ウルトラマンSTORY 0
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『ウルトラマンSTORY 0』(ウルトラマンストーリーゼロ)は、講談社の雑誌「月刊マガジンZ」で2005年7月号から連載されている真船一雄作、円谷プロダクション監修による漫画作品。
目次 |
[編集] 概要
プラズマ太陽の影響によって超人(ウルトラマン)となったM78星雲光の国の人々が、同じくプラズマ太陽の影響で狂暴化した動植物(怪獣)や宇宙人から宇宙の平和を守るために戦う姿を描く。ウルトラマンたちは人間の姿にもなることができるが、地球に来る以前のストーリーのためテレビシリーズに登場した人間体の姿ではない。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ウルトラ戦士
- ゾフィー
- M78星雲に住んでいた勇敢な男。プラズマ太陽の影響で超人的な力を得た後、「力を得た自分たちには全宇宙で起こり得る生物の暴走を防ぐ責任があること」を真っ先に公言するほど責任感に溢れる人物。最初に訪れた星で力の意味を悟った後は、平和を守るため全宇宙を飛び回っている。まだウルトラマンになる前(青年だった頃)、崖から落ちそうになっていた幼いエースとルティアの2人を掴んだまま、一昼夜宙づりの状態で耐え続けたこともある。エースを育て鍛えたのも彼であり、そのためエースがバルタン星人に捕らえられた時には真っ先に駆けつけた。人間体時でも、水源を覆う岩盤を素手で叩き割るなど、超人的な力を駆使する。テレビシリーズでは変身アイテムなしで変身していたが、本作ではプラズマ鉱石の埋め込まれたブレスレットを使用して変身する。また本作は宇宙警備隊隊長として功績をあげる以前の話であるため、テレビシリーズなどにある胸や腕の突起物はまだない。
- ウルトラマン
- 元はプラズマ太陽打ち上げを担当する部署の主任を務めていた。当初は自分たちが得た強大な力の使い方を危惧し、苦悩していたが、バルタン星人との戦いを経て平和のために戦う事を決意した。本作では本名が判明しておらず、戦う事を決意した際に自らを、光の超人「ウルトラマン」であると称した(この後、セブンにも「ウルトラマン」と呼ばれている)。本作での彼は、いわゆるBタイプ的顔立ちをしている。人間体時の風貌は、『仮面ライダーSPIRITS』の結城丈二に似ている。
- セブン
- 変身するためのアイテムを失い変身できなくなった状況でも巨大な怪獣相手に立ち向かっていくほど、勇敢で熱い男。バッファロー星の住民が変身した彼の姿を見て「真っ赤に燃える巨人」「赤い巨人」と称した。本作でもテレビシリーズと同じくウルトラアイを使って変身する。ペダン星人のロボットとの戦闘で負傷したミクラスや、ウルトラマンを救ってくれたウインダムなどをカプセル怪獣として仲間に迎え入れた。
- ジャック
- いわゆる帰ってきたウルトラマン。当初は変身ブレスレットを使用して変身していたようだが、怪獣との戦闘中にエネルギーが切れブレスレットが破損。プラズマ鉱石が失われたため変身不能となった。変身ができなくなったことで悩み、勇気と無謀の違いが分からなくなっていたが、水棲人間ハクリの勇敢な行動を目の当たりにし、明日のために絶対に諦めないことを決意した時、変身能力を取り戻した。現在は水棲人間たちの住む星で共に暮らしている。
- エース
- 身寄りがなかったがゾフィーに引き取られた後、彼に育てられ鍛えられた。そのためゾフィーには並々ならぬ恩を感じており、敬意を込めて“兄さん”と呼ぶ事もある。幼馴染のルティアという女性がいる。バルタン星人の卑劣な罠にかかり同じ光の国の戦士と戦うことになる。捕らえられ改造されかけるがゾフィーに救出され、彼の言葉を受け涙を流しながらも、バルタン星人に操られた光の国の戦士を倒した。また、この際ルティアもバルタン星人に操られていたが、エースのために自決した。ちなみにエースとルティアの人間体時は、テレビシリーズの北斗と南にあやかり色違いのスカーフをしている。
