シントニックコンマ
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シントニックコンマ は音楽用語の一つで、ピタゴラス音律に現れる長3度と純正3度との差をいう。約21.51セント。
ピタゴラス音律では、周波数を3/2倍する操作を4回繰り返すと長3度の音程が得られる（最初の音をドとするとド→ソ→レ→ラ→ミ。ドとミが長3度の関係）。この方法で得られる長3度は周波数が (3/2)4 = 81/16、これを2オクターブ下げて、81/64である。一方、純正3度は周波数 5/4 = 80/64 である。即ちピタゴラスの3度は純正3度より 81/80 だけ周波数が高い。これをセントで表すと、1200 * log281/80 = 21.506... 約21.51セントである。
ピタゴラスの長3度が何セントか計算すると、1200 * log281/64 = 407.820003462... セント。これは十二音平均律の長3度（400セント）に比べても 8 セント近く高い。純正律では1200 * log25/4 = 386.313713865... セントである。
このようにピタゴラス音律に現れる長3度は、ピタゴラスコンマの補正を挟まない限り、すべて純正3度より相当広く、同時に鳴らすとかなり「濁った」響きになる。4度、5度ではなく3度の音程を積み重ねる形で和声を作ることが主流になって以降特にピタゴラス音律は使いにくいものになった。一方、全音と半音の差が大きいため旋律に用いると「美しく」流れる。
ピタゴラスコンマの補正にともなうピタゴラス音律における純正に近い長3度の出現についてはピタゴラス音律参照。
