向井秀徳

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向井秀徳（むかいしゅうとく、本名読み：むかいひでのり、1973年10月26日 - ）は、佐賀県三養基郡出身のミュージシャンである。佐賀県立鳥栖高等学校卒。ナンバーガール、ZAZEN BOYSなどで活動。

[編集] 来歴

幼少時を大阪府高槻市で過ごした。小学校低学年の頃、８歳離れた彼の兄が当時好きだったプリンスを無理矢理聴かせられ、その影響で次第に洋楽に興味を持ち始める。
中学生時代、クラスメイトに「好きなミュージシャンランキング」を書かせ、自分の好みと近い人を探していたという。その当時ギター演奏を始めるが、最初にコピーしようと思ったのがレッド・ツェッペリンの「アキレス最後の戦い」で、理由は「レッド・ツェッペリンをコピー出来れば他の曲も簡単だと思ったから」であった。しかしあまりの難しさに手も足も出ず挫折、結果コピーを断念し、自作曲の作成に励むこととなる。
高校生の時、最後の文化祭でその頃はまだマイナーだったラップを自ら作詞し、披露した。ただその内容はあまり良くなかったらしく、聞かれても歌詞の内容をあまり喋ろうとしない。
映画監督になるために日本大学の芸術学部を受験するも、イメージのみで回答したため受験に失敗。その後一年ほどフリーター的な生活を送る。そして親に「ふらふらしているのなら自衛隊に行け」と言われたが、向井は音楽で生きていくことを志す。デビューまでの間、ライブハウスのPAや久留米市の外人バーでバーテンをしており、その時の経験が活かされ、アメリカでのツアーやアルバムのレコーディングの際に、エンジニアのデイブ・フリッドマンなどのアメリカ人とイメージでコミュニケーションが取ることが出来た。
1995年に中尾憲太郎を誘いナンバーガールを結成。ボーカル・ギターを担当した。ナンバーガールは2002年に解散し、その後、無戒秀徳アコースティック&エレクトリック名義でソロ活動を開始（現在は無戒→向井。理由は「わずらわしい」ため）、またロックバンド、ZAZEN BOYSを結成、ボーカル・ギター・キーボードを担当している。

[編集] 概要

彼の詞の特徴はその言葉遊びである。歌詞に頻繁に登場する掛詞、小便横丁、エレクトリック混乱主義者、焦燥都市24時等の言葉遊びを織り交ぜている。また彼のゆかりの地、佐賀鍋島藩の思想書『葉隠』や、坂口安吾から影響を受けた部分も見られる。ナンバーガールの曲名および歌詞に出てくる『私は海を抱きしめていたい』は、坂口安吾の同名小説からきている。ナンバーガールの曲にもZAZEN BOYSの曲にも出てくる『猫町』は萩原朔太郎の同名小説からきている。
最初にコピーを試みたレッド・ツェッペリンを難しさのあまり断念した際、後に「オレ押さえ」と呼ばれる新たな奏法を考案する。平行7度、および開放弦を利用した独特なテンション感や、人差し指をあまり使わないといった点が特徴である。この「オレ押さえ」の他に、単語や語尾を繰り返し発音し、ボーカルの残響音を口で表現する「人力ディレイ」など、自身で独特にあみだした製作プロセスや理論によって他に類を見ない楽曲を次々と送り出す。ちなみに「人力ディレイ」はラジオ番組のプロモーショントーク収録が煩わしい時に時間を稼ぐ場合にも使用される。
ナンバーガール解散後に自らのスタジオ、MATSURI STUDIOを設立し、同名のレーベルからZAZEN BOYSの音源を発表している。運営自体にも深く関わっており、そういった意味では、日本でD.I.Y.の精神を体現している数少ないアーティストの一人であると言える。
吉野寿(eastern youth)、椎名林檎、グループ魂、岸田繁（くるり）、宮藤官九郎らと親交が深い。
酒豪であり、ライブ中にはよくビールを飲んでいる。好きな焼酎の銘柄は、大分麦焼酎二階堂。そしてラーメンをはじめとする麺類をこよなく愛す。公式HP上のダイアリーに記されるところでは、一時期は麺をほぼ主食としていた様である。かつてbounce.comで行っていた連載「向井秀徳の妄想処方箋」では、毎回提案されるシチュエーションに合った音盤の紹介と共に、毎回なんらかの麺も紹介されていた。
フェンダー社のテレキャスターを愛用しており、曲名や歌詞にもなっている。最近ではスタインバーガーのギターやローランドのアナログシンセサイザーJUNO-106も使用し始めた。ごく一部の楽曲やデモではAKAIのサンプラーMPC2000等による打ち込みを行う事もある。
長渕剛のファンで、20数万円もする長渕モデルのアコースティックギターを購入したと語っている。
また、向井本人とはあくまで別人というふれこみだが、向畑徳徳、向井徳次郎という変名で登場することも稀にある。

向畑徳徳は、持ち曲一曲を抱えて全国を行商するいま話題のシンガー・ソングライター(リリースはない)であり、向井がやっているPodcast「Podcast向井」で演奏している。向井徳次郎は宇宙人と交信ができるという少年、中州元気(荒川良々)とユニット『九州ギャザー』を結成する『豚小屋経営のシンガー・ソングライター』という設定。徳次郎はグループ魂のライヴやCDに登場するキャラクターで、『過去に手作りのピストルで豚小屋の従業員を射殺し懲役８年の実刑を食らった』、『出所後はオランダ人女性の肉を喰いまくった』等の凄まじいプロフィールが添えられている。