03]
「グレアム・グリーン管見 -1- 『失われた幼年時代』」『白山英米文学』 (通号 6) [1981.03]
「イギリスのモラリスト達」『駿台フォーラム』 (1) [1982] ISSN: 02895579
「グレアム・グリーン管見 -2-」『白山英米文学』 (通号 8) [1983.03]
「小説鑑賞－グレアム・グリーンの短篇」『駿台フォーラム』 (3) [1984]
「ロレンスの紀行文学 --『エトルリアの故地』をめぐって」『白山英米文学』 (通号 12) [1987.03]
「サマセット・モーム頌 -- イギリスのエゴチスト」『白山英米文学』 (通号 13) [1988.03]
「無垢の歌（一）『クリスマス・キャロル』について－スクル－ジの降伏－」『駿台フォーラム』 (8) [1990]
「サマセット・モームの『蟻ときりぎりす』」『駿台フォーラム』 (14) [1996]
「ウィリアム・ブレイク頌」『駿台フォーラム』 (15) [1997]

[編集] 座談会・講演

（佐藤良明、田村哲夫、大島保彦、高橋善昭）「特別座談会: 英語教育と大学入試」『駿台フォーラム』 (16) [1998]
（秋山仁、大島保彦、最首悟）「特別座談会～教養教育のゆくえ～」『駿台フォーラム』 (17) [1999]
「詩歌鑑賞」『文化の森: 東洋大学短期大学日本文学研究会講演集』 (東洋大学短期大学日本文学科, 1998)

[編集] 追悼文

（高橋善昭、入不二基義）「追悼・伊藤和夫先生」『駿台フォーラム』 (15) [1997]
藤田宏・安藤達朗・長内芳子・池間昌男・松山恒見・筒井正明・高橋善昭・山本義隆・大島保彦「追悼－奥井潔先生－」『駿台フォーラム』 (19) [2001]

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