ネヴァーマインド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ネヴァーマインド | ||
---|---|---|
ニルヴァーナ の アルバム | ||
リリース | 1991年9月24日 | |
録音 | 1990年~1991年 ノースハリウッド |
|
ジャンル | オルタナティブ・ロック/グランジ | |
時間 | 42 分 38 秒 | |
レーベル | ゲフィン Geffin |
|
プロデュース | ブッチ・ヴィグ | |
ニルヴァーナ 年表 | ||
ブリーチ (1989年) |
ネヴァーマインド (1991年) |
ホルモウニング (1992年) |
ネヴァーマインドは1991年9月24日発売されたアメリカ合衆国のロックバンドニルヴァーナの2NDアルバム(メジャーとしては1ST)。
目次 |
[編集] 経緯
アルバム『ネヴァーマインド』は1990年から1991年にかけて録音された。プロデューサーはブッチ・ヴィグ、ミキサーはアンディ・ウォレスがそれぞれ担当。より広い層にアピールするようボーカル/ギターを強調し、またラジオオンエアの際によりクリアに聞こえるように中音域に音を集めたミックスとなった。また、名曲『スメルズ・ライク・ティーンスピリット』から始まる楽曲もメジャー市場を意識したものからアンダーグラウンド寄りのものまでバランスよく収録されており、へヴィメタルファンからロック/ポップのファンまで幅広いリスナーを獲得するに至った。
結果、『ネヴァーマインド』はベストセラーアルバムとなったが、ボーカルのカート・コバーンはこのアルバムに難色を示しており、また本来のニルヴァーナの音からはかけ離れたものであることは否めない。特に『スメルズ・ライク・ティーンスピリット』は強烈なメッセージ性とシンプルでパワフルなリフで新たな若者達のアンセムであるといわれ、シングルは驚異的な売り上げを示したが、カート自身はこの楽曲をいわゆる「クールな」若者たちを皮肉ったものとして製作しており(馬鹿みたいな詩と馬鹿みたいなリフの組み合わせというつもりだったらしい)、その意図が曲がって伝わってしまったことに不快感を示している。結果として、ニルヴァーナの最も有名な楽曲であるにもかかわらず、カートが演奏したがらない楽曲となってしまった。
とはいえ、このアルバムはビルボードにおいてナンバー1となる驚異的な売り上げを示しシアトルのローカルバンドに過ぎなかったニルヴァーナを全米トップの人気バンドへと押し上げ、グランジ/オルタナティブロックムーブメントを全米に広げた。現在でもグランジの金字塔として語られる名作である。
[編集] チャートアクション
ネヴァーマインドはビルボードTop200において一位を獲得、また数々の批評家達からその年のベストアルバムに選出された。
1991年、ローリングストーン誌におけるロックの最重要アルバムTop500において17位に選出される。
同年10月、RIAAによりゴールド、プラチナアルバムとして認定。
しかしながら、保守的なグラミー賞には候補にも上らなかった。
[編集] 収録曲
- スメルズ・ライク・ティーンスピリット"Smells Like Teen Spirit" (Cobain/Grohl/Novoselic) – 5:02
- イン・ブルーム"In Bloom" (Cobain) – 4:15
- カム・アズ・ユー・アー"Come as You Are" (Cobain) – 3:39
- ブリード"Breed" (Cobain) – 3:04
- リチウム"Lithium" (Cobain) – 4:17
- ポリー"Polly" (Cobain) – 2:56
- テリトリアル・ピッシングス"Territorial Pissings" (Cobain) – 2:23
- ドレイン・ユー"Drain You" (Cobain) – 3:44
- ラウンジ・アクト"Lounge Act" (Cobain) – 2:37
- ステイ・アウェイ"Stay Away" (Cobain) – 3:33
- オン・ア・プレイン"On a Plain" (Cobain) – 3:17
- サムシング・イン・ザ・ウェイ"Something In The Way" (Cobain) – 3:51
- エンドレス・ネームレス(ボーナス・トラック)"Endless, Nameless" - 20:35.
[編集] 影響と評価
『ネヴァーマインド』の成功でニルヴァーナは一躍トップバンドの仲間入りを果たしたが、メジャー市場を意識した作りは後のニルヴァーナの活動に影を落としてしまうこととなる。特にボーカルのカートはネヴァーマインドの成功を快くは思っておらず、度々本アルバムを否定するような発言を繰り返している。このカートの態度は後にアンダーグラウンドへと回帰した『イン・ユーテロ』を生むこととなった。
しかしながら、リスナーにとっては現在でも広く愛聴されている名作アルバムであり、多くの後進のアーティスト達に影響を与えている。結果として、バンド自身も含めて良くも悪くも多くの人の人生を変えてしまうアルバムとなった。現在では、ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリーハーツ・クラブバンド』やローリング・ストーンズの『メインストリートのならず者』と並んでロックの歴史における最重要アルバムの一つとして語られるアルバムである。
[編集] 関連項目
ニルヴァーナ |
---|
カート・コバーン - クリス・ノヴォセリック - デイブ・グロール |
オリジナルアルバム: ブリーチ - ネヴァーマインド - イン・ユーテロ |
ライブアルバム: MTV・アンプラグド・イン・ニューヨーク - フロム・ザ・マディ・バンクス・オブ・ウィシュカー |
ベストアルバム: ニルヴァーナ |
未発表&別テイク集: ホルモウニング - インセスティサイド - ウィズ・ザ・ライツ・アウト - スリヴァー |
楽曲: 「スメルズ・ライク・ティーンスピリット」 |
元メンバー: パット・スメア - アーロン・バークハード - デイル・クローバー - デイブ・フォスター - チャド・チャニング - ジェイソン・エバーマン - ダン・ピーターズ |