京阪250形電車

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250形は、かつて京阪電気鉄道が有した電車。

従来、電動貨車として使用されてきた車両を、旅客用へ改造した車両であった。

[編集] 概要・経歴

日中戦争が長期化し、統制経済の時代になると鉄道車両の製造にも枠が設けられ、戦時輸送の必要の多い路線に優先的に配分された。京阪の場合、そうした面では優先度が低くならざるを得ず、輸送需要が増えているにもかかわらず製造が認められない状況であった。

そこで、遊休状態となっていた土運貨車3003～3006の4両の台枠・台車・機器を流用して客車に改造することとなったのである。これらの貨車は蒲生信号所-守口駅（現・守口市駅）間の複々線化工事用に製造されたものであった。

車体は13.5mで2扉ロングシート、片運転台の電動車であった。貨車改造のため車体長は当時の最新式だった1000系（2代）よりも4mも短く、定員も2～30人少ないといういかにも間に合わせの車両であった。

1941年に梅鉢鉄工所で4両が製造されている。250形という番号の由来は、200形と同じ機器・台車を使用していたためといわれる。外部塗装は茶色一色であった。

250形は戦時中の輸送力を補ったものの、もとは貨車を改造しているだけに他の車両との格差は否めなかった。戦後、1000系の1形式である1200形が電装されると電装を解除されて制御車となり、さらに1952年に運転台も撤去して付随車となった。付随車となってからは500形（初代）や600形（初代）の中間車として使用されていた。しかし収容力が小さいため、2000系の増備と引き替えで、1967年に全車が廃車となった。