スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION2
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スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION2' | |
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ジャンル | シミュレーションRPG |
対応機種 | ゲームボーイアドバンス |
開発元 | バンプレソフト |
発売元 | バンプレスト |
人数 | 1人 |
発売日 | 2005年2月3日 |
価格 | 6090円 |
対象年齢 | CERO:全年齢 |
売上本数 | 約16万本 |
『スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION2』(すーぱーろぼっとたいせんおりじなるじぇねれーしょんつー)は、バンプレストのシミュレーションRPG。『スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION』の直接の続編。2005年2月3日発売。ゲームボーイアドバンス専用。全43話/54ステージ。
本作の後日談がOVAであり、前作と本作、OVAとその前後を描いたドラマCDのエピソードを加えた『スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATIONS』が、2006年にプレイステーション2で発売予定である。
目次 |
[編集] 概要
前作のバンプレストオリジナル路線を維持し、新しく『スーパーロボット大戦A』『第2次スーパーロボット大戦α』等の作品に登場したキャラやロボットが加わった。また、『ヒーロー戦記』とは深い関わりを持ち、実質的な後日談として捉えるファンも多い。
難易度は前作より大幅に跳ね上がり、特に難易度を難に上げるとリアル系ユニットですら集中、場合により必中+閃きが必須になる程の命中率が頻発する。クリア後特典として武器の改造が一切出来ず、パイロット養成に必要なPPが倍の「EXハード」、EXハードをクリアすると出現する、改造段階が全パラメータ10段階、全武器・強化パーツを1つずつ持った状態でスタートする「スペシャル」の追加モードがある。
なお前作とは違い、主人公は選択できないが、ストーリーは『IMPACT』と『A』を中心にして展開されるため、キョウスケ・ナンブとラミア・ラヴレスらが仮の主人公といえる。これにゼンガー・ゾンボルト、アラド・バランガ、そしてギリアム・イェーガーらなどのエピソードが追随して幅を持たせる形になっている。なおストーリー的には会話の内容などから前作のリュウセイ編の続編である事が分かる。
[編集] 参戦作品
- 第3次スーパーロボット大戦
- 第4次スーパーロボット大戦
- 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL
- ヒーロー戦記 プロジェクト オリュンポス
- 新スーパーロボット大戦
- スーパーロボットスピリッツ
- スーパーヒーロー作戦
- スーパーロボット大戦α
- スーパーロボット大戦α外伝
- 第2次スーパーロボット大戦α
- スーパーロボット大戦COMPACT2(IMPACT)
- スーパーロボット大戦A
- スーパーロボット大戦 スクランブルギャザー
- 超機人 龍虎王伝奇
[編集] システム
システム面でも前作と大きな差は見られないが、パイロット養成の最大養成値が400までになるよう上限が設定された。また、養成で習得可能な特殊技能が増えているほか、前作には無かったシナリオ分岐が加わり、ストーリー性が増している。
演出面では、ほとんどのユニットグラフィックが描き換えられ、アニメーションもパワーアップしている。『スーパーロボット大戦D』で実装された、強化パーツの売却やユニットの換装(ヒュッケバインMk-IIIのみだが)も出来るようになった。前作でカットインの無かったパイロットにカットインの追加も行われている。
ユニットとパイロットごとに指定されたBGMの中から、任意で戦闘BGMを選ぶことができるようになっている。
