南海フェリー
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南海フェリー（なんかいフェリー）は、紀伊水道に和歌山と徳島を結ぶ航路を持つフェリー会社。南海電気鉄道のグループ会社である。本社は和歌山県和歌山市湊2835番地の1にある。
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[編集] 概要
和歌山港で南海和歌山港線の電車と連絡しているが、以前は徳島側の発着港であった小松島港でも国鉄小松島線と連絡していて、本州側の南海電鉄と四国側の国鉄線を繋ぐ完全な鉄道連絡船であった。正に「紀伊水道版宇高あるいは青函連絡船」であったといえる。
しかし、本州側の鉄道連絡が私鉄であった事や、航路自体も私鉄側の運営であった事などから、国からはあまり重要視されず、小松島線も1985年（昭和60年）をもって廃止されてしまう。だが、この南海フェリーと南海電鉄による徳島～和歌山～難波間の連絡は明石海峡大橋開通まで、長年に渡って徳島と大阪、さらには本州の各大都市間を往来する為の重要なルートだった。「生まれてはじめて乗った電車が南海電車だった」という徳島県民も多い。その背景には、徳島県に電化された路線がないことに加えて、徳島は大阪との繋がりが極めて強いことが挙げられる。
現在でも和歌山港駅には駅とフェリー乗り場を結ぶ連絡通路が設けられている他、南海電鉄の各駅及び徳島港では相互間を通しで乗れる切符が買えるようになっていたり、電車が到着してからとフェリーが出港する（あるいはフェリーが到着してから電車が発車する）ダイヤになっているなど、相変わらず鉄道との結びつきが強く、鉄道連絡船としての趣を失ってはいない。そういう意味では、国内最後の鉄道連絡船とも言える。
また、1995年に阪神・淡路大震災で山陽本線・山陽新幹線が長期不通となったときは、JR高徳線の特急「うずしお」と併せ、四国の他地域と関西以東を結ぶ迂回ルートともなった。
明石海峡大橋開通以降、同橋経由の高速バスに利用客がシフトしている為、神戸淡路鳴門自動車道を通ると高額な通行料金がかかる大型トラックや自家用車、あるいは関西空港へ向かう利用者に焦点をあてて利用増に努めている。他にも各種割引制度の導入や南海本線との直通列車を増発、特に下り最終の特急「サザン」を和歌山港まで延伸・接続させて利便性を計るなど出来る限りの対策はとっているものの、やはり乗り換え不要・所要時間2時間30分で徳島～大阪間を結ぶ高速バスには対抗しきれていないのが現状である。
なお、南海電鉄グループのバス会社（徳島バスや四国交通）が徳島と難波又は関西空港を結ぶ高速バスを運行させており、同じグループ会社同士で客の奪い合いをしているという矛盾も生じている。
一部利用者の間からはスルッとKANSAIへの加盟を求める声もあるが、フェリーの料金が高額である事、カード導入には多額の費用がかかる事など、さまざまな理由から現時点では実現していない。なお、スルッとKANSAI3dayチケット付属の優待券を利用すると、乗船料金が2割引となる。
企画切符ワイド3・3・SUNフリーきっぷ（大人6000円、子供3000円）を使えば乗船可能であった（ワイド版のみ、通常版では乗船不可能）。この切符は南海、近鉄、名鉄グループの鉄道バス船等が乗り放題（一部例外あり）で、これを使えば徳島から愛知県豊橋まで一枚で乗り継ぐことが可能であったが、残念ながら2006年春の発売をもって終了してしまった。
また、徒歩旅客を対象に「フェリーポイントカード」を発行しており、1回乗船毎にスタンプ1個を捺印、1枚の台紙にスタンプ6個で無料乗船券（片道）1枚と交換できる。 但し、各種割引乗船券（往復割引を除く）での乗船、徒歩以外の手段での乗船（自転車や車を一緒に載せる）は対象外となる。なお、自動車での乗船用に割引カードを設定している。
2006年、人気ライトノベル「涼宮ハルヒの憂鬱」のアニメ化に際し、本路線が登場、一部アニメファンの間で聖地巡礼ブームが起こる。（舞台検証サイト[1]）
[編集] 航路
- 南海四国ライン：和歌山港 - 徳島港（所要時間約2時間、深夜便は2時間10分、最速1時間55分。終夜12往復運航（うち夜間2往復は繁忙期のみ運航））
- 南海徳島シャトルライン（2002年2月廃止）：和歌山港 - 徳島港（所要時間約1時間、最盛期は1日9便）
