オルコックアラビアン系
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| 各系統のサイアーライン |
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オルコックアラビアン系（-けい、Alcock Arabian Line）は、初期のサラブレッドに存在した父系の1つ。18世紀初頭イギリスに輸入されたオルコックアラビアンの父系子孫の事である。エクリプス系やヘロド系伸長の影響で、19世紀初頭には滅びてしまったが、サラブレッド種が成立した18世紀にはそれなりの勢力を持っており、非三大始祖父系としては唯一クラシックを勝ったエプソムダービー優勝馬エイムウェルを出した。
[編集] 歴史
オルコックアラビアンは、ロバート・サットンによってコンスタンティノープル（イスタンブル）から輸入された純血アラブとされている。また、カーウンズベイバルブの産駒との説もある。種牡馬としてはクラブを出したのみで現在のサラブレッドに対する寄与度は血量にして1-2%程度（ほぼ全てクラブ経由）とあまり高くないが、父方直系子孫にエイムウェルを出したことなどもあり三大始祖、ダーシーズホワイトターク（別名セドベリーターク）と並んで五大始祖と呼ぶ事も稀に見られる。
オルコックアラビアン系が発展したのは、ほとんどがクラブの成功による。クラブはキングズ100ギニー等に勝つかなりの強豪馬であった。また、後の統計によれば1749‐50年英リーディングサイアーを獲得している。
クラブの子にはブリリアント、スペクテイター、オセロなどが出て、18世紀中頃には後にヘロド系と呼ばれるバイアリーターク系を上回る繁栄を見せていた。ブリリアントは当時の強豪で1750年代に活躍した。その産駒ベラルオも10勝を上げた名競走馬である。また、オセロはブラックアンドオールブラックとも呼ばれた馬で、母の父としてセントサイモンの父系祖先であるキングファーガスを出した。
スペクテイターは初代エプソムダービー優勝馬ダイオメドの母の父としても知られ、現役時代にマッチェムを破る等の活躍を見せ、種牡馬としては後にハイフライヤーを出すレイチェルとの間に20戦12勝を上げたマークアンソニーを出した。マークアンソニーの子には非三大始祖父系唯一のダービー馬であるエイムウェルがいる。
このエイムウェルを出した頃にはすでにマッチェム、ヘロド、エクリプスが全て登場しており、かなり衰退していた。既にイギリス国内ではオルコックアラビアン系以外の三大始祖に属さない父系は前述のダーシーズホワイトターク系以外全て滅びており、オルコックアラビアンもエイムウェルが成功できなかったことで事実上エイムウェルを最後に滅びた。ダーシーズホワイトターク系もアメリカ合衆国に流れたベイヤンキー（1798年?1800年?）と、その僅かな産駒を最後に滅びている。
[編集] 芦毛の起源
オルコックアラビアンとその仔クラブは芦毛遺伝子の起源と推測されている。芦毛の起源については諸説あるが、そのうち1つはオルコックアラビアンかブラウンローターク（1704年頃輸入?）、フェアファックスモロッコバルブ（通称ヘルムズリーズオールドモロッコバルブ、1637年輸入?）の3頭どれかから芦毛遺伝子がサラブレッドに伝えられたというものである。この3頭の内どれから伝わったかは分かっていないが、これは芦毛馬の両親がともに芦毛馬だった場合どちらの芦毛を受け継いだのかが分からないからである。血統書によればオルコックアラビアンの芦毛遺伝子がサラブレッドに受け継がれた可能性はおよそ75%という。また、ブラウンロータークはオルコックアラビアンの別名の可能性があり、この場合オルコックアラビアンが芦毛の始祖である確率は87.5%となる。この他にも種々の説があるが、ほとんどの説がオルコックアラビアンを有力な芦毛の始祖と考えている。
ブラウンロータークの芦毛遺伝子→↓←フェアファックスモロッコバルブの芦毛遺伝子 オルコックアラビアンの芦毛遺伝子→↓ オルコックアラビアンの芦毛遺伝子→↓ ↓ 現在の芦毛馬へ
[編集] サイアーライン
- 比較的重要と思われる馬のみ。（f）は牝馬
- Alcock Arabian 1703,4年頃生? 1709年イギリス輸入?
- ｜Crab 1722
- ｜Blossom 不明（f）現在に芦毛を継承
- ｜Crab Mare 1750（f）現在に芦毛を継承
- ｜Rib 1736
- ｜Bustard 1741
- ｜｜Gamahoe
- ｜ ｜Cromaboo 1774
- ｜ ｜Lennox 1776
- ｜Othello 1743
- ｜｜Creeping Polly（f）1756、キングファーガスの母
- ｜Oroonoko 1745
- ｜｜Quick's Brunswick 1759
- ｜ ｜Skipwith's Conway's 1772
- ｜ ｜Cassius 1778
- ｜Othelo 1746
- ｜Shepherd's Crab 1747
- ｜｜Lath 1763
- ｜ ｜Tippoo Saib 1780
- ｜Brilliant 1750
- ｜｜Bellario 1763
- ｜Spectator 1749
- ｜Sister to Juno（f） 1763、ダイオメドの母
- ｜Mark Anthony 1767
- ｜Aimwell 1782, Epsom Derby
- ｜Mark Anthony Mare IV（f） 1788-1808?
