インドリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
| インドリ | ||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
 インドリ |
||||||||||||||||||
| 分類 | ||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||
| 学名 | ||||||||||||||||||
| Indri indri | ||||||||||||||||||
| 英名 | ||||||||||||||||||
| Indri | ||||||||||||||||||
| 和名 | ||||||||||||||||||
| インドリ |
インドリは、マダガスカル島に生息する霊長類の一種である。サル目（霊長類）インドリ科に分類される。現生の原猿亜目では最も体の大きな種である。いわゆる普通のサル（真猿亜目）に似た姿形をしており、発達した後肢で歩くことができる。IUCN（国際自然保護連合）のレッドリストでは「非常に高い絶滅の危機に瀕している」とされ、「絶滅危惧ＩB類」に分類されている。
[編集] 特徴
体長60cm、尾長5cm、現生の原猿亜目では最も体が大きい。尾は痕跡的についているだけである。普通、頭、肩、背、腕などが黒く、他の部分が白いが、個体によって異なる。耳には目立つ黒いふさがある。発達した後肢を使って、樹間を跳躍したり、歩いたりする。
[編集] 生態
インドリは、マダガスカル島東部の熱帯雨林に生息する。樹上で生活をし、葉、花、果実などを主食としている。一夫一婦型のつがいと、その子どもからなる、2～5頭の群れで生活をしている。昼行性である。朝になると群れのメンバー全体が大きな音声で合唱をする。咽頭部にある膜状の袋で共鳴させることで、非常に大きな声を発することができ、合唱は2km先までとどく。この合唱は縄張りの主張の役割を果たしていると考えられる。妊娠期間は約170日。通常、1子を産む。
オスの頬には皮脂腺があり、木の枝に頬をこすり付けることでマーキングを行う。
[編集] 人間との関わり
インドリという名は元来、現地のマラガシ語で「見ろ」という意味であった。現地ガイドがこの動物を指して発した叫び声「インドリ、インドリ」をフランスのピエール･ソヌラが生物種の呼称と混同し、インドリと命名された(なお、同じくマダガスカルに生息するアイアイもピエール･ソヌラの聞き間違えにより命名された。)。
マラガシ語でのインドリの本当の呼称は「ババコト」であった。死者の魂が宿る神聖な動物とされていた。
