ハル・エメリッヒ
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ハル・エメリッヒ(Hal Emmerich)は、コナミ(現、コナミデジタルエンタテインメント)のゲーム『メタルギアソリッド』シリーズに登場する架空の人物。
愛称はオタコン(Otacon)。同シリーズの主人公・ソリッド・スネークのパートナーであり親友。兵器開発の天才でもある。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] プロフィール
アメリカ国籍の白人。身長177cm、体重62Kg。眼鏡をかけ、ボサボサの頭髪に無精ひげという出で立ち。人なつっこい性格。グラビアポスターには興奮する。運動神経はあまりなく、高いところは苦手。声優は田中秀幸。
ちなみに、小島秀夫監督の発注は、(チョコバーが好きな)太った黒人の中年男性であったが、デザインを担当した新川洋司によって現在の姿に変更された。
日本のアニメ(ジャパニメーション)が好きで、アメリカで開催される日本アニメのイベント「オタク・コンベンション」の常連であることから、略して「オタコン」と呼ばれる(Otakonなるイベントは実在のもので、ゲームに使用するにあたって主催団体より許諾を得ている)。アニメのロボットに憧れており、彼が兵器開発者になったのも、アニメのようなロボットを造りたいという思いがあったからである。ka-62「カサッカ」を操縦できる。
[編集] 家系
彼の家系は波乱に満ちている。祖父はマンハッタン計画に参加していた人物の一人で、メタルギアの原案者、グラーニンの開発データを受け取った本人だとされる。父親は広島に原爆が投下された1945年8月6日に生まれた。ゲーム中では、親子3代にわたって核兵器に関わることを嘆くシーンがある。
『メタルギアソリッド2』では、義妹(父の再婚相手の娘)エマ・エメリッヒが登場。彼女の母親(オタコンから見れば継母)との肉体関係や、父親のプールでの自殺、義兄であるオタコンを想うエマ…など、複雑な家庭事情が明らかになる。
[編集] シャドー・モセス事件(メタルギアソリッド)
兵器メーカーであるアームズ・テック社の技術者で、メタルギア・プロジェクトの開発チーフ。
シャドー・モセス島でのメタルギアの演習に参加していたが、その最中FOXHOUNDが蜂起し、メタルギアを奪取。彼は身柄を拘束され、最終調整のために協力を強いられていた。彼自身はメタルギアを移動可能なTMDと信じて開発していたが、スネークとの接触で事件の真相を知り、自らの過ちを悔いるとともに、彼への協力を決意。その後は無線通信や、彼が開発したステルス迷彩を使って積極的にスネークをサポートした。
犬が好きで、狼犬にエサを与える許可をくれ、優しくしてくれたスナイパー・ウルフに好意を抱く。彼の悲恋は本作の見せ場の一つとなっている。
作戦終盤では、ハッカーでもある彼の才能が発揮され、スネークの作戦遂行に数々の貢献をした。作戦終了後は軍によって無事保護されたが、その後はアームズ・テック社へは戻らず、消息を絶っていた。
[編集] シャドー・モセス事件以後(メタルギアソリッド2)
シャドー・モセス事件から生還したオタコンは、スネークとともに反メタルギア財団「フィランソロピー」を設立。リボルバー・オセロットの裏工作によって世界中に拡散したメタルギアの亜種を破壊するべく活動していた。
シャドー・モセス事件から2年後、オタコンは、アメリカ海兵隊が世界中の亜種メタルギアに対抗するべく新型メタルギア(メタルギアRAY)を開発し、演習のために極秘裏に海上輸送を行うという情報を入手。パートナーであるスネークとともに、メタルギアRAYが積まれている偽装タンカーへの潜入作戦を実行する。その目的は、スネークが船内のメタルギアRAYをカメラで撮影し写真データをオタコンへ送信、オタコンがそれをインターネット上で公開して海兵隊のメタルギア開発計画を暴露し、政府に圧力をかけるというものであった。
実際の作戦では、スネーク一人が偽装タンカーに潜入し、オタコンは外部から無線通信での作戦指示やサポートを行い、作戦終了後はヘリでスネークを回収するという段取りであった。スネークの活躍によって当初の目的は達成されたものの、スネークの脱出直前に、メタルギアRAYの奪取を狙うセルゲイ・ゴルルコビッチ率いる傭兵部隊がタンカーを制圧。さらにその後、彼らと行動をともにしていたリボルバー・オセロットが裏切りを宣言し、タンカーを爆破してRAYを乗り逃げしてしまう。この混乱でスネークは海上に投げ出されてしまうが、その後無事にオタコンに回収されている。
なお今作戦のなか、スネークとの無線による通信中に、メイ・リンの真似をしてことわざをスネークに教えていたが、途中で彼女からもらったメモをなくしてしまう。結果、とてつもなく意味不明なことわざ講座に至ってしまい、それに気づいたメイ・リンに怒られた。
[編集] タンカー事件以後 (メタルギアソリッド2)
タンカー沈没事件後、オセロットの策略によって、オタコンはスネークとともに事件の首謀者とされ、指名手配される身分となる。追われる身で二人がどのように活動を続けていたのかは不明である。しかし彼は「ソリッド・スネークは死んだ」と墓を作り、前作で死んだリキッド・スネークの遺体をどこからか奪取、代わりにに埋葬するという偽装工作を行っている。
タンカー沈没事件から2年後、オタコンは今度は、海兵隊のメタルギアRAY計画とは別に進められていた海軍のメタルギア(アーセナルギア)計画についての情報を得る(アーセナルギア計画の存在自体は、タンカー沈没事件以前から漠然とながらも知っていたようである。ちなみに情報提供者はリキッド・スネーク)。その内容は、事件後に現場の海域上に建設された(名目上の)海上除染施設「ビッグ・シェル」を隠れ蓑にしてアーセナルギアの開発が行われているというものであった。
同時に、長らく音信不通であった義妹のエマがアーセナルギア建造計画に関わっているという情報もあり、真相究明のためオタコンはスネークと再びコンビを組んで「ビッグ・シェル」潜入作戦を実行する。