北野ファンクラブ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
北野ファンクラブ(きたのふぁんくらぶ)は1991年2月13日~1996年3月22日にかけてフジテレビで放送された深夜番組で、いわば『ビートたけしのオールナイトニッポン』のテレビ版とも言える番組である。またビデオソフト「北野ファンクラブ会報」(過去の放送の名場面+未放送シーンを取り上げた)、単行本「北野ファンクラブ」(フジテレビ出版、「北野ファンクラブ会員証」のおまけつき)も発売されている。
ちなみに同番組終了後も、たけしメインの深夜番組は番組内容・タイトルを変えながらも現在も継続して放送されている。
[編集] 概要
番組はオールナイトニッポン同様ビートたけしと高田文夫をパーソナリティに迎え、最近の時事問題から深夜放送ならではの下ネタまで幅広いジャンルから毎回話題を取り上げて爆笑トークを展開した。セットも予算の関係から「北野」の印判をイメージしたパネルと東京スポーツ、黒板数枚(グレート義太夫がイラストデザインやレイアウトをし、毎回チョークで書き込んだ)だけという地味なものであった。
また番組内ではたけし軍団出演による、海パン一丁や全裸姿のキャラが登場するコントや当時の人気番組をパロデイ化したゲーム、亀有ブラザーズ(たけし、ガダルカナル・タカ、つまみ枝豆、グレート義太夫)の生バンドによる下ネタ(男性器の俗称をそのまま替え歌の歌詞にして連呼したり、女性器の俗称を業界用語風に言い換えたものを織り込んだ替え歌を毎回ピー音なしで放送するなど、放送コードスレスレの替え歌をほぼ毎週放送していた)を絡ませた替え歌コーナーが人気を呼んだ(オフィシャル単行本で、同コーナーの替え歌を掲載する企画も出たが、著作権等の理由で断念している)。
収録はほとんどが渋谷ビデオスタジオで行われていたが、ニッポン放送のスタジオや船の科学館、神立高原スキー場などで行われたこともある。
たけしがバイク事故で入院しテレビ出演できなかった期間も、高田とたけし軍団がこの番組を支えた。1995年春にたけしが復帰し番組も元の形態に戻ったが、これ以降たけしは精彩を欠くようになり、翌1996年3月に番組は終了した。この番組終了後も同じくたけし・高田の司会による『北野富士』、たけし軍団や女性タレントがトークに加わった『足立区のたけし、世界の北野』と題されたたけし司会の深夜番組が継続して放送された。
番組のオープニングテーマは美空ひばりの「STAR DUST」。エンディングテーマは、番組初期は1クールごとに変わり、森田浩司「愛のX」、TWIN FIZZ「BODY」、KAZZ「青空に追いついて」などトライアングル・プロダクション所属のアーティストが歌うものが多かった。また、遊佐未森「恋かしら」もエンディングテーマとして使われる予定があったが、アーティストと番組のイメージが合わないという理由で実際には使われなかった。後期ではビートたけし自身が歌う「嘲笑」が長く使用されていた。
この番組の音声は放送開始当初からステレオ放送であったがスタジオ内音声はモノラル収録したものを流していた(テーマ曲や編集時に加えられる音楽、BGMなどと効果音のみステレオ音声)。「亀有ブラザーズ」などの替え歌コーナーも番組中期頃までは実質的にはモノラル音声であった。ちなみにこの手法は、後に家庭用ビデオレコーダーのCMカット機能防止が目的と考えられる一部のバラエティ番組に活用されることとなっていった。なお、番組後期はスタジオ内の音声もステレオで収録され、替え歌コーナーもステレオ音声へとグレードアップした。
[編集] 主なコーナー
- フリートーク
- 当時、メディアで注目されていた人物をたけし・高田両人が徹底的にこきおろし耳目を集める。以下の人物に対する風刺はパンチが効いていて印象深い。
- また、貴・りえ問題などに関してのインタビューもこの番組を通じて行われた。
- かわったところでは一輪車協会の親父やピザーラの社長など、このフリートークでの話題を通じて著名になった人物も多数いた。明治大学替え玉入試事件の受験生であったなべやかんを、事件後に初めてテレビ出演させて話題となった。
- B&Beat
- たけしとB&Bの島田洋七がコンビを組み全盛期の勢いそのままに繰り広げた漫才コーナー
- 全裸企画
- 番組初期に多かったもので、ほとんどが単発である。文字どおり、たけし軍団が全裸で登場しクイズやラジオ体操(掛け声は番組独自のもの)などを行っていた。
- 海パン刑事
- ビートたけしが海パン姿で演じる刑事ドラマ(?)。ダンカン演じる「パンスト刑事」などの登場人物もあった。海パン姿で演じたものとして、このほか「中年ジェット」などの企画もある。
- 亀有ブラザーズ
- ビートたけしがヴォーカルとなり、ガダルカナル・タカ、つまみ枝豆、グレート義太夫による生バンドを率いて歌を披露する。オープニング以下、すべて下ネタによる替え歌。1992年7月19日未明のFNSの日スーパースペシャル1億2000万人の平成教育テレビでの深夜スペシャル枠(『北野武の平成ファンクラブ』)においてもかまやつひろし、玉置浩二らをゲストに迎えて亀有ブラザーズが生放送されたが、その時もほとんど観る人がいない通常の放送時同様にビートルズの"Let it be"を替え歌にして延々「アトピー」を連呼し、これを観たアトピー性皮膚炎の患者団体から抗議が来た。
- また、メンバーが女装した「川口シスターズ」や、替え歌をカラオケ風の画面にした「亀有興商カラオケ」などの企画もあった。
- 北野カルトQ
- たけしのバイク事故による入院中の折、急場をしのいだ企画。高田とガダルカナル・タカが司会で、解答者はたけし軍団、たけしの友人、予選を勝ち抜いた一般視聴者で競われ、10週勝ち抜きで温泉旅行獲得というもの。問題の読み上げは本家『カルトQ』の牧原俊幸アナウンサーだった。
- 料理の凡人
- 上記企画と同時期に立ち上がった料理の鉄人のパロディ企画。たけし軍団と素人女性がペアを組み、テーマに沿った料理を作るというものだったが、あまりにもマズい料理が続出したため、審査員の服部幸應が激怒する場面もあった。後に、このコーナーはテレビ朝日『愛のエプロン』に発展したといわれている。
- 北野のささやき
- これもたけし入院中の企画。TBS「クイズ悪魔のささやき」のパロディ。番組内のフリートークでネタにされ迷惑をこうむった人物が出演しその内容を告白。「悪魔のささやき」で「○○ビンボー」と紹介されていた画面は「○○メイワク」とパロディ化されていた。
- 所ファンクラブ
- たけし入院中の企画。所ジョージと高田文夫によるフリートーク。番組トレードマークである「北野」の印判も、「所」に替えられていた。
[編集] スタッフ
前番組: |
後番組: |