ゴンドラ (船)
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ゴンドラとは、ヴェネツィアの伝統的手漕ぎボートのこと。
ゴンドラは何世紀にも渡って、ヴェネツィアでの主な交通手段であり続けた。現在も、大水路の岸と岸をつなぐ渡し船(トラゲット)として公共交通機関の役割を果たしている。
ゴンドラは、舳先に向かって立つゴンドリエ(船頭)が、片方だけのオール(櫂)で、引くというより押す力によって推進する。 一般に考えられているのとは逆に、ゴンドラは棒で支えられているわけではない。それにはベネツィアの海が深すぎるのである。 客船としてのゴンドラには小さな客室を有するものもあり、太陽や雨を避けることができる。 ヴェネツィアの費用削減法は、ゴンドラに黒の塗装を義務づけていた。現在も習慣的にゴンドラは黒に塗装される。
18世紀には、ゴンドラの数は数千を超えたと思われる。 現在のゴンドラの数は200～300、そのほとんどは観光タクシーとして使われており、数艘がトラゲットや個人所有の舟である。 ゴンドラ製造は19世紀の終わりまで発展し続けたが、それ以降ヴェネツィアでもモーターボートがゴンドラに取って代わりつつある。
ゴンドラは長くて幅が狭く、船体が非対称で、縦に湾曲（ロッカー）して水との接触面を最小にとどめているため、一つのオールだけで多くの推進力を得ることができる。 オール（remo）は、オール留め（forcola）で留められている。 オール留めは複雑な形をしており、オールを充てるポジションを変えることによって、ゆっくりした前進、早い前進、回転、減速、後進に対応できる。 船の前面にある鉄製の装飾は「フェッロ」と呼ばれる。 フェッロは事故の衝撃から船首を守るとともに、装飾の役割や、船尾近くに立つゴンドリエとバランスを取るおもりの役目をも果たす。