- タロウ
- 本作ではまだ誕生したばかりのはずだが、すでに大人ほどの体格になっていた。ウルトラの父の言葉からすると、彼は初めて超人となったもの同士(つまりウルトラの父とウルトラの母)の間に生まれた純粋な超人であり、そのため他の戦士よりも潜在的な能力が高いことが示唆されている。現在はカラレスの特訓を受けている。
- ウルトラの父
- 若き光の国の戦士たちを率いるリーダーのような存在。他の戦士からは「司令」と呼ばれる。まだ自分で戦う事はなく、光の国にて生物の暴走にどう対処するか対策を練っている。
- ウルトラの母
- ウルトラの父の妻であり、タロウの母である。ルティアの死に人一倍悲しむなど、慈悲深く命を重んじる女性。
[編集] オリジナルのウルトラ戦士
- ゴライアン
- 光の国の戦士の中ではかなり大柄で性格も荒削り。他の戦士が自分たちの力を恐れる中、ただ一人「敵は破壊する」と意気込んでいた。その体格を活かしたパワーが持ち味で、その力は自分の何倍もある怪獣を天高く放り投げ頭部の角で粉砕できるほど。フレアとは何かしら因縁があるようで、彼にだけは頭が上がらない。4万歳以上の者にしか生えない髭を生やしているため、高齢(約40代以上)の可能性もある。
- ザージ
- 氷や冷気の力を使う戦士で、氷で創り出した刀で敵を切り裂いたりできる。セブンに似た容姿をしている。
- ドリュー
- 光の国が漆黒の霧に覆われた際、真っ先に霧に飛びかかっていった。大気が焼け焦げるほどの高速回転で蹴りを放つ。
- カラレス
- まだこれといった活躍はない。現在はタロウを鍛えている。
- フレア
- 血気盛んなゴライアンさえ手なずける男。エースに顔が似ている。任意の場所に防御壁を張る能力と防御壁内の物を自由に動かす能力があり、能力を使用する際には両腕が炎のように揺らめく。
- ルティア
- エースの幼馴染の女性。エースに色違いのスカーフを贈ったのは彼女である。エースと一緒にプラズマ太陽の影響で超人化した。その後恒点観測員として星々の調査を行っていたが、バルタン星人の罠にかかり改造されてしまう。改造された後は光の国の戦士をおびき出すための囮として使われエースも罠にかけたが、最後はエースを救うため自決した。
- アルフォンヌ
- 銀十字軍所属の女性。再編された銀十字軍を率いて、全宇宙で戦う光の国の戦士を救助するために活動している。治癒能力を持ち人間体時でも使うことができるが、自身を治療することはできない。
この他にも無名のウルトラ戦士が多数登場している。
[編集] 怪獣・宇宙人
- マグラー
- ワイアール星人
- ギラドラス
- ネロンガ
- いずれも1話に登場した。M78星雲の動植物が変異したもの。
- ゼットン(2話)
- クワガタに似た昆虫がディファレーター因子の影響で怪獣化した。同型のものが3体と、ゾフィーより数倍も大きいものも出現したが、どれもゾフィーのM87光線で倒された。
- キングジョー(3、4話)
- バッファロー星を襲ったペダン星人のスーパーロボット。劇中でキングジョーと呼称されることはなく、外見的特徴と4機の UFO に分離できる能力がテレビシリーズと共通している。ミクラスの角をへし折り、セブンを苦しめたが、ミクラスの協力を得たセブンのウルトラノック戦法で体を真っ二つにされた。
- ペダン星人(3、4話)
- 食料調達と宇宙侵略のための拠点獲得を目的として、キングジョーでバッファロー星を襲った。テレビシリーズではシルエットでしか登場しなかったが、本作では一瞬だけ素顔がわかるシーンがある。
- ミクラス(3話 - )
