中華人民共和国の鉄道
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中華人民共和国の鉄道（ちゅうかじんみんきょうわこくのてつどう）では、中華人民共和国（台湾を除く中国）の鉄道について記す。
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[編集] 概要
中国の鉄道（中国鉄路）は、清朝時代の1876年（光緒2年）にイギリスによって敷設された呉淞鉄道（上海～呉淞間14.5km）が始まりであるが、これは無許可で作ったものなので数年で撤去された。本格的なものは1881年（光緒7年・明治14年）に李鴻章の命によって敷設され、ラバが引く車両を用いた唐胥鉄道（河北省・唐山～胥各庄間9.2km）である。1882年（光緒8年）には蒸気機関車の使用も開始された。
以後、中国の鉄道の多くは日清戦争後更に進出・分割を強めた列強の手によって敷設され、1899年（光緒25年・明治32年）に起こった義和団事変では攻撃対象にされ、1911年（宣統3年）には民間資本で作られていた粤漢鉄道（広州～武昌）・川漢鉄道（漢口～成都）を国有化して列強の抵当に入れることに反対した四川省の資本家・民衆運動がきっかけで辛亥革命が起こるなど、時代に振り回される格好となった。
また日露戦争の結果、満州南部地方（現、東北地区）の鉄道利権はロシア資本の東清鉄道から日本資本の南満州鉄道（満鉄）に移っており、その利権を保護するために日本は1931年に満州事変を起こした。続く1937年～1945年の日中戦争では、日本軍が占領した華北地域の鉄道は満鉄系列の華北交通、華中地域の鉄道は日本の傀儡政権であった中華民国汪兆銘政権の国策会社華中鉄道によって運営された。
日中戦争後、国共内戦によって1949年に中華人民共和国が成立すると、鉄道は同国の重要な産業とみなされるようになり、原則として国有鉄道の運営とされるようになった。そして国の成立当時総延長21810kmしか存在しなかった鉄道は、国家指導下で急速に建設が進められ、文化大革命後の1978年には43000km超に、1985年には52000km超、そして2000年には67000km超の路線を有するまでになり、インドの62000kmを抜いてアジア最大、世界でもアメリカ・ロシア・カナダについで第4位の路線網を誇っている。
また、電化区間は中華人民共和国成立についてはゼロであり、複線区間も866kmであったが、2000年現在ではそれぞれ12000km超・19000km超となり、電化区間距離についても世界第8位となっている。そして近頃になって高速化などの近代化も進められていて、都市間高速鉄道が北京～天津間などの短距離では導入され、長距離でも導入計画がある（北京・上海間高速鉄道計画も参照）。
なお国鉄以外にも、地下鉄・路面電車などがいくつかの都市で運営されており、また2003年12月には上海に磁気浮上式鉄道のトランスラピッドが開通した。
[編集] 運行概要
[編集] 列車種別
中国の列車種別は運行速度が速く運賃が高額なものから順に直達・特快・快速・普快・普客と区分されている。日本の区分では、直達は途中無停車の都市間ノンストップ列車、特快は特急列車、快速は急行列車、普快・普客が準急列車・普通列車に相当する。(直達については直行便#中国鉄路におけるノンストップ列車に記述がある。)
長距離列車も多い。中でも一番長いのは上海～ウルムチ間約4077kmを、2泊3日かかって走る。国際列車もある。区間設定の例として、北京～平壌（北朝鮮）、北京～ウランバートル～モスクワ（モンゴル・ロシア）、フフホト～ウランバートル（モンゴル）、北京～ハルビン～モスクワ（ロシア）、ハルビン～ウラジオストク（ロシア）、北京～ハノイ（ベトナム）、昆明～ハノイ（ベトナム）、ウルムチ～アルマトイ（カザフスタン）、が挙げられる。北京・上海・広州などから香港へ向かう列車は、返還後も今に至るまで境界での検査が存在する。「国際列車」ではなくなったが、国内列車とは異なる運行システムとなっており「越境列車」に相当する。
[編集] 車両等級
下記の座席、寝台がある。
- 高包（高級軟臥。定員1人または2人の個室寝台。ごく一部の路線に限られる。）
- 軟臥（定員4人の個室寝台）
- 硬臥（3段開放・半開放寝台）
- 特等軟座（高級グリーン車、ごく一部の路線に限られる。）
- 軟座（グリーン車 昼間を運行する路線に限られる。）
- 硬座（普通車指定席）
- 無座（硬座立ち席券 乗車後、軟座、硬臥などに変更できる。）
寝台には下鋪、中鋪、上鋪（下段、中段、上段）があり、下鋪が若干高い。
他に空調設備の有無で料金に格差がある。一例をあげると、北京～上海間であれば、特快の高級軟臥と普快の硬座では10倍以上もの運賃・料金格差を生じる。
中国人は硬座に乗車するのが一般的である。外国人旅行者にとっては、硬座は車内が汚くまた治安も悪いため、軟座が一般的である。現地の人とのふれあいを求めて硬座に乗車する外国人旅行者もいる。硬座以外の上等客室に硬座の客が入ってくるのを防ぐため、車両間の貫通扉が施錠されることがある。
[編集] 切符購入
現在ではオンラインによる座席指定予約制度が導入されている。新システム導入により確実に切符が手に入るようになったかといえば、一方で旅客需要は依然として増加しているため、長距離列車などでは切符の売り出し日（一般の列車は発車の4・5日前、直達は20日前）早々売り切れになるものも珍しくない。また中国に市場経済が導入されたとはいえ、鉄道はいまだ社会主義を前提とした国家の所有であるため、駅の切符の販売員（服務員）の販売意欲は日本と比較すると高いとはいえない。全体的に見れば以前と比べれば少なくなってきたといわれるが、空席があったとしても「没有」（メイヨウ・座席無し）と窓口でいわれるような場面も、個別には遭遇することがある。
[編集] 料金
[編集] 外国人料金制度
1997年までは中国には外国人料金制度があり、運賃・料金は中国国民より割り増された額が適用されていたが、そのため混雑しない専用窓口が使え、切符を優先的に手に入れる事ができた。現実的には、日本人旅行者でも中国語を駆使できさえすれば、中国人と日本人は風貌ではさほど差のないことを利用して、中国国民料金で乗車することは可能だった。
[編集] 路線
- 中国国鉄 - 八縦八横 - 重点的に国家が整備を行う「八つの縦断と八つの横断」鉄道
- 八縦（中国大陸の南北を結ぶ主な線）
- 八横（中国大陸の東西を結ぶ主な線）
- その他の中国国鉄路線
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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