- 1983年8月に開業したが、1985年3月に国鉄小松島線廃止に伴い、1985年11月には徳島港発着に変更。以後スピードアップと増便を重ね、一時期は年間30万人を超える乗船者を記録した。しかし、1998年4月5日に明石海峡大橋が開通したことにより、徳島-大阪市間に高速バスが運行されるようになった。運賃も安価で、市街の中心部へ乗換えなしに到達できる高速バスが好まれ、同航路の利用客は減少した。減便や運賃割引等の対策も行ったが状況は改善できず、2002年1月31日で航路を廃止した。
[編集] 船舶
- フェリーかつらぎ 2,571総トン
- フェリーつるぎ 2,604総トン
- フェリーくまの 2,137総トン
[編集] 歴史
- 1975年（昭和50年）8月 - 南海フェリー株式会社設立。
- 1975年（昭和50年）12月 - 和歌山～小松島航路を南海汽船から営業譲受。
- 1983年（昭和58年）7月 - 和歌山～小松島間に高速船航路を新設。
- 1985年（昭和60年）3月 - 国鉄小松島線が廃止に、これにより小松島港側の鉄道連絡が無くなる。
- 1985年（昭和60年）11月 - 高速船航路を和歌山～徳島間に移設。
- 1989年（平成元年）3月 - 新造船「くまの」が就航。
- 1992年（平成4年）12月 - 新造高速船「あるご」が就航。
- 1997年（平成9年）7月 - 新造船「つるぎ」が就航。
- 1998年（平成10年）4月 - 明石海峡大橋が開通、影響で利用客が大幅減に。
- 1999年（平成11年）4月 - フェリー航路を和歌山～徳島間に移設。
- 1999年（平成11年）10月 - 新造船「かつらぎ」が就航。
- 2002年（平成14年）2月 - 利用客の減少に伴い高速船事業を廃止。
- 2006年（平成18年）10月 - 原油燃料高騰に伴い、1日12往復のうち夜間2往復は繁忙期のみ運航となり、定期便は10往復に減便される。
[編集] 運賃
| 大人 | 2,000円 | |
| 子供 | 1,000円 | |
| グリーン料金 | 大人 | 500円 |
| 子供 | 250円 | |
| 自動車航送 | 3m未満 | 5,600円 |
| 4m未満 | 7,400円 | |
| 5m未満 | 9,300円 | |
| 6m未満 | 11,000円 | |
| 7m未満 | 12,700円 | |
| 8m未満 | 14,500円 | |
| 9m未満 | 16,400円 | |
| 10m未満 | 18,200円 | |
| 11m未満 | 20,100円 | |
| 12m未満 | 21,800円 | |
| 12m以上1m増す毎に | 1,800円 | |
| 特殊手荷物 | 自転車等の軽車両 | 600円 |
| 原動機付自転車（125cc以下） | 1,200円 | |
| 自動二輪車（750cc以下） | 1,800円 | |
| 自動二輪車（750cc超） | 2,400円 | |
- 2006年4月1日現在。
- 自動車1台につき運転者1名の旅客運賃を含んでいる。
- 南海各駅の自動券売機では、電車（発駅～和歌山港）とフェリー（和歌山港～徳島港）とが組み合わさった切符（南海難波からの場合 890円+2,000円=2,890円）が販売されている。因みに、スルッとKANSAI対応駅ではカードを使ってその切符を購入することも可能である。
- 和歌山港に設置されている南海フェリー専用の自動券売機ではスルッとKANSAIカードを使って乗船券を購入することが出来ない。
- 徳島港に設置されている自動券売機では、フェリー乗船券と和歌山港から南海電鉄各駅までの鉄道切符をまとめて購入することが出来る。ただしスルッとKANSAIカードは対応していない。
- 学生割引制度があり学校学生生徒旅客運賃割引証を提出する事によって旅客運賃が2割引となる。
- 往復の場合は、復路の運賃は1割引。有効期間は発売日から14日間だが、南海線とを組み合わせたものは4日間。
[編集] 交通アクセス
[編集] 和歌山港
高速道
鉄道
[編集] 徳島港
高速道
- 徳島道・徳島IC - 6km （沖洲大橋、中洲みなと橋を渡り、その先の中洲町交差点を右折。国道11号を北へ）
- 神戸淡路鳴門道、高松道・鳴門IC - 15km （徳島ICとの分岐点からさらに国道11号を8km程北へ）
鉄道