本作のフル改造ボーナスでは、全ユニット共通のボーナスの他に、ユニットによって異なったボーナスが一つずつある。パイロットの違いで微妙に性能の異なる3機の量産型ゲシュペンストMk-Ⅱにも、機体毎に違ったボーナスが用意されている。
前作では気力+5での効果のみだった「エースボーナス」に、キャラ別で特別な修正が加わるようになった。例として武器の攻撃力や命中回避率、獲得経験値にボーナスが加わるものから、特定の精神コマンドの消費SPを例外的に大幅軽減するなどの効果がある。
[編集] スタッフ
- プロデューサー
- 寺田貴信
- じっぱひとからげ
- 菊池博
- ディレクター
- 安斉誠
- 名倉正博
- シナリオ
- 千住京太郎
- なかの★陽
- 名倉正博
- オリジナルメカデザイン
- 宮武一貴
- カトキハジメ
- 大河原邦男
- 齊藤和衛
- 藤井大誠
- 富士原昌幸
- 津島直人
- 大輪充
- 守谷淳一
- 安藤弘
- 小野聖二
- 金丸仁
- 小林淳
- 土屋英寛
- オリジナルキャラデザイン
- 河野さち子
[編集] 評価
[編集] シナリオ
- 本作では、原作で仲間になっていたキャラが仲間にならず死んでしまうことに批判が多い。特に、『A』で主役を務めたアクセル・アルマーと初登場ながら大きな期待が寄せられていたオウカ・ナギサは、本作では完全な悪役扱いである。前者には『A』時からの熱狂的なファンが存在し、後者はスクール勢絡みでのシナリオが秀逸であったために、このような扱いになってしまったことに不満を持つプレイヤーは多く、『OGS』では味方で使用できることを期待されている。
- また、原作でバンプレストオリジナルキャラに深くかかわっている版権キャラ(第○次シリーズの破嵐万丈など)の言動をそのままコピーすることに対して批判の声もある。特にイルム=万丈は顕著で、イルムというキャラの個性にかかわるのではないかという声がある(ただし、αの時点でその行動を匂わす設定はあったし、『OG』の設定資料でもその設定は残っている)。
- 序盤でやられる、もしくは倒すことにより撤退するボス級キャラが存在せず、「努力」「応援」の使い所が非常に難しい。倒そうと思えば倒せるキャラもいるが、撤退HPが高すぎるために1周目では撃破不可能な物が非常に多い。しかしシナリオ的には「撃破→脱出→パワーアップして再登場」のワンパターンな流れが無くなるという良い所はある。
ストーリー自体の評価は高く、負け犬ではないアイビス、スクール勢の過去との決着や、斬艦刀を持つ2体のロボットの対決、『ヒーロー戦記』から12年の歳月を経たギリアムの贖罪等、「見せ場」が非常に多く用意されている。
[編集] システム
- バリアを無条件で貫通可能(精神コマンド「直撃」不要)で、しかも援護攻撃まで付けられる合体攻撃の火力が非常に高く(半減バリアを持つユニットがいるので最大2倍)、これらのユニットを軸にしていくのが一般的な攻略法である。しかし、合体攻撃を持つユニットの数が多いため(キョウスケ-エクセレン、アラド-ゼオラ、リュウセイ-ライ-アヤ、リュウセイ-マイ(ヴィレッタ)、シャイン-ラトゥーニ、ゼンガー-レーツェルの12機体6パターン)、その上に主役級キャラを登場させてしまうと、出撃数のほとんど(出撃の最大数は19機。合体攻撃を持つユニットを全て出撃させた場合、空きは7機)を使いきってしまい、サポートユニットやユーザーお気に入りのキャラの出撃数が限定されてしまう。
- 前作では共通であった援護が、援護攻撃と援護防御に分かれてしまったため、特殊能力のスロット数が足りないキャラが続出した。特に両方をデフォルトで持ち、それに加え天才を持つラトゥーニが割りを喰っている。空きスロット3だが、合体攻撃を持ち、精神コマンドで熱血、再動を持つため選択が難しい。
- サポートキャラにこそ欲しい技能が多数存在するが、PP消費での取得のため、基本的に敵を倒さないサポートキャラでは覚える事が出来ないという矛盾(これについてはプレイヤー側でまめに撃墜していけばフォローできる。特機でなければ修理・補給装置がつけられるので中盤ごろには余ったユニットにも高性能なユニットがある)。
- 前作にて大活躍した精神コマンド「見切り」が消滅し、必中と閃きに分かれたせいで、別の有用な精神コマンドが消されてしまったキャラがいる。なお、「見切り」は『第3次α』で「直感」として復活した。
