四次元ポケット
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四次元ポケット(よじげんポケット)は、藤子・F・不二雄のSF漫画「ドラえもん」に登場する架空の道具。「ドラえもん百科」(方倉陽二著)においては、正式名称は「ロボット専用四次元空間内蔵秘密道具格納ポケット(四次元空間使用許可管理局承認番号D7E1293)」とされている。 また四次元空間許可管理局特殊携帯型承認番号H52T264も取得済み(スペアポケットの資格だと思われる)。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
ポケットの内側が四次元空間(ワームホール)に繋がっており、無限に物体を収納することができる。普段はドラえもんの腹部に装着されている。のび太を助ける様々なひみつ道具は、四次元空間内の四次元倉庫に収納されている。また、スペアポケットと四次元空間越しに繋がっている。
口の部分には「イメージ検索機能」が内蔵されている。欲しいひみつ道具を頭でイメージしながらポケットへ手を入れると、内部のコンピューターが自動的にひみつ道具を探し出す。これにより、数多くのひみつ道具の中からその場に応じたひみつ道具を素早く取り出すことができる。
カートリッジ式で、ドラえもんの腹部から自由に取り外すことが可能。人間が自分の服に付けることもできるが、ドラえもんのようにひみつ道具を使いこなせるかどうかは本人の技量次第。しずかは上手に使いこなしたが(26巻『魔女っ子しずちゃん』)、のび太が使うとやはり失敗続きとなる(34巻『水たまりのピラルク』ほか)。
ひみつ道具のほか、日用品も多数収納されている。非常食としてドラ焼きを入れていることもある。(『百鬼せんこう』)
素材について公式設定の存在は確認されていない。一部ファンは、安定化した反物質「エキゾチック・マテリアル」でできていると考察している(国際ドラえもん学会著「ドラえもんの鉄がく」)。ただし、耐火性については考慮されていないらしく、火をつけると燃えてしまう(大長編『のび太の太陽王伝説』)。水を通さないフタがついており(『おざしき水族館』)、洗濯機での洗濯も可能(25巻『四次元ポケットにスペアがあったのだ』)。
『のび太の太陽王伝説』では、ポケットを取り戻したドラえもんが「ぼくはこれがないとしまらない」と言っていることから、この四次元ポケットがドラえもんの象徴となっていることを窺い知ることができる。
てんとう虫コミックス16巻『四次元ポケット』では、ドラえもんが自分のポケットから同名・同型の「四次元ポケット」なるひみつ道具を出しているが、こちらにはドラえもん自身のポケットのようにひみつ道具を出す描写はなく、不用品収納用ポケットとして使用されている。
無限に収納できるが、あまり乱雑に入れておくと物を取り出す際に目的の物を探すのに時間がかかる。特にドラえもんが慌てたときなど、「あれでもない、これでもない」と長靴や空き缶などを撒き散らしながらポケットをまさぐることが多いが、なぜそんなゴミ同然の物をこのポケットに入れているかは不明。
バリエーションとして、「四次元ポーチ」や(大山版アニメ『四次元ポーチ』)、ドラえもんズのドラ・ザ・キッドの四次元ハット、王ドラの四次元そで、ドラメッドⅢ世の四次元ランプ、ドラニコフの四次元マフラーがある。ドラえもんズのものは後述のスペアポケット同様、ドラえもんの四次元ポケットと繋がっている。
また、22世紀のドラえもんのガールフレンドのノラミャーコのポケットは「タイムポケット」と呼ばれ、過去や未来など、別の時代のものを出すことができる(『2112年ドラえもん誕生』)。
[編集] スペアポケット
スペアポケットは藤子・F・不二雄のSF漫画「ドラえもん」に登場する架空の道具。『四次元ポケットにスペアがあったのだ』(てんとう虫コミックス25巻に収録)で初登場し、以後たびたび使用される。
ドラえもんが使っている四次元ポケットとまったく同型、同性能のポケット。内部は四次元ポケットと4次元空間でつながっており、どちらか一方が入れた物を、もう一方が取り出すことができる。四次元ポケットを洗濯して干している間など、その代りに使用する。通常、片方はドラえもんがお腹につけているが、その時にスペアポケットで道具を出されるとくすぐったいらしい。また、人間が片方に入るともう片方のある場所に出られるので、映画ではそれを利用してのび太は何度かドラえもんを助けに行ったこともある(『のび太とブリキの迷宮』『のび太のねじ巻き都市冒険記』ほか)。
普段は、ドラえもんが就寝時に使用する枕の下に隠されている。のび太があまりにも頻繁に未来のひみつ道具を使っては失敗することが多いため、スペアポケットを隠してしまったこともある。