博士 (学術)

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博士（はくし、はかせ:ラテン語 Philosophiæ Doctor、英語 Doctor of Philosophy）とは、本来は学際的分野において取得可能な博士学位の分野を言う。Ph.D.の対訳として用いられることが多い。

[編集] 概要

平成3年以前の学校教育法において定められていた博士の学位には種類が19種類と定められており、そのうちの1つであった。旧帝大においては、各専門分野に応じた大学院研究科が設置されており、出身研究科と取得できる博士の種類はほぼ一致しており、学術博士は稀であったが、新制大学が博士課程を擁する大学院の設置を図った際、学際的な新機軸をもつ研究科の設置が要求されることが多く、そのため、学位の種類として学術博士が基本となった研究科も多い。（自然科学研究科、社会学研究科等）しかしながら、同時に専門性の高い内容に関する学位論文の審査により、学位名称が従来の専門名を付与したものが発行されることも多く存在した。

平成3年に実施された学位規則の変更により、学位の種類は博士1種となり、その分野を（カッコ）付きで表されることとなった。それにともない、学術博士は博士（学術）と呼称されるようになった。しかし、それと同時に、新たな学位の種類は専攻分野をわかりやすく表現することが認められるようになり、2005年現在、185種類に及ぶようになり、その反面、博士（学術）の使用例はさほど増えていないのが現状である。

博士(学術）の対訳はPh.D.であるが、中には学問体系上横断・学際的な学問を教養ととらえ、その分をの名称を取り、Doctor of Arts and Sciences とされることもある。これは、博士（教養学）とも言うべきものとも言える。各国で異なる学位制度を持つことも多く、その文化に根ざしているところもあるため、対訳が１対１対応とならないこともあり得るであろう。Ph.D.を対訳とすることに抵抗があるとすればこういった学位制度の相違が原因にあると思われる。文部科学省の見解としては、日本の大学で取得した博士の学位の英名として、いずれの専攻分野であっても、また論文博士・課程博士のいずれであっても、Ph.D.（Doctor of Philosophy）を使用しても差し支えないとしている。