- ほとんどのキャラが熱血・必中・閃きの3つを精神コマンドで所有しているので、キャラごとの精神コマンドの個性が少ない(本作は必中無しでは当てられないゲームバランスになっているため止むを得ないともいえるが)。
- なぜか合体すると手持ちの武器を捨ててしまう(分離すればまた使えるが)ヒュッケバインMK-III。
- 周回を増やしても取得難易度があまり変わらない隠しアイテムの存在。(だからこそ隠しアイテムだという意見もあるが)しかも取得までにかかるターン数が異常。
- 射撃重視の機体から格闘専門の機体へ乗り換えるブリット、隠しユニットを出すと同じ状況になるラミアに、不必要な能力をつけてしまい、PPが無駄になることがある。特に、ラミアは乗換えが効くため隠しユニットをあきらめるという手段をとることができるが、ブリットは乗り換え後は乗換えが効かず、救済手段が存在しない。
- 隠しユニットや武器の入手には、撃墜数が絡む場合が多い。周回を重ねても撃墜数は引き継がないため、全ての隠し要素をクリアしつつ、かつ全ての熟練度の獲得を狙うには、キャラごとに撃墜数をコントロールしながらプレイする必要がある。
- 隠しユニットのうちヴァイサーガとアシュセイヴァーの入手法のみが攻略本に載っておらず、入手条件も複雑なために一時期存在が疑われていた。
[編集] 参戦作品
以前から参戦を希望する声が根強かった『スーパーロボット大戦A』の面々、『第2次α』からのアラド&ゼオラ、アイビス、ツグミ、スレイ、そして『α』の主人公の内、前作で登場しなかったユウ、カーラの登場は発売前から話題となった。また『第3次スーパーロボット大戦』からのインスペクター勢の参戦や随所に散りばめられた『ヒーロー戦記』からのネタは、事前の情報が一切無かったこともありプレイヤーの予想を良い意味で裏切る結果となった。ちなみにユウとカーラの登場も発売まで秘密になるはずだったが、ファミ通の記事で彼らと断定出来る画面が勝手に公開されてしまったため、開き直って公式サイトでも発売前に同じ画面を公開した事を、寺田プロデューサーがブログで語っている。
[編集] グラフィック
前作ではミサイル等のグラフィックはある程度統一されていたが、今作ではスプリットミサイルを例にとっても、アルトアイゼンとヴァイスリッターは弾頭から子機が射出するタイプ、ゲシュペンストは背部のラックに収納、使う機会が極めて少ないGホークのものに至るまで、個別のアニメーションが製作されている。この他にもガストランダーのオメガキャノンが実体弾であったり、戦艦の対艦ミサイルがCTM-09セイファートを使用していたりと非常に凝った作りになっている。
一部ユニットを除いてドット絵もほぼ書き直された。書き直されていないユニットも新しいアニメーションが追加されているなどの改善がなされている。そんな中、なぜか『A』に登場したユニットの必殺武器のカットインは、『A』のものを使い回している。
[編集] BGM
BGMの同時発音数は前作より1ch減少しているものの、完成度そのものは高く健闘しているといえる。また旧シリーズからの楽曲も採用されており、『第3次スーパーロボット大戦』から「WILDNESS WAR」(なぜかコンプリートボックス版ではあるが)、『スーパーロボット大戦IMPACT』から「招かれざる異邦人」、『スーパーロボット大戦A』から「極めて近く、限りなく遠い世界に」らが使われた。戦闘曲ならばともかく原典のマップ曲まで使用された例はこれが初であり、ファンを喜ばせた。
また、1度以上クリアしたデータを読み込んで、MAP上であるコマンドを入力すると、「サウンドモード」が出現。本作で使用されたBGMを聞くことが出来る(余談だが、MAP上出現する「サウンドモード」は『第3次スーパーロボット大戦』の裏技、コマンドは『スーパーロボット大戦EX』でネオ・グランゾンを使用するためのコマンドから来ていたため、第○次シリーズのファンを喜ばせた)。
[編集] CM
本作のCMには、加藤夏希がゲーム中に登場するキャラクターであるラミア・ラヴレスのコスプレをして出演した。その後も加藤はスーパーロボット大戦シリーズのイメージキャラクターとして『第3次α』のCMに出演したほか、同作の登場キャラであるルリア・カイツの声優も務めている。