シェルクーフ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

シェルクーフは、フランスの巡洋潜水艦。世界で唯一の巡洋潜水艦でもある。1934年竣工。

[編集] 概要

シェルクーフは、1926年に計画され、1934年に完成した。潜水艦としては異例の排水量3300tは、日本の伊400シリーズが登場するまでは世界最大だった。その巨体を生かした連続航行は90日と、長期にわたる作戦行動が可能であった。主要任務は海上交通遮断だった。装備されている20.3cm連装砲の射程は2万7500mで、射撃スピードは一門あたり毎分3発。浮上後2分30秒で砲は発射可能。搭載砲弾は600発である。

射撃指揮所を兼ねたセイルの後部には商船を爆撃したり、哨戒任務を遂行するための水上戦闘機が搭載されていた。機種はベンソンMB411型低翼単葉複座水上機で、フロートは二つ、分解組み立てが可能だった。搭載数は一機。セイルには更に射撃指揮のために4m測距儀が搭載されていたり、水上機格納庫上部には、対空機銃があった。

商船が相手と想定されていたシェルクーフは、更に艦前部に臨検用のランチを収納していた。また、艦内には捕虜収容施設があり、最大40名まで収容できた。

1942年 2月18日、シェルクーフはメキシコ湾においてアメリカの商船と激突、沈没した。