ミニットマン (ミサイル)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
LGM-30 ミニットマンはアメリカ空軍の大陸間弾道ミサイル(ICBM)である。核兵器を搭載した戦略兵器である。
ミニットマンの名称はアメリカ独立戦争における義勇兵に由来する。建造はボーイング社で1962年に開発された。タイタンと並び1960年代から1980年代に至る戦略空軍(SAC)のミサイル部隊の主力兵器としてワイオミング州、ノースダコタ州、モンタナ州等北中部の空軍基地にあるミサイルサイロに配備されている。1990年代に退役する予定であったが、ミニットマンを置き替えるために開発されたピースキーパーが第一次戦略兵器削減条約やモスクワ条約によって2005年に退役したため現在にいたるもなお現役に留まっている。アメリカで現役の地上発射ICBMはミニットマンの最終型であるミニットマンIIIのみであり、アメリカ空軍は2025年までミニットマンIIIを作戦配備に留める予定である。ミニットマンIIIはMIRV化されている。
ミニットマンはアメリカ空軍における最初の本格的な固体燃料ロケットエンジンを搭載した量産型ICBMで、3段式エンジンによって最大速度時速24,000kmを誇る。
[編集] 主要諸元
- 全長 18 m
- 直径 1.67 m
- 発射重量 36,030 kg
- 射程 10,000 km
- 弾頭
- 単価:7,000,000ドル
- エンジン:三段式固体燃料ロケットエンジン
- 第一段:サイオコール社 (Thiokol)
- 第二段:エアロジェット・ジェネラル社 (Aerojet-General)
- 第三段:ユナイテッド・テクノロジーズ・化学システム部門 (United Technologies Chemical Systems Division)
- 発射重量:79,432lb (36,030kg)
- 全長:59.9ft (18m)
- 直径:5.5ft (1.67m)
- 速度:約15,000mph（マッハ23、24,000km/h、7km/sec）
- 射程:6,000mi以上(5,200nm, 10,000km)
- 飛行高度:700mi (1,120km)
- 搭載弾頭:
- W62
- W78(ミニットマンIII)
- W87(ミニットマンIII、2006-)
- 誘導装置:慣性誘導装置
- 配備方式:地下サイロ配備