- バッファロー星の住民たちからは「バッファローの王」と呼ばれていた。ミノスの丘という場所で眠りについており、ミクラスが眠っていた丘だけは彼の体温で雪が溶けていたほど体温が高い。ペダン星人侵攻の際に目覚め、キングジョーと戦った。ディファレーター因子の影響で変異(怪獣に進化)しても、暴走はしていなかった。本作ではテレビシリーズになかった巨大な一本角を持っていたがキングジョーに叩き折られた。更に折られた一本角で刺されてしまうが、必死に人々を守り抜こうとした。キングジョーとの戦いで瀕死の重傷を負ったこと、自らセブンについていくと決めたことが元でセブンのカプセル怪獣となった。折られた角はセブンの力で多数のブーメランに変えられ、バッファロー星住民たちに授けられた。その後、光の国で治療された際には折られた一本角を失ったが、おかげでテレビシリーズで見慣れた姿となった。また、ウルトラセブンと会話ができるなど知性がある表現がなされている。
- タッコング
- ペスター
- グビラ
- いずれも5話に登場。タッコングはタコのような足が8本ある姿となっている。3体ともジャックのスペシウム光線で倒された。
- ムルチ(5話)
- 怪獣としてではなく単なる魚として登場。水棲人間たちの食料である。
- キングザウルス三世(5、6話)
- 水棲人間たちからは怪獣王とも呼ばれ恐れられる怪獣。元は海に住んでいたのだが、人間体のジャックを襲おうとした際に飲み込んだプラズマ鉱石が原因で急速に進化、陸地にも対応した足が生え水棲人間たちを襲った。変身能力を取り戻したジャックの流星キックと思しき技で倒された。劇中では「キングザウルス」としか呼称されていないが、キングザウルス一世とも解釈する事もできる。
- 水棲人間(5、6話)
- おそらくラゴンが元となっている。ジャックが訪れた星で平和に暮らしていたが、ディファレーター因子の影響で怪獣化した生物が海で暴れるようになり、仕方なく狭い陸での暮らしを余儀なくされた。それでも何とか暮らしていたのだが、ジャックのブレスレットから落ちたプラズマ鉱石を飲み込み陸地にも対応したキングザウルスに住処を襲われる。キングザウルスがジャックによって撃退された後は、ジャック(水棲人間たちは彼が超人である事は知らない)を仲間として迎え共に暮らしている。ムルチを好んで食べる。
- ベロクロン
- レッドキング
- バキシム
- ダダ
- いずれも7話に登場。バルタン星人の改造を受け、その拠点で眠っていた。また、タイラント並に合成改造されたバキシムも登場し、エースに倒された。
- 改造された光の国の戦士(7、8話)
- バルタン星人に改造された光の国の戦士。異形の姿となり自我も失っている。計4体出現しエースを襲った。4体ともスペシウム光線を使う。拠点から射出された甲冑をまとう事で完全体となり、甲冑をまとった後は触手を武器にする。エースは彼らを救い甲冑だけを攻撃するために切断技を習得したが、結局は4体とも拠点と一緒に葬られた。
- スカイドン
- ザラガス
- いずれも10話に登場し、オリジナルウルトラ戦士たちに葬られた。スカイドンはかなり巨大な怪獣となっている。
- サドラ(11話)
- 小型肉食恐竜的なスタイルへとアレンジが加えられている。3体登場しウルトラマンを襲った。ウルトラマンは彼らを傷つけまいとしたが、バルタン星人によって木っ端微塵にされた。
- バルタン星人(11話 - )
- 生物暴走事件の張本人。脆弱だった自らの肉体を強化するため、光の国のプラズマ太陽に細工した。自らのために、ディファレーター因子で変異した生物を分析、改造するなどの実験を各地の拠点で繰り返している。『ウルトラマン』第2話に登場したものと同じく「命」の概念がない。また本作のバルタン星人は、大勢のものが一つの意思を共有しており、全員が同じ目的のために行動している。テレビシリーズでおなじみの円盤を使用。変異前はセミ人間に酷似した姿だった。
- ベムスター(12、13話)
