ヴァンツァー
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ヴァンツァー(ヴァンダー・パンツァー、Wander Panzer、英字略WAP)とは、ゲーム『フロントミッション』に登場する架空の機動兵器の名称。
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[編集] 歴史
2020年、ECドイツ連邦共和国ヴァレンシュタイン大学のミハイル・ランドルト教授がシュネッケ社の資金援助を受けて2025年に開発したWAW(ヴァンダー・ヴァーゲン、Wander Wagen)をもとに開発された。
開発当初はアクチュエーターと機体制御を行うCOMの搭載による高額な機体価格が問題視されたが、2040年にディアブルアビオニクス社が提示したMULS規格により問題は解消される。シュネッケとディアブルアビオニクスは現在の規格を戦闘用WAW専用とすることを決め、2042年参入各社との協力のもと、MULS-P(Multi Unit Link System-Panzer)規格を開発。従来の規格との互換性を保ちつつ、機体サイズを25%大型化、出力も40%向上した。また軍事利用に対応するために両肩と背中に兵装用ハードポイントを設け、両手に武器が携行できるようCOMの規格も変更された。MULS-P規格の機体には従来のWAWとの区別のためにヴァンダー・パンツァーの名称が与えられた。
※2003年のフロントミッションシリーズ再開に伴って各種設定とともにヴァンツァーの名称が下記のように変更されている。
- Wanderung Panzer → Wander Panzer
- Wanderung Wagen → Wander Wagen
ヴァンツァー・WAWなどの略称には変更が無いものの初期シリーズからのファンの中には違和感を感じると訴える人も見受けられる。
[編集] 特徴
最大の特徴はMULS-P規格による互換によるメンテナンスの平易さ、汎用性の高さである。腕部パーツは通常兵器を装備するアクチュエーターの他に装弾数/火力に優れた武器腕への換装が可能であり、状況においては装甲車に似たセットアップも可能。また脚部パーツの交換により、険しい山岳地帯の登頂や湿地帯の横断なども可能であり、従来の兵器の枠組みに囚われない柔軟な運用が出来る。
反面、装甲や火力においては劣るところがあったため、大型機動兵器という新たなカテゴリの兵器を登場させることとなる。既存兵器としてヘリは基本的に敵に値せずだが、平地における対戦車戦は不利。隠密戦や電撃戦は得意とするが、正面からの撃ち合いでは必ずしも優位には立てないのである。
[編集] ハード面の進歩
当初WAPはジェイドメタルのゼニスをはじめとして機動性に特化した機体が多かったが、ディアブルアビオニクスのフロストの大ヒットを受け、重装甲と積載量の強化を狙った機体開発も進められていくこととなる。また、第二次ハフマン紛争以降は多様なバックパックの装備に合わせ、偵察や対電子戦に特化した仕様の機体開発が進められている。メーカー間の開発競争は激しく、紛争以前は既存兵器の陰に隠れる形であったWAPが次第に戦略の中心に成り代わっていく様子がわかる。基本的には陸上兵器だが、2112年に到るまでには一部機種では水中戦や宇宙での活動を視野に入れたWAPの開発も進められている。
反面、取り回しの平易さから型落ち品や軍からの流出品もしくは鹵獲品等が闇市場に出回るなど問題となっている。現に主人公が正規軍もしくはそれに準ずる機関に所属している『4th』『5th』等では装備品は概ね支給品で統一されているが、他のタイトルでは必ずしもそうであるとは限らない。WAPは安易にテロリストや犯罪組織の戦力になるなど問題となっているのである。『3rd』『5th』の改造品であるが、メーカー既製品のバージョンアップを行っているのか、独自のカスタマイズの延長戦であるのかの境界が曖昧であり、技術の拡散、細分化に拍車を駆けているとも言える。
[編集] ソフト面の進歩
ソフト面の進歩はバイオニューラルデバイスなしには語れないであろう。当然ながらWAPの操縦は人間だけで出来るものではない。COMの援護による機体制御があって初めて成り立つものなのである。また、経験の蓄積によるCOM性能の向上も見逃せない。この発想を生かしたのが悪名高いそれであるが、『4th』時では優秀なパイロットの動作が既にCOMに組み込まれている体制が既に整っており、それが果たした影響はここにあるとも言える。『2nd』のフェンリルに到っては搭乗者すら必要としない。
以上のように『Alternative』の時代からパイロットは無視されがちであるが、必ずしも搭乗者の性能が無視されると言うわけではない。それは前述のバイオニューラルデバイスの発展形S型パイロットとイマジナリーナンバーである。この二者は従来の兵士を越える能力を有し、また異なった出発でありながら、ほぼ同じ帰結に到達しており興味深い。また、『3rd』のパーツによるスキル取得のシステムはハードとソフトの合致という点で見逃せない。
[編集] メーカー
メーカー総覧(パーツ・武器開発のみ含む)、参入順(WAPの登場に従ったおおまかな分類)に序列。
[編集] 黎明期
アフリカ紛争時、WAW開発に参入していた企業を指す。
- ジェイドメタル
- ハイネマンインダストリィ
- ヤギサワ重工
- ディアブルアビオニクス
- シュネッケ
- センダー
[編集] 現行期
第二次ハフマン紛争時、既に参入していた企業を指すが、参入時期は不明瞭。
- レオノーラ・エンタープライズ
- ヴェルダ
- サカタインダストリィ
- ヴィンスジャパン
- ヴィンス
- フレイマン
- ボールドチャレンジ
- ホープライズ
- リムアーズ
- トロー
- バザルト
[編集] 次世代期~
第二次ハフマン紛争以降、頭角を現した企業を指す。参入時期については以前のものも存在する。