- 本作では惑星を食らうほどの超巨大怪獣として登場、ゾフィーと激突した。バルタン星人の改造を受けており、手足にも頭部があり、計五つの頭部がある異形の姿となった。一度はゾフィーのM87光線を吸収し反射させたが、「星の声」を聞き奮起したゾフィーの再度のM87光線を受け、強大なエネルギーを吸収仕切れなくなり内部から崩壊した。死の際に涙を流し、バルタン星人による改造が意にそぐわないものであったことが示された。
- ウインダム(13話 - )
- バルタン星人によって操られ使役されていた怪獣。エネルギーが切れてしまい意識の朦朧としたウルトラマンによって、セブンに見間違われた。かなり多数の個体がおり、拠点の防衛に携わっていた。ウルトラマンによって洗脳を解かれた1体が、彼を拠点の爆発から救った。このウインダムが後にセブンのカプセル怪獣となる。
- ガボラ
- アントラー
- グモンガ
- ガイロス
- ツインテール
- ギガス
- ウー
- ガンダー
- いずれも13話に登場。バルタン星人によって実験の道具となっていた。
本作で登場する怪獣や宇宙人などは、テレビシリーズに登場するものをアレンジしたデザインとなっている。また、1カットのみ登場したりする怪獣なども存在する。
[編集] その他
- サラ(2話)
- ゾフィーが訪れた星に住んでいた心優しい少女。カルの姉である。変身したゾフィーを他の人間たちが恐れる中、彼女だけはゾフィーが自分たちを守ろうとしていることを悟っていた。その後償いのために井戸を掘ろうとしたゾフィーが村人たちから疎外されていた時も、彼女とカルだけはゾフィーを信じた。怪獣の襲撃を避けるため村から離れようとしていた村人たちを説得したのも彼女である。自分たちを守ってくれた巨人の正体がゾフィーであると分かった時、彼を「宇宙の守護神」と称した。
- カル(2話)
- サラの弟。父親を失ったため自暴自棄になっていたが、村のために努力するゾフィーの姿を見て、希望を取り戻した。その後ゾフィーが井戸を掘るのを手伝う。
- ナバーロ(3話)
- バッファロー星に住む部族の族長を務める男。キングジョーが分離した UFO との戦いで負傷し、地表に落下したセブンを救出した。その際落下してきたセブン(ナバーロは彼が隕石落下地点にいたと思っていた)が生きていたことに驚き、彼を「ミラクルマン」と称している。彼ら部族はブーメランでの狩りを得意としており、ナバーロもブーメランの名手である。ペダン星人侵攻の際にも、円盤1機をブーメランで打ち落とす活躍を見せるが、そのことがペダン星人の逆鱗に触れたのか、真っ先に見せしめとして殺されてしまった。その後セブンは、ナバーロが生前使用していたブーメランを巨大化して使用し、キングジョーに致命的なダメージを与えた。
- ハクリ(5、6話)
- 水棲人間の一人で、キングザウルスに襲われるジャックを助けた。怪獣が暴れる海は危険なため、これからは陸に上がって生活しなければならないと考えており、そのため普通の水棲人間ならば恐れる火も積極的に使う。焼いたムルチが大好物。キングザウルスが陸地にも対応できるようになったため更なる奥地へと移り住むことを余儀なくされた後は、水棲人間たちを指揮するような存在となり、砦の建設などに携わった。砦に侵攻してきたキングザウルスに真っ向から向かっていくほど行動力もある。キングザウルスを撃退するために努力したジャックを暖かく仲間に迎え入れた(キングザウルスを倒したのが彼であるということは知らない)。
- じっさま(5、6話)
- 水棲人間たちの長老のような存在。陸に上がり、火を使うハクリを異端児と恐れていたが、内心では彼の考えも理解していた。木の枝1本でキングザウルスを追い払ったジャックに対し、そのおかげで負傷したものがいたことを伝え、彼に「勇気と無謀をはき違えないこと」を諭した。最後はジャックを仲間として迎え入れている。